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環境Q&A

3価Cr→6価Crに戻る 

登録日: 2009年03月27日 最終回答日:2009年04月02日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)

No.31688 2009-03-27 15:52:34 ZWlc258 安室怜

排水管理しているものです。
 現在、めっき工程で廃液されたCr濃度30ppm程度、pH6前後の6価クロムを硫酸、重亜硫酸ソーダを用いて、3価クロムにしてから、銅系排水(Cu:150ppm程度)と混合して排水処理しています。
 しかし、上司から、以前より、6→3価の還元状態を甘めにしないと、途中で、6価クロムに戻るといわれてきました。
 このことが正しいのか腑に落ちないので、どなたか、教えていただきたいと、思います。
 Cr還元時は、pHを硫酸にて2.5〜2.9に調整、ORP210〜220mVです。

 甘めとは、還元直後の液をサンプルし、ジフェニルカルバジドを滴下し、薄いピンク色になるような状態です。(完全に還元していれば、無色透明)

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No.31698 【A-1】

Re:3価Cr→6価Crに戻る

2009-03-28 09:53:55 たそがれ (ZWla61d

>排水管理しているものです。
> 現在、めっき工程で廃液されたCr濃度30ppm程度、pH6前後の6価クロムを硫酸、重亜硫酸ソーダを用いて、3価クロムにしてから、銅系排水(Cu:150ppm程度)と混合して排水処理しています。
> しかし、上司から、以前より、6→3価の還元状態を甘めにしないと、途中で、6価クロムに戻るといわれてきました。
> このことが正しいのか腑に落ちないので、どなたか、教えていただきたいと、思います。
> Cr還元時は、pHを硫酸にて2.5〜2.9に調整、ORP210〜220mVです。
>
> 甘めとは、還元直後の液をサンプルし、ジフェニルカルバジドを滴下し、薄いピンク色になるような状態です。(完全に還元していれば、無色透明)
>
>


3つ確認させてください。
・ジフェニルカルバジドで薄いピンク色になる程度に保つにはどういった方法で調節しているのでしょうか
・銅系排水には酸化剤は含まれているのでしょうか
・再酸化されて放流水に六価クロムが検出されるのを貴殿自身が確認されているのでしょうか

回答に対するお礼・補足

たそがれ様
遅くなり、長文で申し訳ございません。
質問の件ですが、
・ジフェニルカルバジドで薄いピンク色になる程度に保つにはどういった方法で調節しているのでしょうか
→硫酸滴下後、重亜硫酸ソーダが添加し、再度硫酸が入る直前のpH(当社では2.7〜2.8付近)を狙って、サンプルし、このポイントで薄ピンクなるように、ORP管理値(重亜硫酸ソーダ添加ON/OFF)を変更しています。

・銅系排水には酸化剤は含まれているのでしょうか
→排水には酸化剤となるものは、入っていないと思いますが、ただ、RO膜純水装置のブライン水は通常はpH調整後放流しますが、pH異常の場合、一時、銅系排水と混合する場合があり、その液中には、多少塩酸が含まれることがあります。(この塩酸というのは、社内のものに尋ねると酸化剤とはなりえないということですが、本当でしょうか)
 そのほか、硫酸マグネシウム、クエン酸三ナトリウム、硫酸ニッケルなどが銅系排水に入ってきますがこれらは酸化剤となりますか?(濃度はppmオーダーです)

再酸化されて放流水に六価クロムが検出されるのを貴殿自身が確認されているのでしょうか
→文献に記載されているような理想に近いORP値にして還元をしたことはないので、再酸化は未確認です。というのは、実際にむやみに3価クロムに還元して、何かしらの原因で6価に戻ったときに、最終処理場なので、大問題になりうるかもしれません。従って、今の条件なら、3価から6価に戻らないことを理論上わかった上で確認したいと思います。

以上、よろしくお願いします。

No.31715 【A-2】

Re:3価Cr→6価Crに戻る

2009-03-30 21:55:18 たそがれ (ZWla61d

最初にお断りしておきたいことは、私にはクロム酸の排水処理の経験がないということなんです。ですから、経験からくるこつ、というようなことも言えません。その意味では経験者の回答が付くまで、もうしばらく質問を締め切らないでいてほしいのです。

ただし、分析業として日々、六価クロムの依頼分析を行っている関係から、よく相談を受けます。
皆さんのお話を総合すると、ジフェニルカルバジドで少し色が付く程度に保つなどはとんでもない、ということなんです。
酸の種類、濃度で多少違ってきますが、色が少し付く程度ということは、六価クロムで、概ね0.02〜0.05mg/L程度でしょう。排水基準は0.5mg/Lですが、それにしても失敗したら・・・ということを考えたら、首の皮一枚、という処理だと思います。
質問欄で記されているORP計の電圧、pHはごく標準的です。
ORPを下げ過ぎるのも試薬の無駄でしょうが、少なくとも皆さん、完全に還元しています。

回答に対するお礼・補足

ご回答、ありがとうございます。
たそがれ様の意見より、もしかしたら、単純に次工程で希釈されて、6価クロムが検出されていないのかもしれません。
故に希釈が不十分であれば、濃度がそれなりになって、3価→6価に戻ったイメージを上長が持っているのかもしれません。
締切はまだ、しないようにします。

