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環境Q&A

改良土の六価クロム分析について 

登録日: 2007年03月15日 最終回答日:2007年03月27日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)

No.21702 2007-03-15 01:31:39 なおこ

お世話になります。
セメント系改良土の六価クロム分析をJIS K 0102 65.2.1ジフェニルカルバジド吸光光度法で行っています。
溶出液が結構黄色く着色した試料なのですが、
A液では(1+9)硫酸を入れると黄色が薄くなり、発色試薬を入れるとほんのり発色し、ABSで0.115ありました。
B液は(1+9)硫酸とエタノール添加・煮沸し、放冷して発色試薬を入れると発色は全く無く、黄色はA液より強くて、ABSは0.174ありました。
この結果では、六価クロムは定量下限値未満になってしまいます。
A液はほんのりですが発色していて、下限値よりは高いはずだと思います。
B液の吸光度が高く出る原因は何なのでしょうか?どのように対処すればよいでしょうか?
ちなみに検量線のB液も、スタンダード0でゼロ合わせしたとき、0.05くらいABSがあるのですが、エタノールの影響でしょうか。煮沸が足りない、という事はないですよね?

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No.21735 【A-1】

Re:改良土の六価クロム分析について

2007-03-16 18:35:28 tom

溶出液作成時に、微妙なろ過残りはありませんでしたか?もしあるようでしたら、ろ過のときに問題があるのではないでしょうか。また、試料によっては、時間経過で沈殿が発生することもあります。
A液の発色は、標準液の発色と同じ色でしたか?
(黄色っぽければ鉄の妨害の可能性があります。その場合は、しばらく放置すると、黄色味が次第に強くなり、発色の妨害をすることがあります。その妨害の取り除きは(試薬名を失念しましたが)JISに書いてあると思います)

セルの長さや、検量線の濃度のみなおし、標準添加、先輩の助言など、検討してみたらいかがでしょう。

回答に対するお礼・補足

ありがとうございます。微妙なろ過残りもあるかも知れません。確認します。A液の発色は標準液と同じ発色でした。JISを再確認と、標準添加等、検討してみます。ありがとうございました。

No.21772 【A-2】

Re:改良土の六価クロム分析について

2007-03-20 07:40:32 K

ジフェニルカルバジド吸光光度法だけではないのですが、この手の試験は共存する元素なんかの影響も大きく受けます。
筑波山麓の仰るように種々の物質が含まれ着色があるケースでは「真値」と呼ばれるものを求めるのは難しいです。
もっと言えば、JISでの分析法はここまでの状態を想定していないと考えた方がいいようです。
(排水試験法の解説本あたりにはそれなりに注意事項が書かれていたような)

さて、セメント改良土やコンクリートのようなものからの六価クロムの溶出試験に関してはセメント協会や土木学会から参考となるものが出ておりますので、この際読まれてみてはいかがでしょう。
セメント協会:JCAS L-02-2004 セメント及びセメント系固化材を使用した改良体の六価クロム溶出試験方法,2004.
http://www.jcassoc.or.jp/cement/1jpn/jj3g.html#11
コンクリート委員会 微量成分溶出に関する調査研究小委員会:コンクリートからの微量成分溶出に関する現状と課題,土木学会,2003.
http://www.jsce.or.jp/publication/detail/detail1684.htm

回答に対するお礼・補足

ありがとうございます。やはりもっと勉強していく必要がありますね。この2つの文献の存在を、恥ずかしながら初めて知りました。本当に助かります。ありがとうございました。

No.21856 【A-3】

Re:改良土の六価クロム分析について

2007-03-27 13:11:47 ymasuda

 ジフェニルカルバジドは酸化・還元により発色は妨害され黄色に変色したり、発色しない場合があります。
 特に土壌の溶出試験の場合に多々みられます。
 そのような場合はJIS K 0102 65.2.2 備考15 鉄によりCr+3を共沈させCr+6と分離後、ICP又は原吸により定量します。

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