陽イオン吸着樹脂の再生方法
登録日: 2009年11月17日 最終回答日:2009年11月30日 水・土壌環境 地下水/土壌汚染
No.33695 2009-11-17 16:55:37 ZWl991f 武
深井戸(100m)原水の飲適利用を考えており、パイロットプランで実証実験を実施し上手く行けば実プラントを設計したいと考えております。
原水水質のアンモニア濃度は8mg/l程度あり、陽イオン吸着樹脂でアンモニア吸着を行っておりますが、再生プロセス(NaCl向流再生)終了後、通液開始すると低濃度(0.2〜1mg/l)のアンモニアが溶出する場合があり、再生毎に次亜塩素酸ナトリウム使用量が異なります。
再生時の状況を見ているとろ材全体に塩水が行き渡らず再生不能箇所があると考え、逆洗速度上げてろ材をよくほぐしてみたり、カラム内圧力を上げたりしておりますが、数度に一度はいきなりアンモニアがリークします。
小さなプラントなので発生しているのでしょうか?
使用方法が間違っているのでしょうか?
特別な方法があるのでしょうか?
原因が分からず、苦慮しております。
プラントの条件は以下です。
陽イオン吸着塔大きさ :150φ×1500
使用している樹脂 :ダイヤイオンPK208
支持材高さ :20cm
充填樹脂量 :14L(高さ80cm)
各プロセスは以下です。
通液速度 :350m/d
逆洗速度 :270m/d
休止時間 :1分
再生工程 :43m/d 10%NaClを27L通液
押出工程 :43m/d 55分間
洗浄工程 :350m/d 30分
どなたか、お助け下さい。宜しくお願いします。
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No.33726 【A-1】
Re:陽イオン吸着樹脂の再生方法
2009-11-24 12:45:39 sos (ZWla85
いつもこの掲示板を利用させて頂いてます。
ここで回答されている方のように深い見識があるわではありませんが
回答がないようなので分かる範囲で書き出してみました。
ご参考になれば幸いです。
地下水のアンモニア性窒素の除去にイオン交換樹脂を用いるとのことですが
ナンセンスな話だと思います。(失礼な言い方ですが。。。)
アンモニア性窒素は非常に選択性が低く
地下水中に豊富に含まれる硬度成分で樹脂はほとんど飽和してしまい
アンモニア性窒素を吸着する能力は残ってないのではないでしょうか?
アンモニアは一番最後に吸着されますので
初期濃度が高いと吸着層が足らずにリークします。
通水条件、再生条件に問題はないように思えます。
ただ単に、アンモニア性窒素が除去しきれずリークしているだけだと思います。
ちなみに再生、押出水は純水を使用されてますよね?
まさか原水を用いるなんてことは・・・
もし、原水の硬度成分が高い場合は
前段に軟水器を設けて硬度成分を除去した後に
イオン交換樹脂で残りのアンモニアだけ除去するという考えはどうでしょう?
ただアンモニア性窒素の除去にイオン交換樹脂を用いるというのは
あまり(ほとんど)聞いたことがありません。
だから研究されているのかもしれませんが。
ゼオライトは検討対象外なのでしょうか?
ゼオライトはアンモニア性窒素に選択性を持っているので
イオン交換樹脂よりはいいと思います。
それ以外ではRO膜かやはり生物処理に頼るしかないかと。
ただし、RO膜の場合は濃縮水の処理が必要になりますのでなかなか難しいですよね。
ちなみに再生廃液の処理はどうされるのでしょう?
引取りでしょうか?
そんなことは重々承知の上でリークを無くしたいと言うのであれば
メリーゴーランド式にされてはいかがでしょう?
以上
回答に対するお礼・補足
貴重な情報を有難うございます。
さて、下記にて再度質問させて下さい。
>アンモニア性窒素は非常に選択性が低く
>地下水中に豊富に含まれる硬度成分で樹脂はほとんど飽和してしまい
>アンモニア性窒素を吸着する能力は残ってないのではないでしょうか?
>アンモニアは一番最後に吸着されますので
>初期濃度が高いと吸着層が足らずにリークします。
ご指導頂いております通り、アンモニア性窒素はイオン化傾向が低く硬度成分を吸着後に吸着しておりますが、アンモニア性窒素も吸着しております。
>もし、原水の硬度成分が高い場合は
>前段に軟水器を設けて硬度成分を除去した後に
>イオン交換樹脂で残りのアンモニアだけ除去するという考えはどうでしょう?
