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環境Q&A

凝結剤と汚泥量の関係について(初歩的な質問ですが…) 

登録日: 2008年12月04日 最終回答日:2008年12月24日 水・土壌環境 水質汚濁

No.30515 2008-12-04 09:17:38 ZWlbe9 排水の陣

凝結剤について初歩的な質問ですがよろしくお願いします。

当工場のコロイド(エマルジョン)排水処理プロセスでは、
凝結剤としては珍しいのですが塩化カルシウムを使用しています。
そこで質問なのですが、


そもそも、Ca2+やFe3+などのイオンがコロイド粒子の表面電化を消して凝結が起こる訳ですが、この時電化を消す役目を果たしたCaはコロイド粒子とくっついて汚泥に含有されるのでしょうか?
まぁ過剰に添加した分は水溶液のまま排水されるのでしょうけど、
反応したイオンの行く末はどこへ?


↑の質問で、「効果を果たしたイオンは汚泥に含有される」と仮定したらの質問です。
2価イオンより3価イオンの方が凝結効果が高いのは一般的ですが、発生する汚泥量はどうなのでしょうか?

例えば2価をCa2+、3価をFe3+として、Fe3+の方が数倍の効果があると仮定し、反応したイオンが汚泥に含まれるのであれば…
例えば100gのコロイドを凝結させるのにCa2+が10g必要、Fe3+は重量比でその5倍効き目のあるとしてFe3+は2gで同効果とします。
この凝結させる役目を果たしたイオンが汚泥に含まれるとしたら、Ca2+を使用した際に発生する汚泥は(100+10g=110g)に対してFe3+は(100+2g=102g)で、Fe3+を使用した時の方が発生汚泥は少なくなるという解釈ですが。。。
間違いですか?汚泥の含水分や他の要因は考慮せず上記の固形分だけで考える時の話ですが。

よろしくお願いします。

総件数 6 件  page 1/1   

No.30522 【A-1】

Re:凝結剤と汚泥量の関係について(初歩的な質問ですが…)

2008-12-04 18:52:40 火鼠 (ZWl8329

>塩化カルシウムで凝結できる物質?
フッ素?硫黄酸化物?初歩というより、なんか意図ありません?
だって。金属系の回収ちと、無理でないかい?

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。
当工場の排水プラントはラテックスのエマルジョン排水のみを凝集沈殿させるのが目的であり、金属系の排水は全く発生しないと考えてよいと思っています。

おっしゃっている「意図」というのは塩化カルシウムを凝結剤に使用している意図でしょうか?
それでしたら、以前当工場から高濃度の塩化カルシウム含有排水が発生していましたので、それを凝結剤として使用していました。しかし現在では製法が変わり塩カル排水は全く発生しません。にも関わらずその時凝結剤の検討がなされず、そのまま塩化カルシウムを購入する形態に変更した、という過去があります。
よって現在他の凝結剤に代替する計画を検討している最中です。

No.30531 【A-2】

Re:凝結剤と汚泥量の関係について(初歩的な質問ですが…)

2008-12-05 10:48:49 妹背の滝 (ZWlaf1a

まず用語の訂正させていただきます。
排水処理でSS分の沈降に使われる添加剤は、「凝結剤」ではなく「凝集剤」です。

>凝結剤について初歩的な質問ですがよろしくお願いします。
>
>当工場のコロイド(エマルジョン)排水処理プロセスでは、
>凝結剤としては珍しいのですが塩化カルシウムを使用しています。
>そこで質問なのですが、
>
>1
>そもそも、Ca2+やFe3+などのイオンがコロイド粒子の表面電化を消して凝結が起こる訳ですが、この時電化を消す役目を果たしたCaはコロイド粒子とくっついて汚泥に含有されるのでしょうか?
>まぁ過剰に添加した分は水溶液のまま排水されるのでしょうけど、
>反応したイオンの行く末はどこへ?
>

塩化カルシウム、塩化第二鉄の場合、添加されたCa2+やFe3+イオンは中性領域では、水酸化物となり沈殿し汚泥中へ移行します。
なお、塩素イオンは溶液中に残るため、排水のpHが酸性側へ移行します。酸性側になると効果が弱くなるため、必要に応じてアルカリを添加しpH調整をします。

>2
>↑の質問で、「効果を果たしたイオンは汚泥に含有される」と仮定したらの質問です。
>2価イオンより3価イオンの方が凝結効果が高いのは一般的ですが、発生する汚泥量はどうなのでしょうか?
>
>例えば2価をCa2+、3価をFe3+として、Fe3+の方が数倍の効果があると仮定し、反応したイオンが汚泥に含まれるのであれば…
>例えば100gのコロイドを凝結させるのにCa2+が10g必要、Fe3+は重量比でその5倍効き目のあるとしてFe3+は2gで同効果とします。
>この凝結させる役目を果たしたイオンが汚泥に含まれるとしたら、Ca2+を使用した際に発生する汚泥は(100+10g=110g)に対してFe3+は(100+2g=102g)で、Fe3+を使用した時の方が発生汚泥は少なくなるという解釈ですが。。。
>間違いですか?汚泥の含水分や他の要因は考慮せず上記の固形分だけで考える時の話ですが。
>

