一般財団法人環境イノベーション情報機構
下水道接続の法的な解釈に関して
登録日: 2007年02月07日 最終回答日:2007年02月13日 環境行政 法令/条例/条約
No.21014 2007-02-07 02:14:09 なんちゃって計量士
下水道接続を河川放流へ切替える事は可能か?
http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=20996
に関連して解説していただければ幸いです。
No.21015 【A-1】
A−2回答のとうりこれは誤解です。
2007-02-07 14:26:22 なんちゃって計量士 (
> A−2回答のとうりこれは誤解です。
小生は
下水道法
(昭和三十三年四月二十四日法律第七十九号)
(排水設備の設置等)
第十条 公共下水道の供用が開始された場合においては・・・遅滞なく、次の区分に従つて、その土地の下水を公共下水道に流入させるために必要な排水管、排水渠その他の排水施設(以下「排水設備」という。)を設置しなければならない。ただし、特別の事情により公共下水道管理者の許可を受けた場合その他政令で定める場合においては、この限りでない。
(使用の開始等の届出)
第十一条の二 継続して政令で定める量又は水質の下水を排除して公共下水道を使用しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、当該下水の量又は水質及び使用開始の時期を公共下水道管理者に届け出なければならない・・・
の解釈に関して、現実に公共下水道の能力の関係で、一部汚水(雨水、雑排水を含めます)を直接河川放流するよう行政指導(まあ、協力してほしいとの申し入れ)を受けて計画を行った経験があり、その時の疑義から、便所の排水以外は、あくまでも御願いして受け入れて頂くのが法の趣旨で有るとの説明を受けましたが、この案件は特別な例外措置と考えるべきなのでしょうか。
当然認可区域内の話です。
No.21017 【A-2】
使用の開始等の届出の法的な解釈に関して
2007-02-07 14:38:01 なんちゃって計量士 (
> そのような条文は下水道法にはありません。
これも同法(使用の開始等の届出)の解釈に関してになりますが、大規模共同住宅の場合、基準流量(50立米)を超えた場合の取扱に関して、開発行為や都市開発法上の協議は必要で有るが、届出としては行わなくとも法令違反としては扱わないとの疑義解釈が有りました。
法令の趣旨として、工場等の下水道に対して大きな影響を与える可能性がある排水の場合には、基本計画との整合(予め計画予測の範疇外の可能性が有る場合の措置)が有るかを事前に協議するために設けられた条文との解釈でした。
つまり「工場などの排水」は「許可が必要(事前に打ち合わせが必要)」と解釈しています。
この解釈は、過誤なのでしょうか。
No.21018 【A-3】
言葉の綾になってしまいますが
2007-02-07 14:56:03 なんちゃって計量士 (
> 裾切り未規制事業所や生活排水に排水基準が適用されないことが水質汚濁のひとつの原因として把握され、これらに対する有効な対策として公費により下水道整備が行われています。
> 法律違反でないことと社会的責任を果たしているとの間にはかなり隙間があります。
「法律違反でないことと社会的責任を果たしているとの間にはかなり隙間があります」
に関しては同意いたしますが
「排水基準を満たした水」
を解釈すれば
「裾切り未規制事業所や生活排水に排水基準が適用されない」
の水とは解釈しないと思いますが。
それよりも、小生としては、大規模な生物処理のみで、混ざってしまうために、希釈されて、排水基準に適合する場合も多く有る事実を考慮すると、個別に、排出場所で処理を行う場合の方が、経済合理性からも良い場合も有る事から、「金額的なメリットが会社に有るのならば試す価値は有ります」と申し上げました。
小生が認可設計、建設工事や改修工事等の御手伝いをさせて頂いた経験から考えれば、本来の受益者負担の観点、訳のわからない不法放流などの追及などの点を考えると、協同組合的(例えば岳南下水道)な下水道は有りえても、工場排水は分離して排出者が責任をとる方が公益になると思います。
No.21025 【A-4】
Re:下水道接続の法的な解釈に関して
2007-02-07 18:21:21 papa (
>便所の排水以外は、あくまでも御願いして受け入れて頂くのが法の趣旨で有るとの説明を受けましたが、この案件は特別な例外措置と考えるべきなのでしょうか。
