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環境Q&A

フェノール類(上水試験方法) 

登録日: 2009年02月25日 最終回答日:2009年02月27日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)

No.31402 2009-02-25 18:39:12 ZWl9222 cornelius

お世話になります。

現在、自社管理でフェノール類の分析を上水試験方法の4-アミノアンチピリン法で測定を行っております。

いくつか疑問が生じたため、ご教授頂きたいと思い質問します。

Q1:検量線作成について
検量線作成は段階的に標準濃度を変え、全て蒸留操作後、発色させ測定を行うようになっていますが、0(Blank)を含め3点など、毎回作成しているのでしょうか?
弊社では、簡易測定として検量線はあらかじめ前もって測定しておき、検量線は毎回測定しておりません。ゼロと試料の2検体を蒸留、発色させています。その結果をあらかじめ作成した検量線に当てはめ数値を出しています。

Q2:限度試験
Q1での事情のように、本来の上水試験方法とは異なります。蒸留装置がスペース等の問題によって同時に2検体までという状況のため、出来れば2本(前述ではゼロ、試料)は維持したいと考えております。ただ、この状態も不安なため、(任意のフェノール濃度を添加したもの、試料)の2本に変更し任意に添加したものと比べて、試料が低ければ「任意添加濃度未満」という風にしたいと考えています。
特に問題は無いかと感じていますが、もしお気づきの点がありましたら、アドバイスいただけないかと思います。

よろしくお願いいたします。

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No.31408 【A-1】

Re:フェノール類(上水試験方法)

2009-02-26 09:03:28 XJY (ZWlba48

>自社管理であれば精度の問題だけです。標準物質添加による回収も有効でしょう。しかし、蒸留装置2セットが同じ回収率であることの確認が必要と思われます。
たとえば、2セットの蒸留装置の回収率が95〜100%と分析誤差範囲内であることを確認すれば検量線の蒸留は必要なくなります。
また、検量線は発色温度等により感度が変わりますので毎回作成することをお勧めします。

回答に対するお礼・補足

XJY様

ありがとうございます。
少し理解できない部分があります。
現状)Blank、Sample→既に作成した検量線での数値化
将来)精製水(フェノール任意濃度添加)、Sample→精製水(フェノール添加)吸光度>Sample吸光度⇒フェノール添加最終濃度未満と判定。
という風ですが、
ご回答の件は、蒸留装置2セット間での回収率でずれがあるかどうかということでしょうか?
つまり、
試験)精製水(フェノール任意)、精製水(フェノール任意)→作成済検量線で数値化(Blank補正がないですが・・)数値上でのずれの検証が必要ということでしょうか??
また、検量線の毎回作成する上で、スペース上での問題点から蒸留フラスコを何本か用意して、蒸留セットをそのままにして順次行う形で行えば問題ないでしょうか?同時に行えれば良いのですが、出来れば工夫などあれば教えてもらえないでしょうか。

質問ばかりで申しわけありません。

No.31416 【A-2】

Re:フェノール類(上水試験方法)

2009-02-26 16:06:45 XJY (ZWlba48

蒸留装置2セット間での回収率でずれがあるかどうかということでしょうか?
(そうです。確認が必要です。)
試験)精製水(フェノール任意)、精製水(フェノール任意)→作成済検量線で数値化(Blank補正がないですが・・)数値上でのずれの検証が必要ということでしょうか?
(蒸留装置が2セットあるのなら両方でBlankeを蒸留する。つづいて精製水(フェノール任意)を両セットで蒸留する。蒸留後の操作により検量線を作成して回収率を算出します。つまり、蒸留操作はロスが問題です。そのロスをネグル目的で試料同様に検量線も蒸留操作を入れています。回収率が保障できれば毎回蒸留して検量線を作成する必要はありません)




回答に対するお礼・補足

XJY様

回答、ありがとうございます。

>蒸留後の操作により検量線を作成して回収率を算出します。

ここの部分ですが、次のような解釈でしょうか?
A)
フェノール任意濃度は0.005ppmとした場合、
1)@Blank、ABlank (蒸留、発色)
2)@フェノール0.005ppm、Aフェノール0.005ppm(蒸留、発色)
3回繰り返す。
吸光度の変動(CV%が20%以下)を評価するのでしょうか?