塩化カルシウムも塩化第2鉄も、コロイドの表面電荷中和効果よりも
水酸化物析出による吸着効果を利用しています。
ラテックスコロイド粒子との相性もあるかもしれませんので
ご自分で凝集テストをされて判断されるのが近道と思います。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。

当工場のエマルジョン粒子はSSには該当せず、電気的分散により浮遊しているので凝結かと思いそう書きましたが誤りだったでしょうか。

やってみないと分からない、というのはごもっともです。そこは今後詰めていくのですが、理屈的には私が記入したことは正しいのでしょうか?(もちろん机上の空論である可能性は大なのでしょうけど)

No.30539 【A-3】

こちらも初歩的な質問です

2008-12-05 22:57:52 mashi-nana (ZWlba51

内容がわからないのでスルーしておりましたが、同様な質問を過去にしておられるので、かなりお困りと考え、お力に慣ればと思いました。的外れならお許しください。
排水処理のためにカルシウム塩を注入しておられるとのことですが、製造工程でアンモニアをお使いなら、PHがアルカリ性になるので中和処理が必要と考えられます。しかし、弱酸性の塩化カルシウムで中和しているのでしたらあまりにも非効率ですし、単にエマルジョン系廃水なら特段な規制は無いようも思えます。文面からはラテックスを凝集沈殿する意味もはっきりとしません。、
貴社のラテックス廃水では、どのような物質が排水基準を超え、処理しなければならないのでしょうか。廃水の水質、放流先の水質基準と処理対象物質を明らかにしてくだされば、それなりの解決策も得られるのではないでしょうか。企業秘密でお答えが出来ないようなら、この回答はコメントしないでください。後ほど削除いたします。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。

確かにおっしゃる通りで、うちのエマルジョン系排水はせいぜい粒子径が100nm程度なのでSSにもひっかからず、放流先にもそれに該当するような排水の規制はありません。ですが一般河川にダイレクトに放流しているため、エマルジョンのような白濁した排水を放流すればもちろん近隣住民からクレームもきますし、お上も黙ってはいないはず…というところである種の自主規制的な処理です。
要するに白濁さえ消せばよい、という思考で問題ないと思われます。含有金属やその他排出規制に係る物質は考慮しなくても問題ないかと。

No.30543 【A-4】

Re:凝結剤と汚泥量の関係について(初歩的な質問ですが…)

2008-12-05 23:24:19 おせんち (ZWlb24a

>凝集・凝結・凝析・凝固などの用語は、それほど厳密には、区別されていないように思っています。それぞれの中心部分の定義はあるようですが、境目がハッキリしないためにどちら側なのかわかりにくいという場面が生じます。しかし、一般的にというか慣例的に区別して使われています。

 凝集は、コロイド粒子より大きい浮遊物質を集合させる場合に、凝結は、浮遊物質よりも小さいコロイド粒子を集合させる場合に、凝析は、凝結と同じ意味に、凝固は、凝結とゲル化を含めたような使い方をするのではないかと承知しています。

 御質問は、用語の定義ではないので、全部ひっくるめて考えても大勢に影響はないでしょう。コロイドを集合させるために電解質を加えることになりますが、電解質としては、例えば塩化カルシウムであっても構わないと思います。必ずしも、普通にいわれる凝集剤を加える必要はないわけです。

 凝結剤としてコロイド同志を集結させる考え方と、凝集剤を使って凝集剤から生成したフロックにコロイドを吸着させる場合とでは、原理が異なるように思いますが、現実には、両方とも同時に起こりうる反応でしょう。

 貴方は、カルシウムイオンと三価鉄イオンの相違を定量的に評価していますが、そんな単純なものではないはずです。回答者は、貴社の廃水については、貴方以上に知る立場にありません。したがって、一般的にどうなのかと聞きたいのだと思いますが、廃水の種類によって千差万別で答えようがありません。

 そのための試験装置(ジャーテスターと言ったような気がします)がありますので、試験して確かめる方が確実です。貴方自身が、御質問の内容どおりに単純に考えているはずがないように窺われますがどうでしょうか。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。

おっしゃる通り、凝結や凝集などの言葉は定義が曖昧で使い分けがよく分かりません 笑
確かに、そんな卓上での計算どおりになるとは思っていません。同じ処理剤を入れても対象となる原液によって汚泥の性状が全く異なることは分かっております。「結局はやってみるしかない」ということですね。
だた理屈としては合っているのかが確認したかったのです。
ありがとうございました。

No.30570 【A-5】

Re:凝結剤と汚泥量の関係について(初歩的な質問ですが…)

