水質試料のVOC測定バリデーション確保!
登録日: 2007年02月17日 最終回答日:2007年02月25日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)
No.21225 2007-02-17 09:41:49 めーめ
いつも拝見させてもらって勉強させて頂いております。
私は環境証明事業所で排水中のVOC測定を行っております。
JIS 0125 5.2(HS-GC-MS、内部標準法)に従い分析を行っております。
現在、分析方法のバリデーションを確保するため実験を行っておりますが、試料の希釈の妥当性がどうしても確保できません。つまり試料を希釈しないで何本か測定した平均値と、この試料を希釈(2倍希釈から20倍希釈程度、希釈後の試料濃度も検量線の範囲内です)して測定した平均値に有意さがでてしまいます。希釈後の濃度のほうが2割〜3割程度低い定量値となってしまいます。
当方の希釈方法はメスフラスコ中に冷やしたブランク水を張って、その中にホールピペットで試料を泡立てないように分取し定容することにより行っております。
測定項目がVOCということで、希釈中に試料濃度が変わってしまうのではないかと頭を悩ませております。
当方の希釈方法が悪いのか?あるいは検量線の濃度範囲設定が悪いのか?(検量線の直線性、定量下限等はバリデートできています。現在の検量線濃度範囲は下限から上限まで40倍です。)又は希釈の妥当性を確認すること自体VOC測定では困難なのか?
ご教授宜しくお願いします。
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No.21228 【A-1】
Re:水質試料のVOC測定バリデーション確保!
2007-02-17 14:24:59 匿名 (
希釈に使用したホールピペットを直ちにブランク水で洗浄した水を分析したら、どの程度の成分が含まれていますか?
分析する量は乾燥状態のホールピペットと使用後のホールピペットの差が分析資料と考えた場合の濃度の差がどうなるかです。
希釈後の濃度の低くなる量が希釈水の量又は資料採取水の量に相関がないか確認する。
つまり、常に低くなるとして、二倍希釈、四倍希釈八倍希釈の時に低くなる濃度が0.5、0.75、0.875とか:1、0.25、0.125とかに関係する値で低くなっていない喧しいです。
回答に対するお礼・補足
早速のご回答ありがとうございます。
まず最初の確認事項ですが、ホールピペットは分取する際に必ず分取する試料で共洗いしていますので(乾燥状態のホールピペットは使用しない)、この点については確認する必要はないかと考えています。
二つ目の確認事項ですが、データを確認する限り希釈倍率は濃度の低下量に関係ないように感じられます。
いま手元にあるデータを簡単に述べますと2倍希釈(×20/10)で2割減、4倍希釈(×20/5)で3割減、5倍希釈(×50/10)で1割減となっています。カッコ内は(メスフラスコ容量/分取量)です。
定容する際のメスフラスコ容量や、分取する際のホールピペット容量が影響してくるのでしょうか?
私もせめてメスフラスコの容量を統一して希釈したいと考えておりましたが、今後100倍希釈(×100/1)まで妥当性を確認したいと考えておりましたので、試料量、分析操作、スケール等々の理由でメスフラスコ容量の統一をあきらめました。
No.21236 【A-2】
Re:水質試料のVOC測定バリデーション確保!
2007-02-17 20:52:12 匿名 (
分取希釈して少なくなるには。
@ 分取したものが少ない。
@ A 採取の偏在
@ B 採取後散逸
@ C 採取量過誤
A 希釈が過誤
A A 希釈散逸
A B 定容過誤
A C 混合不足
B 分析過誤
B A 低濃度時の読み取り過誤
B B 検量線過誤
を、再度一つ一つ確認するしか・・・・
回答に対するお礼・補足
御礼が遅れて申し訳ありません。
再度の御回答ありがとうございます。
御回答の内容についてですが、データ数についてはまだ少ないのが現状です。何回か繰り返しをしたかというと、しておりません。
データ不足については当方でも承知しております。再度n数を増やして結果を確認してみたいと思います。
以下、ご回答の方で濃度が低くなる要因を挙げていただき、再度確認する事項を整理すると共に新たに確認する事項をご指摘頂いたので優先順位をつけて順次確認していくこととします。
自身の感覚ではAA、AC、BBについて、優先的に確認したいと思います。
No.21262 【A-3】
Re:水質試料のVOC測定バリデーション確保!
