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環境Q&A

アンモニア性窒素が10mg/lで透視度は100cm 

登録日: 2009年01月06日 最終回答日:2009年01月15日 水・土壌環境 水質汚濁

No.30810 2009-01-06 18:05:43 ZWlb78 @近畿

 農集排JARUSV型の施設で、アンモニア性窒素が10mg/l検出されるのですが、透視度が100cmあります。これは、水処理としては出来てない状況なのでしょうか?アンモニア性窒素の他は、亜硝酸0.05mg/l、硝酸1.5mg/lです。(簡易パックテスト)
 嫌気pHは6.9〜6.8 堆積汚泥厚は1室が30cm、2.3室は100cm 曝気pHは7.1〜7.3 DOは4.5〜5.1の状態です。
 色々な文献を読みましたが、理屈がわかりません。どなたかご教授の方、宜しくお願いします。
 

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No.30833 【A-1】

Re:アンモニア性窒素が10mg/lで透視度は100cm

2009-01-09 10:01:54 風林火山 (ZWl8e32

 http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=30249

とよく似た状況と思われますが参考にはなりませんか?

 無責任だとお叱りを受けるかもしれませんが、アンモニアが高かろうが結果として放流水質が良好ならば広義で水処理は出来ていると言ってもいいと思います。(BOD,CODが書かれていないので良好かどうかは分かりませんが)

 硝化の観点から見ればアンモニア性窒素は重要な指標ですが、全窒素として考えれば硝酸とアンモニアの内訳が通常時と逆転しているだけでトータルとしてはそんなに変わっていないと思います。

 今のところ良好ならば無理して変える必要は無いと思います。

 
 

回答に対するお礼・補足

 風林火山様、御回答していただき有難う御座います。
 私も処理水質が良好なので、設定を変更するつもりは無いのですが、顧客に説明をするときに、私が理解していない状態なので質問させていただきました。アンモニア性窒素のみを指標にしているわけではないので、水質結果トータルでみて、問題が無いようですのでこのまま様子を見ます。
 その処理場でのBODは、消毒後からの採水なので、BODは10mg/lもないくらいです。
 ここに書き込みをしておられる方々は、レベルが非常に高いと痛感させられます。私も、アドバイス出来るように頑張ります。

No.30840 【A-2】

Re:アンモニア性窒素が10mg/lで透視度は100cm

2009-01-10 10:44:56 mashi-nana (ZWlba51

実務を担い、精通している方が回答者に加わっていただけるのは頼もしい限りです。回答する側も結構勉強になりますよ。透視度が100cmあるのですから、浄化槽としての一応の基準はクリアしていると思います。
さて、ご存知のように、透視度は、処理水中に含まれる浮遊物質量の簡単な目安です。浮遊物は、浄化が低ければ、主体は懸濁した有機物や浮遊性の細菌類、ボドーなどの直接有機物を摂取するタイプの微生物です。浄化された処理水中の浮遊物質は、活性汚泥併用型でなければ剥がれた微生物フロックです。後者は沈みやすいので、透視度も良好なのかもしれません。両者の区別は顕微鏡観察で簡単に行えます。ただ、穿って考えれば、透視度は個人の目の良さも関係しますし、視方にもよります。また、SSの粒度分布にも左右されます。
データを積めば、接触曝気槽の状態を把握するのに役立つと思いますが、一般的な浄化の程度は他の水質項目を含めて総合的に判断するほうが良いでしょう。
また、窒素化合物ですが、JARUS―Vタイプの浄化槽は接触曝気槽後段から嫌気性ろ床槽前段に返送水がありますから、硝化が進行するような負荷が低い施設では脱窒も可能かもしれません。接触曝気槽内のDOは高いのですが、接触曝気槽pHからは硝化が進行しているとは考えにくいので、処理水のpHも同等なら硝化はあまり進んでいないと思えます。しかし、それでも脱窒を考慮しますと、処理水の各窒素化合物のみから、正しく浄化の程度を予測することも難しいと思えます。
日常管理でCOD簡易テストを行い、質問で記載した項目に、さらに有機物量の除去量などを加味して総合的に浄化の程度を推し量るほうが説得力のある説明が出来るように思います。

回答に対するお礼・補足

 御回答していただいているにも関わらず、お礼が遅くなり大変申し訳ありませんでした。
 総合的に判断するということは、常日頃、念頭において説明しているのですが、顧客の方に説明することの(理解していただくことの)難しさを痛感いたします。
 マッシーさんのホームページも覗かせていただいてます。大変勉強になります。またつたない質問をしてしまうことが、あるかもしれませんが宜しくお願いします。有難う御座いました。

