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環境Q&A

活性汚泥法について 

登録日: 2008年07月24日 最終回答日:2008年07月26日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)

No.28815 2008-07-24 11:11:14 ZWlb736 おちゃる

@SRTを長くして運転することにより生じると考えられる影響はどのようながありますか??

A糸状性バルキングによる固液分離障害への対策例として期待される効果は何が考えられますか??


あまりバックグラウンドがないので初心者でもわかるように説明していただけたら幸いです。


どうかお願いします。

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No.28819 【A-1】

Re:活性汚泥法について

2008-07-25 08:20:47 たる吉 (ZWl47e

宿題ですか?
いずれにしても質問する場合は、質問文を精査すべきです。

>A糸状性バルキングによる固液分離障害への対策例として期待される効果は何が考えられますか??

A糸状菌によるバルキング現象への対策として効果が高い対策は何が考えられるか?
という意味ですか?

回答に対するお礼・補足

演習問題でわからないことがあったので質問いたしました。


>A糸状菌によるバルキング現象への対策として効果が高い対策は何が考えられるか?

はい、そうです。

わかりにくくてすいませんでした。

No.28828 【A-2】

Re:活性汚泥法について

2008-07-25 20:37:41 papa (ZWl998

下水道維持管理指針を読んでくださいと回答したいところですが、
学校が夏休みになりましたので、しばらくの間、宿題回答モードにします

>@SRTを長くして運転することにより生じると考えられる影響はどのようながありますか??
SRTとは活性汚泥の平均滞留期間ですから、SRTを長くするということは、世代交代が長い生物の増殖条件になります。一般的な下水では、基質が窒素過剰なので、独立栄養で増殖速度の小さい硝化細菌を汚泥中に保持することが可能になります。
その結果、アンモニア性窒素は硝酸性窒素までに酸化され、pHの低下が起こります。操作方法によっては硝酸呼吸によって脱窒させることも可能になります。
SRTを長くするということは、系内の汚泥保持量を増加させることですから、沈殿地における固液分離操作や汚泥返送を適切に行うために、沈殿地の水面負荷や返送汚泥ポンプの設計上の配慮が必要になります。
硝化と汚泥保持量増加により、必要酸素量が増加するので、酸素供給のための電力原単位が増加します。
内生呼吸による有機物の消費によって汚泥中の有機分がが減少します。
汚泥保持量増加によりF/Mが減少して、負荷の変動に対して安定した処理水質で運転することができます。

長くなりましたので回答を分割します。

回答に対するお礼・補足

papaさん、ご回答ありがとうございました。
つまり、@硝化細菌のはたらきによるpHの低下A無酸素槽を用いることによって脱窒Bバルキングの可能性C酸素供給増加によるコストアップD処理水質の安定化
などが考えられるということでよろしいでしょうか?

No.28830 【A-3】

Re:活性汚泥法について

2008-07-25 21:09:50 papa (ZWl998

>A糸状菌によるバルキング現象への対策として効果が高い対策は何が考えられるか

下水処理において、糸状性細菌による固液分離障害の対策としては、まず糸状性細菌の基質について考慮することが必要です。菌種がはっきり同定されたわけではなく、状況証拠といったレベルですが、糸状性細菌は溶解性の有機酸を基質とする好気性細菌であるといわれています。
増殖を抑制するにはこれらのポイントを排除すればよいことになります。
処理場で一般的に行われている増殖回避操作としては
@分流処理場では、管路内での下水の腐敗によって生成する生成する有機酸及び管路内での糸状性細菌の増殖を抑制するために、管路水位を上昇させない汚水ポンプの低水位運転や深夜早朝の掃流運転を行うことが一般的です。
A溶存酸素のない状態で溶解性有機物を汚泥中の細菌に蓄積させるような運転操作(流入部に嫌気ゾーンを作る)を行います。
処理場における操作としては比較的簡単な操作ですので、全国どこでもこのような操作が行われています。
したがって、バルキングによる固液分離障害は処理場ではほとんどありません。おそらくここ10年程度の経験者でバルキングを経験した人はほとんどいないと思います。
SRTの長い低負荷処理場では、F/M比が小さいことから糸状性細菌が増殖できるほどの基質供給がなく、バルキングとなった例は聞いたことがありません。

下水処理以外の分野での状況は残念ながら回答する情報がないのでご容赦ください。

回答に対するお礼・補足

糸状菌は好気性細菌と考えられているため、嫌気状態にすることによって糸状菌をころすと考えればよろしいですか??

No.28833 【A-4】

Re:活性汚泥法について

2008-07-26 08:03:05 papa (ZWl998

>@硝化細菌のはたらきによるpHの低下A無酸素槽を用いることによって脱窒Bバルキングの可能性C酸素供給増加によるコストアップD処理水質の安定化
などが考えられるということでよろしいでしょうか?
Bについては直接的な関係はないと思います。
但しSRTが長くなることによって放線菌などが増殖し、発泡などの固液分離障害が発生しやすくなることをバルキングの一種として定義されていることもありますが、一般的な意味でのバルキングではありません。
また、MLSSの上昇によりSVIが上昇し、教科書的な意味でのバルキングの範囲になってしまうことが一般的ですが、ふつうはこのような現象はバルキングとは認識されていません。

>糸状菌は好気性細菌と考えられているため、嫌気状態にすることによって糸状菌をころすと考えればよろしいですか?
ちょっと違います。
下水処理においては、管路からのシーディングと基質供給は不可避の現象ですから、その影響を最小限にするための操作を行ってます。設備的にもそのような対応ができるものとなっています。また、増殖を抑制することはできても殺菌的に死滅させることはできません。常にほどほどの存在を受け入れながらの運転になります。
混合培養系である活性汚泥法は生息環境を制御しながら自然淘汰を進める操作手法なので、特定の微生物だけを利用する純粋培養とは考え方や操作が異なっています。
返送汚泥という循環系があるため、嫌気ゾーンではATPやポリりん酸を蓄えた好気性細菌がそのエネルギーを溶解性有機物の細胞内蓄積(能動輸送といったほうがいいかもしれません)に利用しているといわれています。
その結果、好気ゾーンでは糸状性細菌の基質がほとんどなくなるわけで、どちらかと言えば兵糧攻めみたいなイメージで捉えていただければよいと思います。
嫌気ゾーンでは基質はあるが酸素がない、好気ゾーンでは酸素はあるが基質がないという生息環境制御で増殖を抑制しているにすぎないのです。

但し以上の説明は下水処理に限ってのことで、一般的な活性汚泥法ですべて適用できるものではないことをご承知ください

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。
基質と酸素が両方ある状態にしないことによって、殺すのではなく、増殖を抑えるということですね。

何度もありがとうございました

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