2007-02-19 18:34:49 筑波山麓 (
>当方の希釈方法はメスフラスコ中に冷やしたブランク水を張って、その中にホールピペットで試料を泡立てないように分取し定容することにより行っております。
一般にVOCはその性状が揮発性です。メスフラスコを冷却していることは認めますが、VOCの性状及び濃度が不明ですが、以下の手順を遵守していますか? ホールピペットが十分に冷却されていないと、ホールピペットに分取した時点で収率が低下します。また、原液の冷却も必要な場合が多いです。
手順:
1.希釈しようとしている原液を冷却していますか。
2.ホールピペットの内・外を十分に冷却していますか。
以下に、私の取っていた方法を連絡します。この方法で、VOC及び沸点が低い物質の希釈(検量線作製等も)が不良なものはありませんでした。ご参考になれば幸いです。
「VOCの性状から、開放系での希釈試験は成立し難い場合が多いです。希釈は、良く冷却した容量の大きいシリンジ等で、何度も原液を吸入・廃液を繰り返し、シリンジ内・外の冷却後、冷却・密閉したバイアル内にセプタム等を貫通して注入する方法で希釈します。この際、シリンジの針先は、液面内に差込、穏やかに注入します。バイアル及びシリンジの容量は、希釈倍数・VOCの性状等を考慮して決定します。希釈倍率は、@希釈倍率=原液の注入回数/(希釈液の注入回数+原液の注入回数)、又はA希釈倍率=原液の注入容量/(希釈液の注入容量+原液の注入容量)で計算し、不確かさは、シリンジで10回繰り返し注入し、その各回の重量を測定し、液温の比重で注入量及びバラツキを算出します。希釈倍数10倍以下でしたら、@の定容量を繰り返し注入希釈する方法が有効です。注入するバイアルは密閉系なので、空気による浮力を補正する必要はありません。ただし、バイアル内が負圧又は過大な陽圧にならないように注意します。」
回答に対するお礼・補足
筑波山麓様御回答ありがとうございます。
御礼が遅れて申し訳ございませんでした。
>手順:
1.希釈しようとしている原液を冷却していますか。
2.ホールピペットの内・外を十分に冷却していますか。
1については原液も十分冷却しています。
2についてですがホールピペットの冷却は共洗い(1回)にて行っておりますが、十分かどうかといわれると十分でないような気がします。2度3度共洗いし十分冷却してから再度データをとってみたいと思います。
筑波山麓様が提示してくださいました、希釈の手順については正直難しそうだな・・・というのが感想です。というのもJIS規格や装置の関係でバイアルは現在22mlのものを使用しており、サンプル量は10mlと決めてしまっています。
ヘッドスペース分析法で分析しているので、このバイアルの内積と試料量は気液平衡の点からいってもすべて同一でなければなりません。
ですが開放系だけの希釈だけでなく、密栓系での希釈があるのだと勉強させていただきました。別の試験で検討してみたいと思います。
No.21318 【A-4】
Re:水質試料のVOC測定バリデーション確保!
2007-02-22 18:23:54 今回は匿名で (
VOCは経験がないのですが、同じように比重が異なる油分の場合、資料中に分散していることがほとんどないようで、二分して分析するだけでも許容誤差に収まらないことが良くあります。
測る濃度が異なること、ガス性分が多いことを考えれば資料の均一化が出来るのかもしれませんが、少なくとも油分では余り分取はうまく行かなかったことを考えると、バリデイト可能な分析なのかと思ってしまいます。
すみません、余計な茶々入れてしまいました。
回答に対するお礼・補足
今回は匿名でさんありがとうございます。
私もVOC測定において、希釈試験をバリデート可能なのかどうかという所から疑問を抱いておりました。
しかしながら、他の方の回答からはバリデート可能だとの意見が読み取れましたので、もう少しデータを取ってみて判断したいと思います。
今回は匿名さんのご指摘にありました試料の均一化ですが、あまり激しく撹拌するとVOCが揮発してしまうので、少々頭を悩ます所ではあります。
当方の均一化方法は、定容後のメスフラスコを転倒してゆっくり2、3度振る程度です。
これで均一になっていると私は思い込んでおりましたが・・・
No.21357 【A-5】
Re:水質試料のVOC測定バリデーション確保!