ご指導頂いた通り、軟水器+イオン交換器の組合せも実施しておりますが、同様にイオン交換器からアンモニア性窒素がリークする場合があります。
>ゼオライトは検討対象外なのでしょうか?
>ゼオライトはアンモニア性窒素に選択性を持っているので
>イオン交換樹脂よりはいいと思います。
ゼオライトはご指導頂いております通りアンモニア性窒素を選択的に吸着するようですが、継続してゼオライトを使用すると吸着能力がなくなるようですのでゼオライトでアンモニア性窒素を浄化する事は困難ではないでしょうか?
>それ以外ではRO膜かやはり生物処理に頼るしかないかと。
>ただし、RO膜の場合は濃縮水の処理が必要になりますのでなかなか難しいですよ>ね。
RO膜は高価ですし、生物処理で処理できる程度の低濃度(アンモニア性窒素濃度は10mg/l程度あります。)ではありませんので、断念しております。
>ちなみに再生廃液の処理はどうされるのでしょう?
>引取りでしょうか?
再生廃液は下水道放流しておりますが、問題があるのでしょうか?
>そんなことは重々承知の上でリークを無くしたいと言うのであれば
>メリーゴーランド式にされてはいかがでしょう?
メリーゴーランド式とは如何なる構成でしょうか?
以上、宜しく回答頂ければ幸いです。
No.33741 【A-2】
Re:陽イオン吸着樹脂の再生方法
2009-11-28 00:16:37 yone (ZWl7d2
もう少し情報を頂きたいのですが。
>再生プロセス(NaCl向流再生)終了後、通液開始すると低濃度(0.2〜1mg/l)のアンモニアが溶出する場合があり、再生毎に次亜塩素酸ナトリウム使用量が異なります。
向流再生法を採用されているようですが、
通水時:上向流
再生時:下向流
で、良いのですか。
それとも逆ですか。
流速を表すのに線速度を使用していますが、イオン交換樹脂を使用した場合は、空間速度SVで表すのが一般的です。
あと、1day当たりでなく時間当たりにしてください。
回答に対するお礼・補足
有難うございます。
以下にて回答します。
>向流再生法を採用されているようですが、
> 通水時:上向流
> 再生時:下向流
>で、良いのですか。
>それとも逆ですか。
通水時は上から下に向けた通液で、再生時は下から上に向けた通液です。
ご指導頂いています通り、向流再生です。
>流速を表すのに線速度を使用していますが、イオン交換樹脂を使用した場合は、
>空間速度SVで表すのが一般的です。
19m3/Hrです。
>あと、1day当たりでなく時間当たりにしてください。
350m/d=14.6m/Hrです。
以上、宜しくお願いします。
No.33756 【A-3】
Re:陽イオン吸着樹脂の再生方法
2009-11-30 12:43:47 sos (ZWla85
軟水器で硬度分除去してから通水とのことで
そりゃそうですよね(汗)失礼しました。
思い込みで回答するとロクなことがないですね。
しかも
向流再生!!
確かに本文中に書いてありました。
大事なところを見逃してました。
向流再生の場合は
通常逆洗はしません。
もししても表層部の無効樹脂の部分だけです。
(コレクターより上の部分)
理由は樹脂層のイオン分布を乱さないようにするためです。
こうすることで向流再生は
並流再生に比べ再生レベルを低く抑えることが出来ます。
ただ、武さんの条件を見ると
再生レベルが200g-NaCl/L-Rと非常に高い値になってますね、
これは並流再生なみのレベルです。
何か意味があるのでしょうか?
