全窒素の紫外線吸光光度法の検量線について
登録日: 2009年05月29日 最終回答日:2009年06月10日 水・土壌環境 水質汚濁
No.32326 2009-05-29 17:24:31 ZWlc546 yamahana
工場排水などの全窒素を測定しています。
JIS規格の紫外線吸光光度法を用いて測定しています。
その際に検量線は、検体と同じ手順を踏まないのでしょうか?
検討するために、検体と同じ手順を踏んだ(分解液を加えて加熱)スタンダードの吸光度を測定したのですが、JIS規格で測定したスタンダードの吸光度よりも高い値が出ます。
そうなると、検体の濃度が変わってくると思うのですが、どうなのでしょうか?
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No.32347 【A-1】
分析屋を、自称しているものから一言。(戯言と取られても結構です)
2009-05-31 20:47:27 火鼠 (ZWl8329
>JIS規格の紫外線吸光光度法を用いて測定しています。
>その際に検量線は、検体と同じ手順を踏まないのでしょうか?
>検討するために、検体と同じ手順を踏んだ(分解液を加えて加熱)スタンダードの吸光度を測定したのですが、JIS規格で測定したスタンダードの吸光度よりも高い値が出ます。
>そうなると、検体の濃度が変わってくると思うのですが、どうなのでしょうか?
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JISここでは、K0102かな?確かに、検量線を引くとき空試験(前処理を含めて)やれとは、書かれていない。でも、分析屋だったらやるのでは?さらに、JISは、基本的な、分析法を定義しているので、備考が、いっぱいあります。何々が、多い試料の場合は、こんな問題がありますとか。ですから、分析屋は、検量線引くときに問題のありそうな、試料に標準を添加して測定してみたり。検量線引くときに、妨害物を添加したりして、どこまで、妨害するかしらべますよ。JISは標準ですから、異例のことは、***妨害する程度しか書いてない。どの程度妨害するか調べるのは、分析屋の能力では、ないでしょうか?
一般的な、排水なら、標準(JQA?)のみ排水マトリクスを加味しなくても、JISの検量線から、外れることはすくないのではないでしょうか?(経験)外れるとすれば、あなたの技術が未熟なためかもしれませんよ。
設問を、理解不足で怒らしちゃうかもしれませんが、もうすこし。JISと、0102の解説は必ず読んでください。
どっちが、正しい。ではないのです。『真値は、神のみぞ知る』なのです。
回答に対するお礼・補足
回答ありがとうございます。
たしかに、まだ分析を始めて間もなく未熟なので、自分の分析方法に失敗があったのかもとも考えています。2回同じように比較したのですが、2回とも分解液を加えて加熱したスタンダードの吸光値が上がってしまいました。加熱しないものに比べて、検量線の傾きが上がってしまうのです。
JISの工場排水規格を読んだり解説書を読んだりもして、自分なりになぜ分解液を加熱したスタンダードが加熱しないスタンダードの値より上がるのか考えてみました。おっしゃているように、妨害物質のことなど備考に書いているので、考えてみたりもしたのですが、スタンダードですので、超純水と窒素標準液しか入っていないはずです。
PH値が適していないのかとも思ったのですが、2〜3となっていました。
また、超純水が汚れているのかとも思ったのですが、スタンダード0ppmのときは加熱したものも加熱していないものも、値は大きくは変わっていないのです。超純水が原因であれば、0ppmの時点で底上げされているはずかなぁと思って、水の汚れではないと考えました。
分解液を加えて加熱することで、なにか反応が起こって、220nmに反応する物質がでてくるのでは?と考えてみたのですが、そんあんことはありうるのでしょうか?
もし、何か思い当たる要因があれば教えていただければありがたいです。
初心者の疑問で申し訳ないのですが、よろしくお願いします。
No.32360 【A-3】
Re:全窒素の紫外線吸光光度法の検量線について
2009-06-01 22:17:27 やまつみ (ZWlc562
>JIS規格の紫外線吸光光度法を用いて測定しています。
>その際に検量線は、検体と同じ手順を踏まないのでしょうか?
>検討するために、検体と同じ手順を踏んだ(分解液を加えて加熱)スタンダードの吸光度を測定したのですが、JIS規格で測定したスタンダードの吸光度よりも高い値が出ます。
>そうなると、検体の濃度が変わってくると思うのですが、どうなのでしょうか?
