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環境Q&A

ノルマルヘキサン抽出物質の分離定量について 

登録日: 2009年01月31日 最終回答日:2009年01月31日 水・土壌環境 水質汚濁

No.31097 2009-01-31 09:56:54 ZWla61d たそがれ

下水試験方法のノルマルヘキサン抽出物質のところに「付 フロリジルカラムによる分離定量方法」という名称で、動植物油脂類と鉱油類を分離、定量する方法があります。
総ノルヘキを秤量した後ヘキサンに溶かし極性カラムを通して出てきた鉱油類を計り、総ノルヘキから差し引くことにより動植物油脂類を求める、という方法です。
このやり方については、総ノルヘキを求めるときと分離後、2回に渡って鉱油類に熱をかけますので鉱油類の量が減ってしまいます。(経験上でもそう感じます) 更に、総ノルヘキから鉱油類を差し引くと動植物油脂類が多く計算されてしまうのです。
とはいえ、当所では10年以上前からこの方法で多くの成績書を出しています。それどころか数年前から私が責任者になっているんです。
私どもの自治体に問い合わせたことがあるのですが、やはり鉱油類か動植物油脂類かは業種や工程で判断しており、このような分離定量の結果は判断材料に加えない、とのことでした。
極性による分離は下水試験方法でも、一応の目安と記されているように、事業所での原因追求等、工程管理くらいにしか使えないだろうとの思いが以前からありました。
しかし、私どものスタンスに原因があるのか多くの顧客がこの方法を求めてくるんです。いくら試験方法を明記しても堂々と出していいものかという心配もあります。
県内、他機関の成績書を見る機会もあまりありません。
皆さんも同じような分析を常々やられておりますでしょうか。
また、他府県の自治体の方のご意見も聞けたらありがたいです。

ご意見をお聞かせください。
よろしくお願いします。

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No.31100 【A-1】

Re:ノルマルヘキサン抽出物質の分離定量について

2009-01-31 14:20:37 なんちゃって計量士 (ZWl9549

>私どもの自治体に問い合わせたことがあるのですが、やはり鉱油類か動植物油脂類かは業種や工程で判断しており、このような分離定量の結果は判断材料に加えない、とのことでした。

 判断材料として考慮しない(参考とする為に記載されています)と言い切るのは少々行き過ぎと思いますが,実際小生も実務担当者のご意見をお聞きしたいと思います.

>しかし、私どものスタンスに原因があるのか多くの顧客がこの方法を求めてくるんです。いくら試験方法を明記しても堂々と出していいものかという心配もあります。

 計量法上問題ないです.

 計量に係わる基本的な事項で,多くの方が誤解されていることが多いのですが,計測方法が異なる場合に計量結果を比較することには意味がありません.数字のお遊びになります.

 特に今回のご指摘の計量は再現性も悪く(元々ノルヘキは再現性が悪いのですで)ご心配される意味はわかりますが,標本に於けるサンプリングの測定値として計量証明を出すことに違法性はありません.
 計量数値を利用する場合,計量法枠内の扱いと,枠外の扱いがあり,枠外での扱いを計量法で規定することは出来ません.
 鉱油の組成が異なると当然分離比率も変動しますので,異なる組成のサンプルを分析すると相関もとれなくなります.良くこの版で質問されるCODとBODの関係のように(実際それほど大きく外れることはないのですが)一般論で相関比を論議するのは危険な計測方法です.

 しかしそのようなことを言い出せばSSやBODなど計量証明が出せなくなります.
 また別の話になりますが,多くの計量士が計量方法の変更や新規の計量方法を採用しないことは,その手続きの煩雑さもさることながら,計量結果の継続性の観点から保守的になるとも考えられます.

 また計算や分析方法による分析結果の比較が困難な分析として,窒素の分析も同様なことが考えられます.