このレベルで再生してれば、例え逆洗でイオン分布が乱れても
完全再生出来そうな気がします。
向流再生は樹脂が動かないように塔上部から押さえ用の水を流したり
塔の構造もいろいろ難しい面がありますので
もし、メーカーの指導等を受けられていないのであれば
一度、樹脂メーカーにお尋ねになられたほうが良いかと思います。
そもそもNa型をアンモニア性窒素の除去に用いるのが妥当なのか
私も経験が無いため、判断出来ません。
ボイラーの軟水処理でアンモニウム型を使うと効率が良くなる
というのは聞いたことありますが。
通水条件、再生条件には特におかしなところは見当たりません。
一度、再生レベルを上げて(倍量再生とか)
完全に再生された状態でもリークが起きるか試してみてはいかがでしょう。
もし、それでリークが起きないのなら、やはり再生上の問題ということになります。
もしくはリークが起きたときに
塔の上層部、中層部、下層部の樹脂を抜き出し
性能分析してみてください。
上層部、中層部がまた交換容量が残ってるのに
下層部は飽和しているのであれば
再生の問題もしくは通水時に水みちが出来てると思われます。
あとメリーゴーランドというのは樹脂塔を直列に並べ
例えばA塔⇒B塔の順に通水します。
A塔が飽和するとA塔を再生し
次はB塔⇒A塔という順番に通水します。
こうすると常に後段が新しい樹脂になり、負荷もないので
処理水リークを抑えられます。
処理水の純度を上げたいときには良く使います。
ご参考まで
回答に対するお礼・補足
有難うございます。
>向流再生の場合は
>通常逆洗はしません。
有難うございます。
実施します。
>再生レベルが200g-NaCl/L-Rと非常に高い値になってますね、
>これは並流再生なみのレベルです。
再生レベルは少しづつ上げて行き、アンモニアが溶出しなくなるまで
上げました。
向流再生時の一般的な再生レベルはいくら位なのでしょうか?
>向流再生は樹脂が動かないように塔上部から押さえ用の水を流したり
>塔の構造もいろいろ難しい面がありますので
>もし、メーカーの指導等を受けられていないのであれば
>一度、樹脂メーカーにお尋ねになられたほうが良いかと思います。
樹脂メーカはつれない対応で。。。。。
自分で考えるしかないのが事実です。
樹脂が動かない工夫として再生時には排水バルブを絞りカラム内圧力を
上げていますが、押さえ用の水を流すことと差はあるのでしょうか?
>一度、再生レベルを上げて(倍量再生とか)
>完全に再生された状態でもリークが起きるか試してみてはいかがでしょう。
>もし、それでリークが起きないのなら、やはり再生上の問題ということになりま
>す。
再生レベルを上げるとリークは起きません。
また、各層を調査すると交換容量が残っている状態ですので、
水みちが出来ていると思っています。
また、リークするのは再生時にも水みちが出来ているとも思っています。
>あとメリーゴーランドというのは樹脂塔を直列に並べ
>例えばA塔⇒B塔の順に通水します。
有難うございます。
また、ゼオライトは継続して使用しても交換容量が減るとの噂を聞いたことがありますが、いかがなものでしょうか?
No.33761 【A-4】
Re:陽イオン吸着樹脂の再生方法
2009-11-30 23:27:17 yone (ZWl7d2
>通水時は上から下に向けた通液で、再生時は下から上に向けた通液です。
吸着塔に逆洗空間を取っているということは、充填樹脂の直上から再生廃液を抜き出しているのかな。
再生剤を上向流で通液すると、樹脂の浮遊・展開があり、再生後のリーク原因になります。
また、押出行程でも再生剤と洗浄水との密度の違いによって、綺麗にできません。
これらは、吸着塔が大型になるほど解決は難しくなります。
前レスの質問時に書きましたように、
通水時:上向流
再生時:下向流
の方式が、再生が良好に行えます。
是非、検討してみてください。
この場合、吸着塔上部にイオン交換樹脂の流失・ストレーナーの閉塞を防ぐため、浮遊樹脂(不活性樹脂等と呼ばれている樹脂ビーズ)を使用してください。
また、sos氏が書かれているように向流再生の場合は通常逆洗はしませんので、吸着塔を有効に使用できますよ。
余計な上部空間がありますと、通水開始時の樹脂展開により、吸着イオンの漏れにつながります。
イオン交換樹脂が Na→NH4 に変わっても、体積変化はほとんどないのでは。
イオン交換樹脂の洗浄方法等は、各メーカーの特許ですので、基本的なことだけ。
回答に対するお礼・補足
yoneさん
目から鱗です。有難うございます。
以前、ご指導頂いた時には主旨がイマイチ良く分かりませんでしたが、
確かに、通水時:上向流 再生時:下向流とすると上手く行きそうです。
容器への樹脂の充填は逆洗を行わないのであれば、浮遊樹脂+イオン交換樹脂で満たして水かぶりは必要なさそうですね!
また、ゼオライトを試しに使用してみるとアンモニアを選択的に吸着する能力があるようですが、ゼオライトを使用する場合もイオン吸着樹脂と同様に扱えばよろしいのでしょうか?
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