それとも
B)
1)@Blank、ABlank
2)@フェノール0.005ppm、Aフェノール0.010ppm
を3回繰返し。Blankは2つの平均を補正する。繰返しのそれぞれの検量線間のずれを評価するのでしょうか?

A)、B)もそれぞれとも良く分かっていません。
A)の場合ですと、どちらも0.005ppmであるため吸光度のずれで見るかと思いますが、ppmに落とし込めないため、吸光度の変動係数(%)で見ると値の振れ幅が大きいため、変動係数が大きくなるかと思います。
B)の場合ですと、そもそも検量線間の評価方法自体が分かっていません。

よろしければ、試験系のフロー(AであるかBであるか、それとも全く異なるのか)を教えてもらえませんか?
他の自社管理の分析項目でも有効に活用できるため、是非評価方法についても教えてもらえるとありがたいです。

No.31427 【A-3】

Re:フェノール類(上水試験方法)

2009-02-27 14:43:35 筑波山麓 (ZWl7b25

「cornelius」さんへ。

「XJY」さんが回答されているのを、中途から割り込むようで申し訳ないですが、捕捉して回答します。

「蒸留装置がスペース等の問題によって同時に2検体までという」とうことなのですが、蒸留装置のメーカー、型式は同じものなのでしょうか?同じものと推測します。

「XJY」さんの回答が、「たとえば、2セットの蒸留装置の回収率が95〜100%と分析誤差範囲内であることを確認すれば検量線の蒸留は必要なくなります。」とのことですが、その前に、手順を決められ、手順とおりの操作をなさっておりますでしょうか?「前処理」で、留出速度を「1分間あたり○〜○ml」と決められていますか?留出液の量を「約450ml」なのか、「470ml」なのか、「460〜480ml」なのか、又は「450〜500ml」間の差がないことを確認されていますか?これらの前提条件を決め、遵守してからでないと「回収率」を求められても試験方法の品質を確保したことにはなりませんので、ご注意ください。

また、中小の計量証明事業所では、「cornelius」さんのところと同様に「同時に2検体まで」という程度のところが大半です。大手の事業所でもフェノール専用に多くの蒸留装置を持っているところは少数です。したがって、「2連」しかないと心配されることはありません。
必ず検量線と試料を同時に蒸留操作を行い、測定を行う必要はありません。数回の蒸留操作を繰り返し、測定をしてもかまいません。吸収液に吸収された状態で密栓をした状態であれば、ある程度の時間保管されても測定値に影響はありません。

また、「自社管理でフェノール類の分析を」行っておられるとのことですが、試料からフェノールは検出されますか?

検出されるケースがなく「ND」を確認されるための試験であれば、回収率を確認したうえで、「試料」と「定量下限相当の濃度の標準液」を併行して蒸留する。一方、蒸留操作なしの検量線を作製する。これらの吸光度を測定し、『「定量下限相当の濃度の標準液」の吸光度が蒸留操作なしの検量線と比較して90%以上であること』等の規格を設定し、試料の吸光度が「定量下限相当の濃度の標準液」の吸光度以下であれば「ND」としても良いです。

以上、長々と説明いたしましたが、中小の計量証明事業所もあなたと同程度の施設で測定しております。設備が不足と思わず、創意工夫で頑張ってください。

回答に対するお礼・補足

筑波山麓様

ご回答、ありがとうございます。

>蒸留装置のメーカー、型式は同じものなのでしょうか?同じものと推測します。
同じものを使用しております。

留出速度等について。
受け器側に450mLに線をつけ、それを超えたらスライダック停止という風な規定を設けてます。(留出速度は規定していません、確認したいと思います)。

>『「定量下限相当の濃度の標準液」の吸光度が蒸留操作なしの検量線と比較して90%以上であること』等の規格を設定し、試料の吸光度が「定量下限相当の濃度の標準液」の吸光度以下であれば「ND」としても良いです。

なるほど。蒸留操作なしの検量線をベースでよいのですね。試料自体は「ND」(外部証明)です。繰返し行って評価していきたいと思います。

>中小の計量証明事業所もあなたと同程度の施設で測定しております。設備が不足と思わず、創意工夫で頑張ってください。

そうなんですね。すいません。公定法と比べて、どこまで準拠すれば・・・という線引きが悩み所だったもので、往々にして自社作業手順を明確にして、それを回収率でしっかり評価し、「分析できてますよ」という評価が取れればよいのですね。勉強になりました。

XJY様、筑波山麓様、どうもありがとうございました。

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