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環境Q&A

再質問・硝化運転 

登録日: 2009年05月19日 最終回答日:2009年05月22日 水・土壌環境 水質汚濁

No.32204 2009-05-19 23:38:05 ZWlc510 ウィッチ

硝化運転の再質問です。2007年に「イワコー」さんから「硝化運転」の質問がありました。参考にさせていただきましたが、未だ季節の変わり目では水質低下が起こります。専門書など他で調べても今日まで解決策が見つからずにいます。2年が経過したことから、再質問させていただきます。具体的なアドバイスをお願いいたします。

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No.32219 【A-1】

Re:再質問・硝化運転

2009-05-20 15:22:44 ラテ (ZWlb23f

私には回答する知識はありませんが、参考になりそうなサイトを知っているのでリンクをはらせていただきます。
季節の変わり目に水質が悪化しやすい事についてサイト運営者の考えが記述されています。
http://www.geocities.co.jp/NatureLand-Sky/4277/kotae1.htm

回答に対するお礼・補足

ラテ様、mashi-nana様、適切なアドバイスをいただきありがとうございました。処理水質の回復傾向を見定めていましたので、お礼が遅くなりました。

No.32253 【A-2】

Re:再質問・硝化運転

2009-05-22 22:34:13 mashi-nana (ZWlba51

標準法でも、今日ではある程度の低負荷運転が常識ですので、高水温期に硝化が進行し、低水温期に硝化が止まる傾向にあります。この場合、特に硝化に移行する時期に、活性汚泥が解体気味になる場合や、第二沈殿池で処理水に浮上汚泥が混入することがあります。この解消法はこのQ&Aでも過去に取り上げられていますが、質問はより具体的なアドバイスがほしいとのことでしょう。
本来は、質問者が今までの回答を読み、自ら解決策を模索するのがよいのでしょうが、お急ぎのようなので、理屈を略記し解消するための具体的な操作を記載します。
ただ、エアレーションタンクの特性は施設により異なりますので、記述がそのまま当てはまらない場合(特に完全混合型反応槽)もありますし、誤解して操作しますと水質を悪化させてしまう場合も少なくないでしょう。その場合は早めに操作を変更してください。
本論に入ります。
@反応槽において、硝化細菌は一般に、DOの豊富な最終回路末端から増殖し始めますが、この時期、従属栄養細菌により槽前段で吸着(貯蔵)された有機物が最終回路末端でも残存することから、活性汚泥の呼吸速度が高く、溶存酸素は活性汚泥フロック内部の硝化細菌まで十分に行渡りません。亜硝酸酸化細菌(いわゆる硝酸菌)の増殖には十分な酸素を必要としますので、最終回路末端ではアンモニア酸化細菌のみが増殖し、亜硝酸酸化細菌は増殖できません。この状態で、好気槽全体の溶存酸素濃度を高めてしまいますと、アンモニア酸化細菌が増殖して亜硝酸濃度のみ高まり、硝酸化には結びつきません。亜硝酸の障害は従属栄養細菌への被曝濃度と被曝時間に係ると思われますので、当然に帰結として、従属栄養細菌はダメージを受け、活性汚泥は有機物分解力を失い、解体します。→次に続く

No.32254 【A-3】

前段の続き

2009-05-22 22:44:46 mashi-nana (ZWlba51

これを防ぐには、最終回路末端のみ溶存酸素を高めて亜硝酸が生成するように管理するとよいでしょう。こうすれば、生成した活性汚泥中の亜硝酸は第二沈殿池入口前後で脱窒され、従属栄養細菌はダメージを受けません。ただし、末端以外の好気槽のDOを下げ過ぎますと、有機物の処理が不十分になりバルキングが発生することがあります。末端以外では亜硝酸濃度を0〜1mg/Lに保つように管理します。
Aすでに解体してしまっている場合はMLSSを高めに誘導すると共に、最終回路末端部より前の好気槽のDOを亜硝酸を生じない程度(0〜1mg/L)に下げて、活性汚泥中に低DO域で生存可能な好気性細菌群や通性嫌気性細菌を優先増殖させます。これらの細菌の平均増殖時間は数時間程度なので、数日あれば処理能力が回復してくると思います。
若しくは良好な活性汚泥を転送することが可能ならば、それも良い解決策と思います。
B反応槽末端部のみであっても、十分に酸素濃度を高くなるように運転していますと、亜硝酸は徐々に硝酸化してゆきます。このまま、硝酸へと進めることも出来るのですが、最終回路末端での活性汚泥の酸素消費速度(Rr)が高い状態では、第二沈殿池で沈降した汚泥が無酸素状態になりやすく、脱窒汚泥が浮上して処理水に混入することがあります。
これを防ぐには、処理水から硝酸が検出され始めたら、最終回路のDOを多少低めに誘導して、亜硝酸が処理水中に残るように運転します。当然ですが、亜硝酸が無ければ、亜硝酸酸化細菌はいつまで待っても増殖しません。DO管理に注意してください。最終回路の酸素消費速度が下がるまで、この運転方法を継続すれば、亜硝酸は徐々に硝酸化します。ここまでくれば、DOを増やして硝化を進行させても脱窒汚泥が浮上しにくくなります。
亜硝酸型の運転を維持するには、反応槽内部の亜硝酸濃度を継続的に測定し、DOをコントロールなければならないので手間はかかりますが、省エネルギーですし、窒素の除去もある程度可能です。でも、管理が大変ならば、多少浮上汚泥が処理水へ混入することを覚悟して硝酸にしてしまうのも選択肢のうちです。
余談ですが、亜硝酸イオンなどの検出は、活性汚泥の上澄水をパックテスト、RQフレックスなど簡易テストで行います。また、顕微鏡による糸状性細菌の観察を欠かさないでください。

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