一般財団法人環境イノベーション情報機構
土壌へのクロムの吸着について
登録日: 2003年08月05日 最終回答日:2003年08月12日 水・土壌環境 地下水/土壌汚染
No.3104 2003-08-05 07:52:54 一市民です...
質問です.
クロムは三価クロムと六価クロムとがありますが,
土壌への吸着強さ?については,
三価クロムの方が六価クロムよりも高いのでしょうか?
何か良い参考文献等があればそれも合わせてご教授下さい.
よろしくお願い致します.
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No.3171 【A-1】
Re:土壌へのクロムの吸着について
2003-08-12 14:44:08 君山銀針 (
3価クロムと6価クロムの性質の違いについては
化学物質評価研究機構
既存化学物質安全性(ハザード)評価シート
http://www.cerij.or.jp/ceri_jp/koukai/sheet/sheet_indx4.htm
の
酸化クロム(V)三二酸化クロム =「クロム及び3価クロム化合物」
化学構造式 Cr2O3 CAS番号1308−38−9
http://qsar.cerij.or.jp/SHEET/S2001_23.pdf
酸化クロム(Y)三酸化クロム= 6価クロム
化学構造式 CrO3 CAS番号1333−82−0
http://qsar.cerij.or.jp/SHEET/F97_18.pdf
に情報がありますが、このデータベースでは両方とも吸脱着性:文献なしあるいは吸脱着性:土壌吸着係数;文献なしとなっています。
ただし、もう少し探したところ、
独立行政法人土木研究所 技術推進本部総括研究官 三木博史さんの「汚染土壌対策」
という記事 http://cersior.esi.yamanashi.ac.jp/scsms/030116/miki.htm
で、「陽イオン系の重金属類でもあまり吸着性が大きくない物質(例えば、六価クロムなど)や陰イオン系の重金属類などの吸着性が小さい物質では、地下水流速よりも有害物質の移動は遅いものの分散による汚染の拡大が生じる可能性が大きい」という情報がありましたが、同じ記事の中で「有害物質の種類(例えばヒ素や六価クロム)によっては、地下水のpHによって土壌への吸着性が大きく変化し、想定される有害物質の移行特性を示さない場合がある」との情報もあります。
またpHによる吸着の変化について産業技術総合研究所 丸茂研究室
http://staff.aist.go.jp/k.marumo/clayreport/clayreport.html の記事では
「風化火山灰は溶液が酸性(pH<6)の場合には六価クロム(CrO42-)や砒素(AsO43-)のような陰イオンの吸着が卓越し,溶液がアルカリ性(pH>9)の場合にはカドミウム(Cd2+)などの陽イオンの吸着が卓越する。すなわち(略)土壌水や間隙水のpHが9以上になると陰イオンとして挙動する六価クロムや砒素の多くが移動してしまうことになる」と説明されています。
回答に対するお礼・補足
ご回答ありがとうございました.ご返事が遅くなりまして申し訳ありません...
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