脱窒で水素供与体として使用するメタノール、酢酸ナトリウムの違い
登録日: 2007年02月09日 最終回答日:2007年02月12日 水・土壌環境 水質汚濁
No.21071 2007-02-09 07:53:32 浄化班
はじめまして。大学で脱窒の勉強をしている浄化班と申します。
質問なのですが、脱窒浄化実験をする際に有機物として用いる水素供与体についてです。水素供与体としてメタノールと酢酸ナトリウムの2つを使用して脱窒浄化実験を行ったところ、酢酸ナトリウムを使用した方が脱窒活性が良くみられました。
この原因は酢酸ナトリウムが実験に使用した脱窒菌に適していたと考えられるのですが、もう少し具体的な原因はないのかどうか知りたくてここにメッセージを載せました。
具体的には水素供与体としてのメタノールと酢酸ナトリウムにどのような違いがあるのでしょうか?
下手な文で申し訳ないですが、ご回答よろしくお願いします。
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Re:脱窒で水素供与体として使用するメタノール、酢酸ナトリウムの違い
2007-02-12 12:26:57 レスないのでpapa (
健康食品のCMみたいですが、もっともらしい説明は、クレブス回路の入口がアセチルCoAであることから、酢酸だと途中のプロセスなしにダイレクトに回路に取り込まれやすいのではないでしょうか。
酢酸を基質とする微生物は広範に存在してますが、内生呼吸で脱窒させる処理方式もあります。この場合は、細胞内貯蔵物質であるPHBなどからアセトアセチルCoAを経てアセチルCoAとなりクレブス回路に取り込まれます。
生物処理のような混合培養系では、律速段階がどこにあるのかは重要な問題ですが、ピンポイント的に解明しようとするのはとても困難なテーマです。解明のためには、最終的に硝酸イオンに電子が移動するまでの多くの段階に関与する酵素系について基質の影響を明らかにする必要があります。
もっぱらその価格の安さと、分解生成物が二次的な汚濁負荷にならないことがメタノールが利用される理由です。
混合培養系というのは、基質供給を含む様々な生存条件を制御して合目的的に生物相を制御するものですので、メタノール添加で馴致させればそれなりに活性度が上昇することがあるかもしれません。
更に言えば、PHBが生分解性プラスチックとして市販されてますので、これを水素供与体とすることだって可能なはずです。
回答が少しずれてしまいましたが、研究がんばってください。
回答に対するお礼・補足
ご回答ありがとうございます!あれから先輩や指導教授に質問してみたとこる、レスないのでpapaさんの言う通り酢酸ナトリウムがクレブス回路にアセチルCoAを介して入れるからだと言われました。
メタノールだとピルビン酸、アセチルCoAを介してクレブス回路に入るので酢酸ナトリウムに比べて呼吸基質として取り込むのに時間がかかるそうです。
その結果、呼吸基質として取り込みやすい酢酸ナトリウムを使った方が脱窒活性がよくみられたんだろうとのことでした。
レスないのでpapaさんのおかげでそれ以外にも脱窒の知識を増やすことができました。もう少し勉強してみます。ご回答本当にありがとうございました!!
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