一般財団法人環境イノベーション情報機構
石灰軟化
登録日: 2008年07月16日 最終回答日:2008年07月16日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)
No.28724 2008-07-16 10:47:12 ZWlad13 jisanmieko
水道法水質基準根拠資料に記載されている浄水処理法で石灰軟化というものがあります。金属類やトリハロメタンの前駆物質の除去が可能であると載っているのですが、どういう処理なのでしょうか?実際の浄水処理ではどこの段階で行われ、どんな作用によって除去されているのでしょうか?お教えいただけないでしょうか・・・よろしくお願いします。
総件数 2 件 page 1/1
No.28728 【A-1】
Re:石灰軟化
2008-07-16 16:02:03 みっちゃん (ZWl8a13
基本的には消石灰(水酸化カルシウム)のみで硬度を除去する方法で
Ca(HCO3)2+ Ca(OH)2 → 2CaCO3 ↓+ 2H2O
Mg(HCO3)2+ 2Ca(OH)2 → Mg(OH)2↓+ 2CaCO3↓ + 2H2O
カルシウム硬度は炭酸カルシウムとして、マグネシウム硬度は水酸化マグネシウムとして析出沈降させ除去します。
このときに前駆物質なども共沈することを期待します。
水処理の段階としては一番最初に行います。
ただ、石灰軟化で検索すればいくらでも資料はあります。詳しくは造水技術ハンドブックなどをご自分でお読みください。
回答に対するお礼・補足
回答いただきありがとうございました。
硬度の除去については基礎的文献等ですぐに分かったのですが、他の有機物の除去機構についての明確な標記をみつけることができませんでした。もう少し検索するべきでした。
私は水道法にかかわる水質検査にかかわっており、浄水処理についての実務には知識がありません。お教えいただきたいのですが・・・実際の水道で石灰軟化を行ってTHM等の前駆物質の除去を行っているところはあるのでしょうか?
No.28730 【A-2】
Re:石灰軟化
2008-07-16 17:24:00 みっちゃん (ZWl8a13
主目的が硬度を下げることです。よほど硬度が高い水でないと共沈も期待できません。非炭酸塩硬度の処理も出来ませんしスケール発生の問題もあります。国内の工業用水などではそのためにソーダ灰を併用する石灰ソーダ軟化法を採用し、その後炭酸化処理もあると思います。
最近の工業的な水処理ではイオン交換や膜処理で軟水化することがほとんどと考えてよいと思います。まして、前駆物質や金属イオンなどを除去することを目的として石灰軟化処理を考えることはないでしょう。
欧州では硬度が高いこともありよく、処理単価も安いので使われると聞いている方法なのですが・・・
回答に対するお礼・補足
回答いただきありがとうございます。
詳しく解説いただきたいへんよくわかりました。
海外ではよく使われているのですね。それで、水道水質基準根拠資料に記載されているということなのですね。ご回答感謝いたします。本当にありがとうございました。
総件数 2 件 page 1/1