一般財団法人環境イノベーション情報機構
脱窒におけるメタノール理論投入量について
登録日: 2007年05月15日 最終回答日:2007年05月16日 ごみ・リサイクル 産業廃棄物
No.22540 2007-05-15 05:13:56 シギ
産廃最終処分場における水処理施設を担当しているものです。
担当している施設は、硝化後の汚水を脱窒槽に流入させ、BOD源及び水素供与体としてメタノールを投入し、脱窒を行う設備になっています。接触ばっ気式生物処理(脱窒処理含む)です。水質管理は、日常はパックテスト、月に一度施設内各槽の水を精密分析にかけています。原水水質はBOD120mg/L,T-N160mg/L,放流水の規制値はBOD5mg/L,T-N=2mg/Lです。
質問なのですが、メタノールの投入量が、理論投入量に対して約2,3倍以上投入しないと、基準値以内まで脱窒できません。その原因として、浸出水中のBODが少ない、T-N濃度が濃いなどの、水質要因以外に、どのような事が考えられるのでしょうか。
メタノールを過剰に投入しているせいか、後段の再ばっき槽に汚泥が蓄積しやすく、困っています。
化学、生物学の知識は高卒をもんだ程度です。
長文、乱文申し訳ないです。ご教示いただけると幸いです。
総件数 2 件 page 1/1
No.22559 【A-1】
Re:脱窒におけるメタノール理論投入量について
2007-05-16 10:14:40 イニシャル泥 (
有機物濃度を高くするほど、
嫌気無酸素環境を形成しやすく、単位汚泥量
あたりの脱窒速度が上昇しますので、所定の
処理時間内に、流入T−N濃度を規制値内に
下げるために必用な条件として、現状の投入量に
なっている可能性が考えられます。
・汚泥量の問題
接触酸化であれば、返送設定がないと思いますので、
汚泥量(生物膜量)の安定確保に必用な量に
なっている可能性も考えられます。
・利用率の問題
嫌気条件であっても、添加したメタノールの
全てが脱窒に利用されるとは限らず、
脱炭酸など、脱窒以外の生物反応による消費、
さらに硝化液中のDOや、前後の開口部からの
DOの流通、液面からの酸素の取り込みなども
メタ消費の原因になります。
いずれにしても、放流T-N<2mg/Lの厳しい条件
ですので、反応時間に余裕を与えるとともに、
理論量以上にメタを添加しないと難しいとは思います。
No.22563 【A-2】
Re:脱窒におけるメタノール理論投入量について
2007-05-16 13:27:00 マッシー・ナナ (
メタノール添加の目安ですが、イニシャル泥様のご発言のように理論値と添加量は必ずしも一致しませんので、理論値にとらわれる必要はないかと思います。
脱窒槽のORPを計測して、その値がマイナス100mv以下になるようにしてください。それ以上だと、脱窒は生じにくいと思います。でも、経験や目分量でも良いかと思います。(^o^;
「後段の再ばっき槽に汚泥が蓄積しやすく、」
添加メタノールは、このシステムではDOを下げるためにも利用されるので、通性嫌気性細菌等が増殖すると思います。残念ですが、多少汚泥が発生するのはやむ得ないことではないでしょうか。ただ、発生した汚泥を脱窒槽に戻す仕組みが有れば、さらに効率的な脱窒も可能と思います。
処理のことを十分に理解されておいでのようなので、少し難しい回答となりました。
総件数 2 件 page 1/1