同じスタンダードを使用したならば、検体と同じ手順を踏んだ方は、分解液を加えた分JIS規格で測定したスタンダードとは濃度が変わっているはずです。各スタンダードで、検体と同じ手順を踏んだ吸光度とJIS規格で測定した吸光度の比はどうなっていますか。
回答に対するお礼・補足
分解液を加えて加熱したものの吸光度はJIS規格で測定したものに比べ、約2倍弱の値になっているのです。
濃度の違いを考えると、むしろ低くなっていると予想していたのですが・・・。
No.32361 【A-4】
Re:全窒素の紫外線吸光光度法の検量線について
2009-06-02 00:46:02 mashi-nana (ZWlba51
もし、検量線の作成時にサンプルと同様な操作をしなければならないとなると、余分な操作が加わるごとに検量線をそのつど毎回、後から作らないとなりません。
なお、この方法は、混入している有機物が分解されやすく少量な場合に適しています。サンプルは完全に分解できる量以下を分解瓶に取ります。
回答に対するお礼・補足
<紫外線吸光光度法による全窒素の分析では、検量線は加熱分解操作をしないで行いますが、分析ごとに「水で同じ加熱分解操作を行い、これを空試験」として、サンプルの吸光度を補正します。たとえば、サンプルに沈殿が生じてろ過などの操作が加わった場合は空試験でも同様な操作をします。
ブランクとして、超純水で同じ加熱分解操作を行い、サンプルの吸光度は補正しています。
No.32364 【A-5】
Re:全窒素の紫外線吸光光度法の検量線について
2009-06-02 10:34:15 亜希子 (ZWl7f21
回答に対するお礼・補足
はい、窒素りん測定用を使用しています。
No.32369 【A-6】
Re:全窒素の紫外線吸光光度法の検量線について
2009-06-02 21:34:39 papa (ZWlbd18
その時の原因はA-5回答にあるように、分解試薬のブランクが結構高いためにそのような現象になったと記憶しています。
特に添加している水酸化ナトリウムの影響は大きいようでした。使用期限を決めたり保管場所を隔離する必要があると思います。
検量線の勾配は同一操作ならブランク値には依存しませんので、試薬ブランクはきちんととる必要があります。また、分解試薬量や検体採取量の偏差はそのまま定量誤差に反映されますので注意が必要です。
流入下水のような有機物の多い検体でもJIS操作で実用上は支障のない範囲のデータが簡便な操作で得られる数少ない化学分析操作だと思います。
試薬ブランクがかなり高い分析操作であることを認識して操作していれば特に困惑するようなケースではないと思います。
>検討するために、検体と同じ手順を踏んだ(分解液を加えて加熱)スタンダードの吸光度を測定したのですが、JIS規格で測定したスタンダードの吸光度よりも高い値が出ます。
その偏差が分解試薬のブランク値です。
硝酸イオンの紫外吸光度で定量しているのですから、分解試薬で窒素化合物は全て硝酸イオンになることを前提に操作が設定されています。
流入下水ではたまにMnが酸化されて過マンガン酸イオンになり分解液が紫色に着色することがありますが、あまり誤差にはならなかったように記憶しています。
分析操作のチェックとしては、処理場ではICで無機態窒素を同時に測定するのでその結果を参考にしています。(無機態窒素の合算値と全窒素の差を有機態窒素としています)
回答に対するお礼・補足
試薬ブランクとは、超純水で分解加熱操作をしたもののことですよね?