No.30842 【A-3】

Re:アンモニア性窒素が10mg/lで透視度は100cm

2009-01-10 18:13:58 papa (ZWlbd18

> 農集排JARUSV型の施設で、アンモニア性窒素が10mg/l検出されるのですが、透視度が100cmあります。これは、水処理としては出来てない状況なのでしょうか?
処理場の運転実績はその設計思想に依存しているので、お尋ねの処理成績はJVとして良い状態ではないかと思います。硝化を前提としない設計のJVではアンモニア性窒素が残存することは当然です。但し中途半端に硝化が進むとN-BODの影響でBODが基準値を超えることがありますので、注意する必要があると思います。経験的な実績値ではNH4-Nの2倍前後くらいのN-BODとなることがあります。監督官庁側の検査で不用意に硝化した植種希釈水が使われることもありますので注意が必要です。
 (JVなら以上のような回答になりますが、小規模公共下水道ならアンモニアの残留は運転上の大問題になり、運転方法を根本的に見直してくださいと回答すると思います。)
> 嫌気pHは6.9〜6.8 堆積汚泥厚は1室が30cm、2.3室は100cm 曝気pHは7.1〜7.3 DOは4.5〜5.1の状態です。
嫌気濾床前段の汚泥をきちんと引き抜き、嫌気濾床後段の汚泥を残しているのは処理施設の特性をよく理解された結果であると思います。
硝化抑制された状態ですのでDOが高くなるのは当然ですが、槽内流速を確保し濾床の閉塞を防止するためにはできるだけ現状からの風量制限は行わないことをお勧めします。

濾床のSS捕捉も機能しているようですので透視度が良好になったと思いますが、残念ながら透視度で処理機能を全般的に評価するのはあまり意味がありません。汚水処理を傍から見る自治体職員や学者の方の一部には透視度だけが処理の全てと考えている人が多く、「透視度で水処理がわかる」とか「透視度でBODがわかる」などとWeb上で堂々発言する勘違い学者や、透視度のトレンド資料を委託業者に要求する自治体職員が存在することは大変残念なことです。
透視度はあくまでアマチュアの目安と割り切って、あまりとらわれることなく、
>質問で記載した項目に、さらに有機物量の除去量などを加味して総合的に浄化の程度を推し量るほうが説得力のある説明が出来るように思います。
というmashi-nana様のご回答にあるように総合的な水質データをもとに委託者にご説明いただくとプロらしいお仕事になると思います。

回答に対するお礼・補足

 ご回答に対するお礼が遅くなり、大変申し訳ありません。
 前回の放流BODが31mg/lと基準を超えてしまいました。顧客には、N-BODとC-BODのことを説明いたしました。が、こちらとしても、できるだけ基準を超えたくないので、採水の場所・処理方法の工夫等、努力いたします。
 またつたない質問をするかもしれませんが、よろしくお願いします。有難う御座います。

No.30876 【A-4】

Re:アンモニア性窒素が10mg/lで透視度は100cm

2009-01-15 13:47:25 イニシャル泥 (ZWl8133

水処理が出来ているか出来ていないかは、
法による基準や、その施設の管理目標、
あるいは個人の主観等における線引きの
問題ですから何とも言えませんが、
多くの終末下水処理場に見られる傾向として
完全硝化させるよりも、アンモニアを
ある程度残した方が、透視度が確保され
やすくなるようです。(JARUSではどうでしょうか?)
理由は定かではないですが、BOD処理が
終了してからカラ曝気のような時間が確保
されるような条件でなければ完全硝化には
至りにくいと思いますので、
汚泥の自己消化や菌体間を結合している
物質の消費→フロックの分散化が、
濁りの増加に関係しているのではないかと
考えています。
見た目よりも水質結果で判断すべきでは
ありますが、一つの処理場の中だけで言えば、
沈殿池の水色と濁り、臭いなどを、そのときの
処理状況を突き合わせ、積み上げていけば、
沈殿池を見ただけで、概ね状況が把握できるように
なると思います。

回答に対するお礼・補足

 ご回答に対するお礼が遅くなり、大変申し訳ありません。
 完全硝化は難しいのですか。何とかアンモニア性窒素をなくすことばかり考えてしまいがちになります。やはり総合的に判断しないと偏った考え(設定)になってしまいますね。
 水処理は奥が深いので、面白い反面怖さもあります。
 またつたない質問をしてしまうかもしれませんが、宜しくお願いします。有難う御座いました。

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