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環境Q&A

排水処理におけるバクテリアの有無について 

登録日: 2007年06月12日 最終回答日:2007年06月15日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)

No.22944 2007-06-12 11:27:10 バクテリア

ブロワーの運転時間、バクテリアの有無について質問です。
現在、1日の汚水量が400u×mの排水設備でPHが6.8前後、DO値が2.5ppm、の処理を行っています。
最近汚泥の状態が悪く、顕微鏡にて糸状菌が多く確認できます。
汚泥を分解してくれるような細菌が全く見当たりません。
一般的に排水処理上に置いて汚泥を分解してくれる細菌の有無はどうのように調べたらよいのでしょうか?
また、顕微鏡等で確認した場合にバクテリアは発見できるのでしょうか?
汚泥の状態が悪くなった要因にブロワーの運転時間が関係しているように思われます。
一日の運転時間は一般的にどのぐらいなのでしょうか?
DO値が1ppmをきらないように管理しておりましたが適正範囲が間違っていたようにも感じます。
(ただ今までは1.5ppmぐらいでも問題ありませんでした。)

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No.22947 【A-1】

Re:排水処理におけるバクテリアの有無について

2007-06-12 12:16:01 レス

>現在、1日の汚水量が400u×mの排水設備でPHが6.8前後、DO値が2.5ppm、の処理を行っています。

 何の汚水ですか。(生活排水、産業排水:業種)
 処理方法は何ですか。

>最近汚泥の状態が悪く、顕微鏡にて糸状菌が多く確認できます。

 汚泥の状況が悪いとはどのようになっていますか。
 以前はどのような状態でしたか。そしてどのような経過を経ていまの状態になりましたか。

>汚泥を分解してくれるような細菌が全く見当たりません。
>一般的に排水処理上に置いて汚泥を分解してくれる細菌の有無はどうのように調べたらよいのでしょうか?
>また、顕微鏡等で確認した場合にバクテリアは発見できるのでしょうか?

 汚泥を分解するとは意味がわかりませんが。
 排水処理の上とは意味がわかりませんが。
 水処理に必要とされている細菌類は、通常は見つけられますが、倍率は何倍で観察していますか。

参考
下水道の診断(マッシー・ナナさんのHP)
http://www.geocities.jp/seibutu7/
日本下水道施設協会(活性汚泥動物園)
http://www.siset.or.jp/index.htm

>汚泥の状態が悪くなった要因にブロワーの運転時間が関係しているように思われます。
>一日の運転時間は一般的にどのぐらいなのでしょうか?
>DO値が1ppmをきらないように管理しておりましたが適正範囲が間違っていたようにも感じます。
>(ただ今までは1.5ppmぐらいでも問題ありませんでした。)

 この質問も意味がわかりません。
 適性範囲と云いながら範囲の記入もありませんね、大体誰が適性範囲と決めたのですか。結果が悪ければ不適性範囲ですよね。任意に決めた範囲を適性範囲とは呼びませんから。そのような場合は管理範囲とか運転範囲とか呼びます。
 自分で適正と判断するなら、こんな場所で質問しないで思う通りに運転すればよい。
 間欠式の曝気装置なのですか。連続式なら曝気量で制御します。

 溶存酸素量や糸状菌が観察されたことを考えれば第一推定は汚泥の解体ですが、現在の資料だけでは第二第三・・。が出てくることも予想されます。

 いまのデータだけでは回答するのは怖いです。
 貴方の質問様ですと壱から十まで手とり足とり、それも理解できるかわからない状況での回答になります。

回答に対するお礼・補足

>何の汚水ですか。(生活排水、産業排水:業種)

産業排水です。排水は主に酸性の飲料水です。

>処理方法は何ですか。

浮遊生物法
オキシデーションディッチ法(OD法)です。

>汚泥の状況が悪いとはどのようになっていますか。
>以前はどのような状態でしたか。そしてどのような経 過を経ていまの状態になりましたか。

以前は曝気槽から沈殿槽へ送った排水の汚泥が沈殿していたのですが、最近は汚泥が水面に浮いてしまっています。ここに至るまでに変わったことといえばブロワーの1日の運転時間が12時間から8時間になったことです。

>汚泥を分解するとは意味がわかりませんが。
>排水処理の上とは意味がわかりませんが。
>水処理に必要とされている細菌類は、通常は見つけられますが、倍率は何倍で観察していますか。

排水処理の上は排水処理場の間違いです。
倍率は400倍で観察しております。
分解してくるというのは表現が悪かったです。
ようするに浄化が良好な時にいる原生動物が見当たらないということです。

ブロワーの運転時間ですが、今まではDO値が1.5ppmぐらいある状態ならば原生動物も確認でき、汚泥が浮遊することはありませんでした。そのときの運転時間は12時間でした。


No.22953 【A-2】

Re:排水処理におけるバクテリアの有無について

2007-06-12 18:35:40 aqua-play

>現在、1日の汚水量が400m3の排水設備でPHが6.8前後、DO値が2.5mg/L

汚水量は実水量ですか計画水量ですか? 計画水量なら実水量は?

