一般財団法人環境イノベーション情報機構
定量結果の計算
登録日: 2009年01月23日 最終回答日:2009年01月24日 水・土壌環境 地下水/土壌汚染
No.30991 2009-01-23 09:47:14 ZWlbf2a パンダ
ある項目について含有検査をしたのですが。
試料を10g(湿試料)を320mlの水で溶出し、そのうち160mlについて固相抽出を行い2mlに濃縮し、GC/MS分析を行い検査結果を得ました。
その後の濃度換算において、溶出により使用した水の量(320ml)及び固相抽出に使用した量(160ml)は、計算に関係ないのでしょうか。
現在の計算式は
MSの結果×2/1000×1000/乾燥試料×1000
です。
申し訳ないのですが、回答のほうよろしくお願いいたします。
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No.31007 【A-1】
Re:定量結果の計算
2009-01-24 08:20:01 筑波山麓 (ZWl7b25
この回答を見ておられる方も含めて、このような場合の計算方法をお教えします。
この計算方法は20数年前に見つけ、以後、私が指導した方にお教えしている方法です。現在でも、工程ごとに濃度を計算していき、最終濃度を求める方法を教えているところが多いと思います。しかし、この方法では、計算方法が正しいかどうかの検証が難しく、かつ、相当力量のある方でも計算ミスを犯すことがある、また、計算にメモ等が必要で暗算で計算できないなどの多くの欠点があります。
これからお教えしている方法は、「絶対量の計算」、または「全体量の計算」と呼んでおります。計算方法の基本は、最終工程から、順次、工程ごとの全体量(絶対量)を求めるという方法です。以下に、あなたの質問のケースを例として計算方法をお教えします。この計算方法は、あなたのケースである固体、ガスその他すべての計算で適用可能です。この20数年間、使用し、計算の誤りその他はありませんでしたから、良いと判断すれば、以後、ご利用下さい。
>試料を10g(湿試料)を320mlの水で溶出し、そのうち160mlについて固相抽出を行い2mlに濃縮し、GC/MS分析を行い検査結果を得ました。
のケースで、GC/MS分析の結果が、Xμg/mlであったとすると、
2ml中にXμg/mlですから全体量(絶対量)は2Xμgです。
この2Xμgは、「160ml」を「2ml」に濃縮したものですから、「160ml」中の全体量とイコールです。
「320ml」から「160ml」を分取したのですから、「320ml」中には、4Xμgあることになります。
「試料を10g(湿試料)を320mlの水で溶出し」たのですから、「10g(湿試料)」と「320mlの水」の存在量(絶対量または全体量)はイコールです。
したがって、「10g(湿試料)」中に、4Xμg存在しますから、試料中の濃度は、4Xμg/10g=0.4Xμg/gとなります。
含水率補正については、ここでは言及されていないので、省略します。
回答に対するお礼・補足
筑波山麓様へ。
回答ありがとうございます。
濃度の計算には毎回頭を悩まされてきました。
ご丁寧な解説もあり、今後の業務において大変役に立てることが出来そうです。
本当に、ありがとうございました。
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