一般財団法人環境イノベーション情報機構
大腸菌の由来について
登録日: 2010年01月08日 最終回答日:2010年01月09日 水・土壌環境 地下水/土壌汚染
No.33962 2010-01-08 15:53:19 ZWlcc35 191
調査地Aの水質分析において、大腸菌が基準を超過して検出されました。
流水であったことから、ゴム手袋を使用せずに採水を行ってしまったため、「採水方法に問題だあったのではないか?」という疑問が投げかけられています。(採水時にゴム手袋をするのは基本的な作業だったのですが・・・)
そのため、wikipediaで大腸菌について調べたところ、「それぞれ異なる動物の腸内にはそれぞれの株のE. coliが生息していることから、環境水を汚染している糞便が人間から出たものか、鳥類から出たものかを判別することも可能である。」(wikipedia:『大腸菌』より引用)と書かれておりました。
分析会社からは「水質分析で検出される大腸菌については、人→水→水生生物または水生生物→水→人と移動している可能性があるので、大腸菌の由来を判別することは困難です」との回答がありました。
この問題に関するアドバイスをいただけますでしょうか?
よろしくお願いします。
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No.33971 【A-1】
Re:大腸菌の由来について
2010-01-09 23:22:28 万田力 (ZWl3b51
それはさておき、環境基準は「大腸菌群数」であって、「大腸菌」ではありません。
また、大腸菌群数を求める分析方法では、糞便由来の大腸菌で無いものもカウントされます。
すなわち、分析会社の方がおっしゃられた理由だけでなく、大腸菌群としてカウントされる植物由来の菌株もありますので、大腸菌の由来を究明しようとすれば、遺伝子検査のような菌株を特定する分析を行わなければなりません。
アンモニア性窒素・塩素・BODなどがいずれも高値を示す場合に糞便による汚染が疑われるわけで、これらの内アンモニア性窒素の代わりに亜硝酸性窒素が高値を示してBODが低い値であるなら、汚染を受けてから相当の時間を経過していることがうかがえるというように、快適な環境か否かの判断指標は環境基準ですが、「汚染」か「あるがままの自然」かを大腸菌群の分析結果だけで判断するのは困難と思われます。
なお、私の経験では、サンプリング時にゴム手袋をしていなくても、大腸菌群が環境基準を超えて検出されるということはありませんでした。
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