No.31725 【A-3】

Re:3価Cr→6価Crに戻る

2009-03-31 22:08:59 papa (ZWlbd18

> 上司から、以前より、6→3価の還元状態を甘めにしないと、途中で、6価クロムに戻るといわれてきました。
> このことが正しいのか腑に落ちない

ごもっともと思います。水溶液でCrV→Yはかなり強力な酸化剤が必要なのでご質問の条件ではそのような反応は起こらないだろうと推察できます。
しかし、上司の方の指示はピンとはずれというわけでもなく少し誤解が含まれてるのではないかと思います。
酸性条件化でソービスを等量点以上注入すると、排水処理に換気用スクラバーのない施設では亜硫酸ガスの発生により作業条件が極めて劣悪な状態になります。クロムの処理を行っている事業所で、目も開けられないほど猛烈な刺激臭の現場に入ったこともあります。そこで働いておられる担当者の健康が心配になりました。
また、下水放流では還元剤の注入過多はヨウ素消費量の増大を招き排除基準を超過したり、河川放流では溶存酸素消費によって2次被害の発生も考えなければなりません。
上司の方の指示はそういったもろもろの状況を考慮して設備上の限界で等量点付近に制御できないなら痕跡程度の残留は容認するというような発想ではないかと思います。
処理反応的には簡単な反応ですので制御系を等量点に近づける工夫は必要と思います。

回答に対するお礼・補足

遅れて申し訳ありません。今後、papa様のおっしゃる通りの工夫をしていきたいと思います。

No.31740 【A-4】

Re:3価Cr→6価Crに戻る

2009-04-02 19:38:11 yone (ZWl7d2

排水処理装置メーカーの者です。

クロムの再酸化は、ある条件下では酸化剤が無くても起こります。
ただ、酸化剤が無くとは言うものの、溶存酸素、大気中の酸素が必要ですが。
 条件 1.亜硫酸イオンがあること
    2.Cu・Niが含まれること
    3.アルカリ性であること
還元された3価クロムが、直接6価クロムに再酸化されるのではなく、上記の条件下で、金属水酸化物の一部が過酸化物まで酸化され、この過酸化物が3価クロムを再酸化します。
還元剤の過剰量と酸素の供給速度によって反応が起こる迄の時間が変わるので、還元剤が大過剰の場合は、再酸化が起こる前に水酸化物フロックが沈降分離され、処理水に6価クロムが検出されないことになります。
この場合は、脱水スラッジから溶出する事がありますが。

安室怜様、メーカーの者としては推奨しがたい管理方法ですが、従来より管理していること、還元直後液で確認していること(通常、クロム系排水の2倍以上の酸・アルカリ系排水があるので希釈が見込まれる....良くないですが)から、...言えません。

クロム還元電位は1pH当たり50mV変動しますので、pH計と硫酸添加ポンプを比例制御の物に交換すれば0.1pH位の変動幅で制御ができ、管理がし易くなります。
できれば、ORP計と住亜硫酸ソーダのポンプも。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。
確かに、銅系排水中にはCuやNiが含まれるているので、yone様がおっしゃる通りなら、再酸化もありうるということですよね。
排水処理フローに問題があるのかもしれません。
銅系排水に混合するのではなく、直接pH(pH10〜11)を上げる槽に送り、水酸化物としてクロムを沈殿、回収したほうが良いのではと、思ってきました。

No.31741 【A-5】

Re:3価Cr→6価Crに戻る

2009-04-02 20:22:25 筑波山麓 (ZWl7b25

>排水管理しているものです。
> 現在、めっき工程で廃液されたCr濃度30ppm程度、pH6前後の6価クロムを硫酸、重亜硫酸ソーダを用いて、3価クロムにしてから、銅系排水(Cu:150ppm程度)と混合して排水処理しています。
> しかし、上司から、以前より、6→3価の還元状態を甘めにしないと、途中で、6価クロムに戻るといわれてきました。
> このことが正しいのか腑に落ちないので、どなたか、教えていただきたいと、思います。
> Cr還元時は、pHを硫酸にて2.5〜2.9に調整、ORP210〜220mVです。
>
> 甘めとは、還元直後の液をサンプルし、ジフェニルカルバジドを滴下し、薄いピンク色になるような状態です。(完全に還元していれば、無色透明)
>
>
「安室怜」さんへ。

皆さんが良い回答されているので、いまさら補足程度の回答をしてもお役に立てるかわかりませんが回答します。

このEICネットでも六価クロムの還元、三価クロムの酸化は頻繁にとりあげられています。排液処理でも測定でも起こりうる可能性は同様です。

「キーワードを指定」欄に、「六価クロム」を入力して検索すると、
http://www.eic.or.jp/qa/?word=%98Z%89%BF%83N%83%8D%83%80
「三価クロム」を入力して検索すると、
http://www.eic.or.jp/qa/?word=%8EO%89%BF%83N%83%8D%83%80&x=25&y=17
がヒットします。
これらを読まれると、排水処理のみならず、六価クロム、三価クロムについて多くの知見が得られるので、一度、お読み下さい。

また、過去に回答する為に、以下の私のサイトで、EPA3060Aの測定方法の邦訳を掲載していますが、この中で、酸化還元電位(ORP)値その他と六価クロムの還元、三価クロムの酸化条件について、説明がなされていますので、一度、お読み下さい。
http://www3.ocn.ne.jp/~tukubasa/


回答に対するお礼・補足

ありがとうございます。
早速、確認してみたいと思います。

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