2008-12-08 22:24:50 mashi-nana (ZWlba51

[白濁した排水を放流すればもちろん近隣住民からクレームもきますし、お上も黙ってはいないはず]・・・通常の河川では考えにくい話ですが、近所に頑固なお年寄りなんかがいれば、ありうる話かもしれません。でもお上が黙っていないと言う話は、官庁を小馬鹿にした話です。注意して書き込みください。万一そうであれば、私ならバカバカしいですが排水を見えにくいように着色する。(笑い)
しかし、事業場の放流先が飲料水源で、飲料水にラテックスが混入する恐れでもあれば、自己規制もやむ得ないということもありうるでしょう。
油脂類のエマルジョン破壊には通常、PACなどのアルミニウム系薬品が使用されますし、水道水の浄化にもPACが使用されています。ラテックス系では、私はタンニン酸などの除去に鉄塩と石灰を使用しました。
ただし、使用量となると、見た目だけの基準では、主観的なものなので、どの程度除去すればいいのかはっきりしません。費用対効果については、それこそジャーテストで確かめるしかないでしょう。
ラテックス濃縮施設は、34のニの特定施設に該当すると考えられますので、貴事業場は水質汚濁防止法上の特定事業場となります。石灰だけなら中和と考えられ、規制はphだけの項目となると考えられますが、PACを使用すればSSが、鉄塩を使用すればSSと溶解性鉄が規制項目に加わることになるでしょう。たぶん?
それに、蛇足ですが、それほど排水水質に気をお使いならなら、Nの除去はどうしておいででしょうか。そちらのほうが気になります。どちらにしても改善前に届出の変更が必要になります。

回答に対するお礼・補足

放流先の河川は住宅地のど真ん中を流れているので、というか事業場自体住宅地のど真ん中なので頑固なお年寄りではなくてもクレームがきます。やはり周囲の方々も敏感になっているようです。しかもエマルジョン濃度が濃いと魚のエラに張り付いたりして魚が死ぬそうです。
ちなみに雨天時は排水が濁って白濁しても分からないのでみんな安心してます(笑)

やはりジャーテストしかないようですね。年始にでも落ち着いたらやってみたいと思います。並行して薬品メーカー2、3社に薬剤の検討を依頼してみたいと思います。

当事業場から出る排水の規制としては、塩ビモノマー、SS、pHぐらいだったと思います。ご質問の窒素ですが、管理は全くしていないと思います(汗

ご回答ありがとうございました。

No.30717 【A-6】

Re:凝結剤と汚泥量の関係について(初歩的な質問ですが…)

2008-12-24 10:42:03 orion (ZWl693b

私は薬品会社の営業技術サービスを行っているものです
工業薬品の製造・販売を行っておりその販売促進のために客先の要望に対応しております
内容は廃水処理の薬剤選定やトラブル対応やアドバイス等の技術サービスを行っています

今までの知識・経験等からの回答なので間違っているかも知れませんがご参考までに

>反応したイオンの行く末はどこへ?

結論から言うと添加量により変わりますが荷電中和に用いられたイオンは汚泥に、それ以上添加された場合は液中に行きます
ただし無機塩(塩カル、塩鉄等)は液体中であればそれぞれの金属イオンで存在しています
またその液性、pHや同時に存在する陰イオンとの溶解度により塩として沈澱したり結晶化したりします

凝集剤として働く場合はその金属イオンのプラス荷電が廃水中のコロイド粒子のマイナス荷電と荷電中和することで反発力がなくなり集合します
これはコロイド粒子の周りに金属イオンが取り囲むことで荷電中和が起きているのであって金属イオンが離れることでまたコロイド状態になります
つまり金属イオンはコロイド粒子に電荷的に接近しているだけと考えれば判りやすいでしょう

ここで塩鉄であれば荷電中和よりもわずかに多めに凝集剤を添加すると添加後にpHを中性域にすることでFe(OH)3が生成されます
この水酸化物は水に対しての溶解度が非常に小さくなっており(pHが中性域以上のとき)フロックと呼ばれる粒子をつくり荷電中和されたコロイド粒子を包み込みます
それによりコロイド粒子を固層と液層に分離することが出来ます

>2価イオンより3価イオンの方が凝結効果が高いのは一般的ですが、発生する汚泥量はどうなのでしょうか?

結論から言えば添加した凝集剤の金属イオンの量のうちその処理水中に溶解するイオンの量を除いた分だけが汚泥と共に出てきます

乾燥重量で考えるのであれば添加した凝集剤の金属量が少ないほうが発生汚泥量が少なくなります

質問内容とは多少ずれますが、コロイド粒子の回収率や沈澱した汚泥の濃縮率(液の状態で排出する場合)、また脱水処理を行なう場合の処理の含水率(脱水ケーキで搬出する場合)、さらにそれら運転管理する上での容易さ、経済性によりどのような凝集剤が最も効果的かは異なります

廃水の種類や状態により変わってきますので試験を行わない状態ではどれが良いかの判断は難しいですね

回答に対するお礼・補足

非常に分かりやすいご指導ありがとうございます。
2価 ⇒ 3価系凝集剤への変更は方向性としては正しいと認識し、現在検討を進めております。
やはり皆様のご意見通り机上で考えていても始まらないので、実際に簡易的なジャーテストである程度目星をつけました。そして現在薬剤を購入している会社の技術担当の方(丁度貴方様の様なお仕事でしょうか)にジャーテスト等による検討を依頼したところです。

ご回答ありがとうございました。

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