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環境Q&A

試料分析時のペルオキソ二硫酸カリウムの使用について 

登録日: 2006年10月04日 最終回答日:2006年10月09日 水・土壌環境 水質汚濁

No.18821 2006-10-04 11:11:11 元分析屋

はじめまして、兵庫県で昔環境分析に係わる仕事をしていたものです。

 分析をしていた頃の昔話ですが、気になっていることがあるので質問をさせて下さい。
それは下水試料や、下水処理場の脱窒、硝化槽の試料なのに、総和法ではなくて、ペルオキソ二硫酸カリウムを使用する方法が指定された条件での分析依頼があったことです。

 JISK0102−45の全窒素では、ペルオキソ二硫酸カリウムを使用するときの条件には「試料中の有機物が分解されやすく少量である場合に適用する」と書いてある。
 先輩より渡されていた、昔環境庁の時に発刊された本の各種窒素化合物の回収率の表を見せたり、希釈倍率が大きくSS分が入りにくいので精度が悪いとは言ったのですが、その度に依頼により異なりますが次のような理由で説得されました。

1.既に、今までの入札で他の業者がこの方法で分析をしてしまっているので今更、総和法に戻すと辻褄が合わなくなる。
2.自動分析計の値に数値を合わせるため方法を合わせてほしい。
 (納入メーカー自身からの依頼も有り)
3.該当下水処理場で自動分析計とは別に試験室で管理分析をしているが、ペルオキソ二硫酸カリウムを使用する方法でしているので、方法を合わせてほしい。
4.下水内の管理分析だから傾向を見るだけでいい。
5.入札時の条件でそうなっている。

内容的に、ここのルールの「回答に対するお礼:」を書きにくい質問ですが、他の都道府県の地方自治体又は下水道事業団でもこのようなことが起きているのでしょうか?

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No.18826 【A-1】

Re:試料分析時のペルオキソ二硫酸カリウムの使用について

2006-10-05 12:17:57 papa

特別な機材も不用であり、簡便であり、そこそこの状況把握ができるので便利な方法ですから、ICも併用しながら窒素形態の動向を把握するために処理場では常用しています。
溶存形態の有機態窒素はわずかなので、汚泥混合液のろ液について測定を行なってます。処理工程における溶存窒素の主たる形態はNH3とNO3ですからT-Nを把握するのは補助的なものです。下水試験法には酸化態窒素の簡便法などもあります。
処理プロセスにおける分析は絶対値の正確さよりトレンドや形態比率を把握するのが主たる目的ですので、発注側から見るとご質問の4が理由と思います。
分析値の正確さだけにこだわるよりも、どういう理由でデータを必要としているかを把握することも必要かと思います。

回答に対するお礼・補足

apaさん回答ありがとうございます。

 でも気になることが、ありまして、処理場内の管理分析として採用されるところが増えていることも知っていて、質問の4が理由のケースならまだ納得でするのですが。
(尚、1から5は複数の依頼の作業時における指示です。)

 こわいのが2が目的のケースなのです。
 工場排水(下水へ行くので公共用水域外ですが)の自動排水観測計に使用するのにしても処理場の納入実績があるというので採用されてしまい。
 相関・検量線の傾き検証チェック分析なのに、方法指定があることに気づかず、明らかに有機物が多い試料だったので総和法でやってしまって(難分解性の窒素化合物の分)高い値を出したら分析値が高くなった。客先指定方法と違う方法(ペルオキソ二硫酸カリウムを使用する自動分析計と同一方法)で行った事が原因だとクレームとなり、再発防止策(その案件では総和法ではしない)が取り決められ、内心回収率が低いのにと思いながら測定をすることになってしまう依頼が増えた現実です。
 自動分析計と同じ方法でJIS番号も45の2番以降はつきますが、傾向的に低く出るということを知っているか知らずがは現場へ情報は入りませんが、自分が昔風の職人気質のせいかもしれませんが幻の値が出ていくことが気になっています。

 それと処理場の担当者が代わったときに、4の管理分析の参考値位であることが引き継がれずに何かの拍子で、有機体窒素やケルダール窒素を測定して、次の担当者から全窒素と辻褄が合わないと指摘される事も出てきまじめました。

No.18864 【A-2】

Re:試料分析時のペルオキソ二硫酸カリウムの使用について

2006-10-09 16:10:06 papa

管理分析では分析値にバイアスがかかっていても、そのことを想定している場合は不都合はありません。
処理場では無機態窒素を他の方法で把握しているので、1〜5のいずれの理由でも差し支えないと思います。
部分的な分析値のみにこだわりすぎると、「木を見て森を見ない」ことになります。
総和法との差違を云々するような処理場職員では、データの意味を理解して運転管理をするほどの技量はないと思いますので、簡単な説明文書を添付して報告すればいかがかでしょうか。

回答に対するお礼・補足

papaさんありがとうございます。

T−Nの項目だけにこだわらず、全体を見て判断するのですね。

管理分析ということで割り切ることにします。

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