環境Q&A

No.2328 【A-1】

Re:黄砂

2003-05-07 18:43:33 ちしゃ （

いつごろから日本に降下したのかというのは人間の残した文書などでたどれる範囲ではないようです。

東京都立大学大学院理学研究科教授 福澤 仁之さんの
「人類と気候の数万年史 〜気候変動を乗り越えた先人に学ぶ〜」http://www.kishou.go.jp/info/fukusawa.htm
では「黄砂とは、中国黄土高原でのダストストームによって巻き上げられた風成塵が飛ばされてきたものであり（中略）日本列島の湖沼における堆積物の黄砂の量から、東アジアの気候変動を知ることができる」「図13　http://www.kishou.go.jp/info/fukusawa/fig13.gifは、水月湖における湖沼年縞堆積物の粘土鉱物の量を示している。ちょうど15500年前頃から激減しており」という記載があります。

さらに入野　智久さん（北大地球環境変遷学講座　助手）による
縁海堆積物中の陸源砕屑物組成から見た古気候変動
http://www.ees.hokudai.ac.jp/semi/001124.html　
では「日本海半遠洋性堆積物中のシルトサイズ粒子のほとんどが黄砂起源粒子で占められており、過去8万年間でそのモードが5-9ミクロンの間で変動し、黄砂の量が増える時に粗粒になることも明らかにした」という情報もあり

松井裕之さん、 多田隆治さんの「日本海堆積物の粒度組成から復元した過去10万年間の黄砂寄与率および粒径変動」
http://www-jm.eps.s.u-tokyo.ac.jp/1999cd-rom/pdf/lc/lc-009.pdf　という発表もあり、少し探しただけでも１０万年以上前からの降下が確認されるらしいということがわかりました。

黄砂　古気候　変動などのキーワード（他のキーワードもあると思いますが）で検索することができるのでやってみてください