下水道法第1条(目的)
この法律は、流域別下水道整備総合計画の策定に関する事項並びに公共下水道、流域下水道及び都市下水路の設置その他の管理の基準等を定めて、下水道の整備を図り、もつて都市の健全な発達及び公衆衛生の向上に寄与し、あわせて公共用水域の水質の保全に資することを目的とする。
通常ありえない全く例外的なご説明かと推察いたします。
>つまり「工場などの排水」は「許可が必要(事前に打ち合わせが必要)」と解釈しています。この解釈は、過誤なのでしょうか。
許可とは一般的には禁止されている行為を解除する行政行為ですから、供用開始告示のあった区域での下水道接続は、一般的に禁止されているものではないので過誤と思います。10条但し書きの規定による排水設備設置免除は、一般的には禁止されている行為(接続しない)の解除にあたりますので許可が必要となります。
>工場排水は分離して排出者が責任をとる方が公益になると思います。
ご趣旨には全く同感ですが、現実には排水基準を強制されないケースが多々あり、そのそれぞれに訓示規程で履行を求めても実効性がないことは、諸官庁、諸先輩のご尽力にもかかわらず事実として認めざるをえません。
そういったことから、下水道料金という形で排出者責任のご負担をいただき、処理設備は公費で建設するという政策が環境負荷低減の実効性のあるものとして認めていただいております。下水排除基準違反の監視についても、河川放流よりもかなり厳しい対応をしている自治体がほとんどで、「下水放流なのに厳しすぎる」と筋違い苦情をいただくこともあります。
管路や幹線接続点での有害物質チェックも河川環境基準点よりも高頻度で実施しています。
小学生の社会見学でも生物処理の現状を説明して有害物質の流入防止をお願いしており、お礼の作文にもそのような意見が書かれたものが多くあります。
下水道には何でも流して良いというようなモラルハザードのお話は、一部の学者や団体の方達の現状をご存知ない思いこみに近いものだと思っております。
No.21034 【A-5】
Re:下水道接続の法的な解釈に関して
2007-02-08 00:38:19 いちこつ (
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/743F3FF03672720649256D41000B0A93.pdf
の判例が参考になるかと思います。
なお、健全な下水道施設の発展により公衆衛生を向上させる観点、工場排水の環境負荷の観点の両面をバランスよく検討していかなければならないものと思います。
私見ですが、下水道法にとらわれない地方の特性にあった水質規制、処理場(処理方式)があっても良いのかと思います。
No.21052 【A-6】
Re:下水道接続の法的な解釈に関して
2007-02-08 23:58:40 マッシー・ナナ (
No.21015について
H13.11.30の静岡地裁の判例が出てから、行政も但し書きの運用については及び腰です。私的には、下水道行政が元来、市町村の業務とされていますので、「いちこつ」さまのお答え同様に地域ごと、事例ごとに異なった対応が行われても良いと思います。また、水質規制事務は、強制的に事業場に負担を強いるものでありますことから、地域により不平等が生じないように配慮することも必要かと思います。
No.21017
下水道逐条解説によれば、法10条の2、政令8条の2は、もっぱら下水道の管理者が公共下水道を維持管理していくために必要として設けられた条項なので、協議のあるなしにかかわらず届出を行うべきでしょう。それは工場排水も同様と考えます。
No.21018
流域下水道が計画された昭和40年代、東大の中西準子先生が質問者と似たような解釈から工場廃水の下水道受け入れについて疑問を呈しておいでだったと聞いています。その後、下水道法にも特定施設の規制制度が導入されたことから、論点が流域下水道と個別下水道(小規模下水道)との経済性に移り、工場廃水の方はうやむやになってしまいました。 今では、工場廃水全般に対し公共水域への直放を支持する意見はほとんど聞きません。直放の理屈は分かるのですが、分流式下水道が普及した今日では、雨水管(公共用水域)に、未処理の工場廃水を流されたら、それこそ筒抜けです。心情論よりも、その場合はどのような監視方法が取れるかを話し合うことも大切ではないでしょうか。
No.21058 【A-7】
Re:下水道接続の法的な解釈に関して
2007-02-09 11:22:14 なんちゃって計量士 (