回答に対するお礼・補足

有難うございます。
確かに元素等の絶対量を測る分析ではないので分析方法を明記することのみが重要、というのはよくわかります。
しかし分離して求めた値を基準値との比較にそのまま使えないという、A-2でいただいた回答はもっともですし、当然、なんちゃって計量士さんも同じお考えだと思います。

今、直面している問題ですが、ある工場の配管から微量に漏れた油の出所を調査する目的で毎日、1サンプルずつこの方法でやっているんです。少し機械油のにおいがするのに鉱油類がほとんどND(1mg/L未満) 動植物油脂類がわずかに検出されるんです。抽出した総ノルヘキを加熱秤量しないでそのままカラムを通したら、やはり鉱油類が検出されてしまいました。
通常、相手が素人であるということを常に頭に入れておくことの必要性を感じております。

No.31101 【A-2】

Re:ノルマルヘキサン抽出物質の分離定量について

2009-01-31 15:12:05 Lake (ZWla752

「計量法上問題ない」ことと、「法規制上問題ない」ことは別物です。

>私どもの自治体に問い合わせたことがあるのですが、やはり鉱油類か動植物油脂類かは業種や工程で判断しており、このような分離定量の結果は判断材料に加えない、とのことでした。

考慮しない、というのは少々行き過ぎでも、判断の根拠としては使えない、ということではないでしょうか?

A-1で「計測方法が異なる場合に計量結果を比較することには意味がありません.数字のお遊びになります.」とおっしゃっています。確かにその通りなんですが、こと「法規制」という場合には、一定の決められた方法で測定した数値を規制値と比較することになります。法でいくつかの方法が認められている場合に、それぞれの方法で出てくる結果が異なったとしても、そのどれもが「正しい数値」になります。
そういうことも考慮して公定法は決められているとは思いますが・・・

回答に対するお礼・補足

ありがとうございます。

「判断の根拠としては使えない」
 当然、その通りだと思います。
他府県?の自治体の方のご意見も聞きたいと思っておりました。
現在A-4まで確認しておりますが、もうしばらく締め切らないでおくつもりです。

No.31103 【A-3】

Re:ノルマルヘキサン抽出物質の分離定量について

2009-01-31 18:13:26 火鼠 (ZWl8329

お話が、漏洩の確認の分析に移ってしまったような気がしますが?
もし、漏洩確認なら、計量証明の範疇に固執しないで、使用油類の適当な、マーカーを見つければ、いかがでしょうか?そうすれば、フロリジル処理なんて、時間のかかる処理でなくて、溶媒抽出、GC分析=漏洩あるなしになりませんか?

回答に対するお礼・補足

火鼠 さんへ
いろいろな可能性を示唆していただき、ありがとうございます。
ですが、今回数年間疑問に感じていた分離定量について質問させていただきました。
火鼠さんのラボでもよくやられているのでしょうか。

No.31107 【A-4】

Re:ノルマルヘキサン抽出物質の分離定量について

2009-01-31 19:18:47 筑波山麓 (ZWl7b25

「たそがれ」さんへ。

「なんちゃって計量士」さん、「Lake」さんが、良い回答をされているので、私などが出る幕がなさそうですが、ヘキサン抽出物質の自動化等で種々に考えているところなので一言。

以下のような経験がございました。
私どもの報告書の鉱油類が排出基準オーバーであり、ヘキサン抽出物質は基準内であったケースですが。たまたま行政の立ち入り時にこの証明書を見、なんらの対応をとっていないことを確認したうえで、以下の測定を実施し、改善命令等を行いました。なお、私どもは、企業側に、早急に原因を究明し、対策をとるようにアドバイスをしておりました。

この測定箇所の少し上流部で、コンプレッサー室からの排出水が合流しており、明らかに目視で、このコンプレッサー水に油膜がありました。立ち入りの行政は、直ちに、このコンプレッサー室からの排出水その他を採水し、その結果をもって、コンプレッサー室の排水の禁止処置、改善命令とした事例がございました。なお、合流部のコンプレッサー以外の排出水の測定および両者の流量の測定を行ったかどうかは不明です(関係者からのまた聞きなので詳細は不明)。

その後、当事者が行政に問い合わせたところでは、「鉱油類か動植物油脂類かは業種や工程で判断して」とのことでした。

したがって、「しかし、私どものスタンスに原因があるのか多くの顧客がこの方法を求めてくるんです。いくら試験方法を明記しても堂々と出していいものかという心配もあります。」については、排出水の管理という一面からは有効ではないでしょうか。上記のケースでも、企業が事前に有効な対策をたてておれば、なんら問題はなかったと推測しています。このケースでは、数ケ月にわたって放置され、証明書も所長のレベルでとまり、会社の上部にも知らされておらなかったので、悪質と判断されたのではないかと想像しております。

以上、ご参考までに。

回答に対するお礼・補足

ありがとうございます。
排出水の管理には大変有効であること、しかし場合によっては説明なしでは大変な誤解を受けてしまう方法である、と感じております。

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