>一日の運転時間は一般的にどのぐらいなのでしょうか?

MLSS濃度やエアレーション装置の規模(計画水量や汚濁負荷で決まる)と実負荷で
違うので一般的と云うものは無いと思います、そこの施設で試行錯誤するしかないかな

>ブロワーの運転時間ですが、今まではDO値が1.5ppm・・・・・・ことはありませんでした

うまくいっている設定があったなら、とりあえず戻してみることをお勧め致します。

>運転時間は12時間から8時間になったことです

なぜに電気代の節約?

>DO値が1ppmをきらないように管理しておりました

間欠運転なら一定時間であればきっても良いと思います
特に1mg/Lにこだわる必要ありません

OD法の運転方法についてはサイト内検索でも出てくると思います。

ただ一端、糸状菌が増えて汚泥が膨化するとなかなか元に戻らないので苦労すると思います

No.22955 【A-3】

Re:再度確認する項目があります

2007-06-12 19:05:02 レス

以前沈殿槽汚泥が沈降しているとき

曝気ブロワ運転時間12時間  溶存酸素1.5ppm

現在

曝気ブロワ運転時間 8時間  溶存酸素2.5ppm

ですよね私が混乱しているのですか。

 それと汚泥中の原生動物等は汚泥の解体やバルキングが発生しても糸状菌を残して全くいなくなることは考えられないのですが。

溶存酸素濃度を考えた場合過曝気を当初は疑うのですが、ブロワの運転時間を三割も減らしているのに酸素量は過剰に増加している。糸状菌以外の生物が排水中に存在しない。
 残念ながら私では手が出ませんね。

No.22956 【A-4】

Re:排水処理におけるバクテリアの有無について

2007-06-12 19:08:52 papa

問題点の整理から。
1バクテリアとは、通常は原核生物である細菌のことです。
質問の中では原生動物を細菌と認識しているようですがこれは違います。バルキングの原因になる糸状性細菌は細菌ですのでバクテリアです。
2汚泥の浮上(浮上なのか沈降不良なのか?)流出には様々な原因があり一概に回答をすることができません。
3水処理施設の運転は、溶存酸素と曝気時間だけが操作因子ではありません。F/M比やC・N・P比など産業排水では考慮すべきポイントがたくさんあります。
4トラブル時に原生動物の消長を観察しても、専門家でも簡単に処方箋を書くことはできません。
5担当者として、処理障害となったときに焦る気持ちはよくわかります。しかし、処理施設の基本的な運転方法は納入メーカーの説明をよく理解し、水処理の基本原理や操作方法を基礎から習得するする必要があると思います。
6飲料関係の廃水は溶解性の有機酸や糖類がほとんどで、糸状性細菌の増殖が起こりやすい性質があります。

処理施設の運転管理を受託して行う会社もありますので、ご検討されたらいかがでしょうか。委託をしながら、運転技術を習得して最終的には自社管理という方向もあるかと思います。

No.22962 【A-5】

Re:排水処理におけるバクテリアの有無について

2007-06-12 23:09:59 風林火山

>汚泥を分解してくれるような細菌が全く見当たりません。

日頃、顕微鏡で見ているアスピディスカとかカルケシウムが汚水を分解しているわけではなく、本当に汚水を分解しているのはもっと小さく、400倍程度では見えない別働隊だと私は教わりました。上記の微生物はこういう処理条件のときによく現れるのがこういう微生物であるという指標に過ぎないと・・。

レス様の回答に対するお礼のなかで、以前は沈殿槽で汚泥が沈殿していたのですが最近は水面に浮いていると書かれています。
質問では糸状菌のことがメインとなっているのでそちらに目を奪われがちですが、曝気条件を変えたため脱窒による浮上も起こっていると思われます。

本来反応タンクで、行われるべき硝化と脱窒の内、脱窒が沈殿槽で行われているので反応タンク内で終わるよう曝気量を調整してください。

糸状性バルキングについては対処経験がありませんのでウォッシュアウトで早く菌を系外に出すという机上の論理しか言えません。これは他の方にお任せします。

この環境Q&Aに回答される水処理班(私が勝手にそう呼んでいるだけ)は非常に優秀で経験も豊富で私はいつもプリントして部下に教材として見せています。
今回もいくつもの回答が寄せられるでしょう。
ただ、明快な回答は詳細な状況説明から始めて得られます。
説明できる限りの背景や現状を教えてください。





No.22964 【A-6】

Re:排水処理におけるバクテリアの有無について

2007-06-12 23:49:14 クマムシ

生物処理に携わるなら、以下の2冊の本は読んで損はないです(出来るなら買って手元に置いておきたい)。
著:千草 薫『図説・微生物による水質管理』刊行:産業用水調査会
著:中村 和憲『環境と微生物』刊行:産業図書