2007-02-24 12:59:56 筑波山麓 (
検量線上限を超える試料を測定するには、検量線範囲内に濃度を持ってくる希釈が必要です。あなたの考えを認めるのならば、検量線上限以上のVOCは希釈できないので、すべて「○○以上」で報告することとなります。顧客は「○○以上」の報告書を持参したらなんというでしょうか。また、バリデートできていないのに、「○○ppm」と報告したらどうなるでしょうか。
あなたは、正しいことを言っているつもりかも知れませんが、あなたがこのような立場に置かれたら、できないものはできないと言って、「顧客を失う」、それがいやなら「自信がない、デタラメと分かっている報告」をできるのですか。あまりにも、その場限りの、気休め的な、良い子ぶった発言ですね。
企業に、社会に身を置いている正常な人ならば、このような発言は絶対に口にできないことです。だから、「今回は匿名で」なのですかね。
「めーめ」さんへ。
原液、メスフラスコ及びホールピペットを十分に冷却し、十分な注意を払って行えば、多少収率は低下しますが、バリデーションは可能です。実際に、行っている事業所をいくつか知っております。また、22mlのバイアル、サンプル量10mlでしたら、サンプル1ml、希釈液9mlで10倍希釈、サンプル0.1ml、希釈液9.9mlで100倍希釈です。密栓系で十分に可能です。シリンジを誤解されているのではないですか、マイクロシリンジでなく、マイクロ及びただのシリンジです。校正作業も、年に1回、半日程度で可能です。また、VOCと溶媒の比重の差を気にしているようですが、VOCの濃度を考慮して下さい。たかが数十ppmで「今回は匿名で」さんの言われているような不均一が起こるかどうかを勉強して下さい。あまりにも短絡的な、浅学、かつ、責任のない「今回は匿名で」さんの回答に驚いています。
なお、あきらめれば、できるものもできなくなります。
No.21358 【A-6】
Re:水質試料のVOC測定バリデーション確保!
2007-02-24 15:15:39 今回は匿名で (
この部分は確かに出来ないと困りますよね
余り経験のないことに口を挟んでやけどしましたが、実際のところ、環境水(排水)のVOCは「たかが数十ppm」に収まる範囲なのでしょうか?
私の油の経験ではgで計れる場合もありましたので。(ひどいいいかたですが、どうせ違反なんだから有効数字一桁にしてしまえなんて思わずいってしまいました)
すみません、また余計な茶々入れたくなりまして。
回答に対するお礼・補足
今回は匿名で様、御回答ありがとうございます。
御礼がおそくなって申し訳ございません。
私の御礼の前に、後に続く筑波山麗様の回答が早かったので今回は御礼のみにさせていただきます。
>実際のところ、環境水(排水)のVOCは「たかが数十ppm」に収まる範囲なのでしょうか?
私の事業所では排水、環境水については数ppmも検出される試料はほとんどありません。
数ppm検出されたなら、数ppmも検出されたと感じております。
しかしながらそういった試料がまったくないという訳ではないので、測定のバリデーションを確保している訳です。
No.21366 【A-7】
Re:水質試料のVOC測定バリデーション確保!
2007-02-25 16:17:27 筑波山麓 (
それから、「どうせ違反なんだから、有効数字一桁にしてしまえ」はどういう意味なのでしょうか。有効数字の意味をご存知ですか。あなたの事業所は、あなたが計量管理士なのですか。違反の有無を判定することだけが測定の意味ではありません。経時的(時間的)な変化、基準超になった原因調査、違反の程度等を把握することも目的の一つです。
分析と測定物質の性状を最も理解している計量証明事業者は、顧客と一緒になって、問題を解決することを顧客から求められることがあります。測定する意義を理解して測定に望んでください。価格が低く、担当者が派遣社員、パートであったとしても、料金をいただき、計量証明書として顧客に報告する以上、その意義を理解して仕事に望んで欲しいものです。
あまりにも、「短絡的、浅学、努力の形跡が見られない、かつ、責任のない」ことを繰り返されるので、今回は驚くことを過ぎて言葉もありません。少しでも、勉強し、自らの力量アップに努めるように祈っております。
それから、良い回答があるのなら別ですが、この質問の出題者である「めーめ」さんに申し訳ないので、これ以上の言い訳は無用です。
回答に対するお礼・補足
筑波山麓様 御回答ありがとうございます。御礼が遅くなって申し訳ございません。
筑波山麓様の他の方への御回答を以前から拝見させて頂いておりましたが、知識の深さ、勉強熱心さに常々尊敬の念を抱いております。
今回の私の質問に対しても、厳しくも適切な回答を頂き心より感謝致しております。
今回は匿名で様の回答についてですが、私の察するところ善意で御回答してくださっているのは明らかであると感じております。
今回の件のことではありませんが、質問者側も全ての回答を信用し鵜呑みにしているわけではないと思っております。
私は筑波山麓様をはじめ、今回は匿名で様、匿名様が私の質問に対し、時間をさいて善意で御回答をしてくださったことに感謝し、さらに勉強をさせていただく機会をいただいたことをありがたく思っております。
特に筑波山麓様の、他の方への回答を含め環境測定への真摯な気持ちと姿勢を見習う事ができるよう、さらに私自身が努力しなければならないと感じております。
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