始めに、御回答頂きまして、誠に有難う御座います。厚く御令申し上げます。
すみません、流域下水道云々の生き残り世代です。
本省でも、実際の運用は、暫定等の言葉を使用して居りますが、地域の実情に合わせた運用を目指す方向に動いて居ると考えて居ります。
現に、水道は責任技術者が国家資格になるのに合わせ、全国一律運用の方向になって居ますが、下水では精々都道府県単位以上の統合は行われようとしません。
これは、地域性を考慮しないで下水道が成立しないと考えているからと思います。実際の機器や器具、材料の多様性を考えると、水道の技術者の統合よりも、下水道技術者の統合の方が容易に、外からは思えるのですが、実際の運用は見た目以上に多様性に飛んで居ると思います。
所謂、下水道の事前協議三桁以上の経験を踏まえて申し上げますと、雨水の流出係数の調整、時間当最大排出量の調整、ピークカットのための夜間放流、など、地域の実情に合わせ肌理細かく対応する必要が有り、一律に指導基準は作製できないことが解ります。(給水量に関しては、有る意味上水も同様ですが)
場合によっては、樋門、樋管の設置や、揚水ポンプ場の設置が必要で、下水道だけでなく、県や国の河川との協議が絡むようなこともあります。
第十一条の二は、事務手続き上は届出となって居ますが、実際には届ければ必ず受付けなければいけない事項ではなく、行政指導の名を借りた許認可事項と認識して居ます。法的な正しさ云々でなく、使用者が客で有れば何でも言うがママでなく、必要な条件は付けますとの意味で、小生はごく日本人的な運用かも知れませんが、略うまく運用されて居ると認識しております。
十条但し書きも同様にケース毎の判断しか出来ないと思います。
No.21061 【A-8】
雑談のような話になりますが
2007-02-09 14:30:29 なんちゃって計量士 (
沢蟹の密度が高く、普通では考えられないほどの数を見つけ、喜び勇んで、多量に採取して持ち帰りました。(ジストマは怖いですが、戦中戦後食したザリガニのように、キチンと熱を通せば平気です)
後で気が付いたのですが、この沢には、先ほどの一件宿の雑排水が流れて居り、それを餌として豊富な生態系を維持していたのです。
この家は、江戸時代から数百年、この山間地に生活し、長い時間をかけ、この場所に豊かな(人工的な)生態系を維持する主原因となって居たのです。
果たして、この家の雑排水が無くなってしまうと、この生物相はどう変わって行くのでしょうか。それなりに安定した相になるでしょうが。
この家と尾根一筋離れた谷には、古くから有名な三軒の集落が有りましたが、皆山から下りられてしまったので、そこにはすずめも来なくなりました。(その代わり、山鳩が居ましたが)
(実を申せば、この話には後日談がありまして、次の日に沢蟹を楽しみに家に帰ると誰も居りませんでした。夜遅く、嫁と子供たちが帰って来て、蟹を元居た川に返しに行ったそうです。蟹の恩返しは有りませんでしたが、自分で採取したり、飼っていた家畜を自ら食べた事の有る生活経験がある小生と、都市生活で生きた物を食して居ることに間接的にしか携わらない嫁との生活観の違いに気づき、子供の教育に関して、一考させられた出来事です。)
No.21125 【A-9】
Re:下水道接続の法的な解釈に関して
2007-02-12 19:21:32 火鼠 (
No.21126 【A-10】
切れてとは?
2007-02-12 20:04:51 なんちゃって計量士 (
はてさて、文面が険しくなって居りますか?
小生、怒ってなど居りませぬ。
御答え頂いた、papa殿もいちこつ殿もマッシー・ナナ殿も御同様と考えて居りますが、他の方は如何でしょうか?
御間違え頂きたくないのは、なぜ、スレッドを替えて再質問を行ったのかです。
他人のスレッドに対して失礼なことを行いたくなかった事も有りますが、それより、小生の経験はあくまで小生だけの事、御回答頂いた方は小生よりは御若いようですが、豊富な経験と実務に支えられた御経験をお持ちです。
良く考えて頂きたい。此処で如何なる合意を得ようが、裁判の証拠に使える訳でなく、協議の時の資料としても提出できる事など有りません。しかしながら、周囲の状況、協議相手との関係など条件が異なった場合の考え方を御教え頂けるのです。
真摯な御答えを頂いた事に感謝しております。
実を云えば、新しいスレッドを起こそうと文案を練って居る時に回答が飛び込んできましたので、若干興を削がれました。
このスレッドは若干尻切れと未だ感じて居りますので、〆切には若干の猶予を頂きます。