No.23017 【A-7】

Re:排水処理におけるバクテリアの有無について

2007-06-15 09:22:28 たろーめん

ご質問の主旨から離れるかもしれませんが、しばらくお付き合いください。

ODとのことですが、いくつか確認させていただきます。

****************
1.ODの水路長と水深、ならびに形状と流入位置、流出位置を教えてください。

2.反応タンク内の装置ですが、ブロワを使用されているとのことなので、プロペラ式ですか?それとも横軸、縦軸等の撹拌バッキ装置ですか?台数と取り付け位置も教えてください。

3.設計処理水質(原水、処理水)、設計滞留時間、異常発生前後の処理水量、異常発生前後の原水水質、処理水水質について教えてください。

4.DO測定位置(例:二台目の装置の直上流など)を教えてください。
****************

汚泥浮上に生物は関係しておりません。生物の変化はあくまでも結果です。何らかの変化が生じたために生物相に変化が生じたわけです。また、生物はどこにでもいるので、反応タンク内に必要なメンバーはそろっているはずです。ただし、でてくるかこないかは彼らをとりまく環境によります。

汚泥浮上の原因としては、汚泥への気泡の付着が考えられ、その気泡の原因として油脂類の流入(油脂がバッキされて気泡を形成し、それに汚泥が付着する)、反応タンクでの硝化とそれに続く最終沈殿池での脱窒による窒素気泡の付着、最終沈殿池での沈殿汚泥の腐敗によるガス発生とそのガスの気泡の汚泥への付着などが考えられます。

汚泥浮上のとりあえずの回避策として、汚泥返送比の増大があります。ODなので100%だとおもいますが、ポンプの能力が許すのであればさらに増やしてください。考え方は、沈殿池に流入した汚泥の早期回収です。ただ、汚泥返送比の増大で負荷がさらに低くなり、より一層汚泥が浮上することがあります。その場合には、バッキ装置の運転時間をさらに短くする、二台以上ある場合には、流入に近い方の装置の回転等をさげて、撹拌と流速確保だけにする、DO設定値をさらに下げるなどを行う必要があります。

蛇足ですが、硝化が完全に促進するといわゆる「いい虫」は姿を消し、アルセラ、ピクシディキュラなどのアメーバ系が多くなります。

No.23024 【A-8】

Re:排水処理におけるバクテリアの有無について(先の追加です)

2007-06-15 12:53:03 たろーめん

申し訳ありません。先の確認の追加です。

****************
5.酸性排水とのことですが、その中身はどういったものでしょうか?炭酸系とか、塩酸系などできるだけ詳しくご教示ください。

6.また、土砂等の混入の可能性はありますでしょうか?あわせてご教示ください。
****************

たびたびで申し訳ありませんが、よろしくお願い申し上げます。

No.23033 【A-9】

Re:排水処理におけるバクテリアの有無について

2007-06-15 15:15:01 マッシー・ナナ

飲料水関係の排水は大部分が容器洗浄時の洗瓶排水で占められ、多少の製造飲料水が混入します。この他に洗瓶工程でアルカリ洗剤や次亜塩素酸ソーダが使用されます。このため排水処理にはODに先だってアルカリの中和と次亜塩の還元を行います。また、流入水は栄養塩が偏るので、OD流入時にNP添加を行います。こうした前提での記載です。1,OD前の中和はPH変動があると汚泥の微生物に悪影響があります。2,栄養塩の添加が負荷変動に追従していないとODは、ピンフロック状態となり処理水が濁ります。3,次亜塩処理は確実ですか。4,製造量は季節変動により、初夏にODは低負荷から過負荷状態となりやすいです。こうした現象が生じて、その際に運転方法が適切に変更されなければ、糸状性細菌など異常生物が増殖することがあります。さて、糸状性細菌ですが、原因は放線菌類と言いたいところです。しかし、清涼飲料水排水は易分解性の有機質が多いので、放線菌は出現しにくいです。脱窒素汚泥の浮上も、N分は元々少ないので考えにくいです。一番考えられるのは硫化水素臭のする腐敗汚泥(灰〜黒色の汚泥)の浮上現象です。しかし、汚泥のバルキングが起こると汚泥は沈殿しにくくなり、腐敗が生じにくくなります。腐敗がある場合に出現する糸状性細菌はベギアトア(滑るように動く太い糸状性細菌)かType021N(多量に出現すると紡んだ糸のように絡まります)などです、共に50〜100倍程度で見られます。
なお、糸状性細菌が異常に優先出現すると、フロック形成細菌を捕食する原生動物は出現できない場合があります。草原(OD)に鳥(糸状性細菌)ばかり多くなってシマウマ(フロック生成細菌)がいなければ、シマウマを補食するライオン(アスピディスカなど原生動物)が餓死するようなものです。一般的な生物処理の参考書は家庭排水を対象として書かれております。産業排水では出現する細菌相が異なるので、原生動物があまり見られないことも多いです。草原と森林では住む生物が異なると言うことです。特に糸状性細菌にしても下水処理場では沈降性が悪化するので障害細菌になっていますが、産業排水系では対策を講じた処理施設も多く、さして問題とならない場合もあります。文字数制限でここで止めますが、回答の疑問箇所をお教えいただければ、幸いです。

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