一般財団法人環境イノベーション情報機構
活性汚泥法と膜分離活性汚泥法の違い
登録日: 2009年04月23日 最終回答日:2009年04月24日 水・土壌環境 水質汚濁
No.31935 2009-04-23 10:20:28 ZWlc48 山田
活性汚泥法と膜分離活性汚泥法では除去率が違うのはなぜですか? 活性汚泥フロックが膜よりも小さい物質を吸着する過程は一緒なのになぜ変わるのですか。
活性汚泥法では物質を吸着して沈降することによって、汚水がきれいになりますが、反応タンクで全て反応せずに次の工程に行ってしまう分除去率が悪くなってしまうと考えました。それと、全ての物質と吸着反応せず、その分と考えます。
誰か分かる方教えてください。お願いします。
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No.31947 【A-1】
Re:活性汚泥法と膜分離活性汚泥法の違い
2009-04-23 21:52:29 papa (ZWlbd18
膜分離では固液分離が自然沈降に依存しないので、高濃度の活性汚泥を保持することができ、F/M比を小さくできます。
その結果として高効率で汚濁物質を取り込むことが可能になります。
但し、固液分離にエネルギー消費を伴いますので下水のような低濃度で大量の汚水などを処理する場合は経済的には不利になります。
通常の活性汚泥処理では固液分離が自然沈降ですので、F/M比は固液分離ができる範囲に制約され、SSの除去も汚泥性状に依存する部分があります。水頭損失の小さい急速ろ過を併用すればエネルギー消費を抑えながらSSを膜分離並みにするのは難しいことではありません。
>反応タンクで全て反応せずに次の工程に行ってしまう分除去率が悪くなってしまうと考えました。
押し出し流れの反応タンクを想定していると思われますが、現在の処理場は一般的に1系列が4槽以上に分割されていることが多いので水流の短絡はほとんどありません。
膜分離の単槽式よりは次工程への持ち込みは少ないと思います。
>全ての物質と吸着反応せず、その分と考えます。
吸着ではなく生体膜の能動輸送として基質が取り込まれていると考えられます。また、SS成分についても菌体外酵素によって低分子化され取り込まれるものがあります。活性汚泥を検鏡すると細菌により加水分解されて崩壊途中のセルロースなどを観察することができます。
回答に対するお礼・補足
詳しい回答ありがとうございます。
活性汚泥法では沈降しない物質(浮遊物質)などを除去できないが、膜分離活性汚泥法では除去できるのでSSの除去率に違いがでるということでいいのでしょうか?
No.31954 【A-2】
Re:活性汚泥法と膜分離活性汚泥法の違い
2009-04-24 20:39:25 papa (ZWlbd18
しかし、固液分離のエネルギー消費の問題が不可避なので用途が限定されるのは仕方ありません。
適材適所の典型というべき単位装置と思います。
よろず万能というような装置はないのです。
回答に対するお礼・補足
回答して頂きありがとうございました。
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