試薬ブランクの値ははサンプルから引いて補正しています。
もし、試薬ブランクだけの差であれば、JIS規格のものも加熱分解処理したスタンダードの吸光度も勾配は同じになって、そのまま全体的に持ち上がるのではないかと思うのですが・・・?濃度が高くなればなるほど、JIS規格のスタンダードの吸光度の値よりも開きが出てきているのです。
No.32394 【A-7】
勉強になりました。
2009-06-04 18:47:23 mashi-nana (ZWlba51
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上水試験方法1993年版では、検量線作成時にも分解操作をしますが、試験操作の中では、水による空試験を実施しませんので、補正はしていません。以下検量線の記載です。
検量線の作成:窒素標準駅を、10mmセルを用いる場合は、0、1.0〜40mL、50mmセルを用いる場合は0、0.5〜8mLを段階的に数個の分解瓶に採り、以下(1)、(2)と同様の操作をして窒素量(mg)と吸光度との関係を求める。
下水試験方法1997年版では、検量線作成時には分解操作をしませんが、試験操作の段階では、水による分解操作(空試験)を実施して補正しています。以下検量線部分のの記載です。
検量線の作成:硝酸性窒素標準液(0.01mgN/mL)1〜15mLを比色管50mLにとり、塩酸(1+500)5mLを加えて振り混ぜ、さらに水を加えて50mLとし、以下、試料液と同様の操作を行って吸光度を測定し、各段階の標準液50mL中の硝酸性窒素(N)の量と吸光度との関係線を作成する。別に水に塩酸((1+500)5mLを加え、50mLにした後、波長220nmで吸光度を測定し、標準液で得られた吸光度を補正する。
・・・・・・・・・・・・・・
以上です。共にJISとは検量線の操作方法が異なります。三者三様ですので、それぞれ多少、測定結果の数値が異なるように思えます。
事業場排水では、排水の規制に関わる試験なので、基本的にはJISどおりに行うものと思いますが、それとは別に、質問者は、試験法を精査していただければ宜しいかと思います。
回答に対するお礼・補足
いろいろと調べてくださってありがとうございます。
JISの工場排水試験方法、上水試験方法、下水試験方法どれも三者三様なんですね。
今後、また検討していきたいと思います。
No.32409 【A-8】
Re:全窒素の紫外線吸光光度法の検量線について
2009-06-05 12:42:07 やまつみ (ZWlc562
>理したスタンダードの吸光度も勾配は同じになって、そのまま全体
>的に持ち上がるのではないかと思うのですが・・・?濃度が高くなればな
>るほど、JIS規格のスタンダードの吸光度の値よりも開きが出てきて
>いるのです。
JIS規格の勾配と加熱分解処理の勾配は異なります。
例えば試料量50mlとした場合、未知試料の量は
JIS規格の場合、検量線から求めた量×60/50、
加熱処理した場合、検量線から求めた量
この点を検討してみてはいかがですか。
>工場排水などの全窒素を測定しています。
>JIS規格の紫外線吸光光度法を用いて測定しています。
>その際に検量線は、検体と同じ手順を踏まないのでしょうか?
>検討するために、検体と同じ手順を踏んだ(分解液を加えて加熱)スタンダードの吸光度を測定したのですが、JIS規格で測定したスタンダードの吸光度よりも高い値が出ます。
>そうなると、検体の濃度が変わってくると思うのですが、どうなのでしょうか?
操作している試験方法に従う、と考えます。
同一試料を各検量線で求めてみてはいかがですか。
方法が違うなら、結果が違っても構いません。(必要な精度は確保して)
結果には併せて試験方法を付記します。結果はあくまで相対値です。
>濃度の違いを考えると、むしろ低くなっていると予想し
>ていたのですが・・・。
見慣れたグラフから判断していると思われます。
検量線は見慣れたグラフと軸が逆になっています。そうだとすれば、検量線の勾配が急になると予想したことになります。
回答に対するお礼・補足
JIS規格の場合、検量線から求めた量×60/50、
加熱処理した場合、検量線から求めた量
この点を検討してみてはいかがですか。
勾配が異なること、ようやく理解できました。ありがとうございます。
ただ、その点を考慮しても、加熱分解操作したものの吸光度の勾配が急すぎるので、また検討したいと思います。
今現在考えられる要因の一つとして、窒素標準液自体に問題があるのではないかということです。約3年前くらいに100ppmの標準液を調整してから、冷蔵庫保管でそれを原液として薄めて使用しています。
長期間の保管の間に変性したなどが考えられないのかな?と思うのですが、標準液はどのくらい保管可能なのでしょうか?
No.32445 【A-10】
Re:全窒素の紫外線吸光光度法の検量線について
2009-06-09 19:19:00 やまつみ (ZWlc562
作り置きの酸が吸光度に影響することを考えると、「加熱分解で、220nmに吸収を持つ物質を生じる、保存容器からの溶出物」でしょうか。 ???です。
>加熱分解操作したものの吸光度の勾配が急すぎるので
ご存知のとおり、JISより低くなりますよね。
回答に対するお礼・補足
回答ありがとうございます。
新しいスタンダードで再検討してみます。
No.32452 【A-11】
Re:全窒素の紫外線吸光光度法の検量線について
2009-06-10 00:54:24 匿名 (ZWl7f3a
数週間以上使用することは通常ありえません(大体は用時調製だと思います)
市販品でも未開封の場合の有効期限はありますが、開封した場合には直ちに使い切ることとなっていると思います。
窒素化合物は形態が変化しやすいので特に注意が必要です。
回答に対するお礼・補足
少なく見積もった場合でも1週間ですか!!
新しいスタンダードで再検討してみます。
ありがとうございました。
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