活性汚泥法と散水ろ床法に関して
登録日: 2006年09月05日 最終回答日:2006年09月07日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)
No.18296 2006-09-05 06:13:31 アイネス
はじめまして。私、下水処理の勉強をしているものです。
活性汚泥法と散水ろ床法に関して質問です。
この2つのシステムが完全に停止した場合、どれくらいの期間で破綻し、その後、通常の処理性能まで回復させるにはどの程度の期間を要するのでしょうか?もちろん、完全停止などの事態が起こらないように対策をするのが当たり前なのですが・・。
何かよい文献なども教えていただけると大変助かります。宜しくお願いいたします。
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No.18304 【A-1】
Re:活性汚泥法と散水ろ床法に関して
2006-09-05 21:44:17 papa (
>何かよい文献なども教えていただけると大変助かります。
下水処理の勉強をしてるなら、ベンチスケールでも実際にやってみるしかないでしょう。学生ならそういう条件にも恵まれてるはずです。残念ながら文献はまず見つからないでしょう。(就職試験が終わって卒論が近くなるとこういった手近な?質問が多くなりますね)
停止した処理施設を復旧させる手法はいろいろあって、運転条件、設備条件により様々です。それに、散水濾床は今では下水処理には皆無に近い状態ですから、そういったテーマを学生に与える指導教官の意図が読めません。まだ間に合いますから、化学工学や生物化学を基礎からやり直したほうがいいと思います。
生物処理では一般的にはSRTの3倍くらいの期間があればたいがいの運転操作は可能です。どうしてそうなのかはご自分で考えてみてくださいね。
回答に対するお礼・補足
ご回答有難うございます。papaさんのおっしゃるとおり簡単に答えに辿り着こうと考えておりました。ありがとうございました。それと、気を悪くさせてしまい、申し訳ありませんでした。
No.18305 【A-2】
Re:活性汚泥法と散水ろ床法に関して
2006-09-05 22:08:10 aqua-play (
活性汚泥法ならばっ気が止まって流入汚水も無い状態、散水ろ床法なら流入汚水が
止まって、ろ床が乾燥した状態かな?
現段階でそれを知る意味が分かりません
回答に対するお礼・補足
返信ありがとうございます。
これは、途上国におけるトラブルを想定しております。aqua-playさんがおっしゃるように、活性汚泥法ならば流入汚水、曝気も止めた状態。散水ろ床法は、流入汚水が止まった状態です。
No.18313 【A-3】
Re:活性汚泥法と散水ろ床法に関して
2006-09-06 11:40:10 クマムシ (
活性汚泥法は、電力が安定して供給されることを前提としていますから、そのへんから考えないと意味がありません。
また、下水処理場への流入が止まることはあっても、生活排水の排出が止まることはありません。下水処理場に流入できなかった排水は何処に行くのでしょうか?そういうことも考える必要があります。
まずは、「下水処理場」は、下水道システムの複数ある要素の一つであり、それらの複数ある要素のうちのどれか一つが機能しなくなっても、下水道システムは破綻するということを理解する必要があると思います。
回答に対するお礼・補足
ご回答ありがとうございます。
クマムシさんのおっしゃるとおり、電力供給の問題がございます。しかしながら、途上国では活性汚泥法をUASBの後段処理として用いた現状としてございます。
ですので、活性汚泥、散水ろ床法が完全停止=下水処理場全体が機能しない場合、どの程度の期間までシステムはもちこたえることができるのかな、また、回復にはどの程度の時間を要するのだろうか?と疑問を抱いたわけです。
No.18315 【A-4】
Re:活性汚泥法と散水ろ床法に関して
2006-09-06 13:01:35 papa (
そういう前提なら少し違った観点から回答ができます。
機器とユーティリティーの復旧ができれば、熟練技術者にとっては生物処理工程の復旧は大した期間は必要ないので、処理場をサポートする人的、物的条件を検討したらいかがでしょうか。
基本の水理設計で、処理区域と処理場における流下方法をすべて自然流下とするよう設計を行なうことも非常時では大切なことです。日本でも即応体制構築が困難な山間地処理場ではそういった配慮がなされています。これは、正確に地形を把握し、処理区と処理場の位置を適切配置することが必要になります。
そのほか、処理場だけをとっても、処理系列の分割、機器予備機の配置、運転要員の訓練、機器サポート体制の構築、などハード、ソフト面でのシステム作りが必要であり、生物処理工程の復旧などはシステム全体では補助的なポジションを占めるに過ぎません。
経験上ではOD処理場の災害時に、正味2日間程度の全停止で、復旧後に通水して全く障害がなかったというのが最長のものです。
回答に対するお礼・補足
ご回答ありがとうございます。
違った視点からの見方ができ感謝しております。
やはり、完全停止といった最悪の事態を回避することが重要であり、活性汚泥法などでそういった事態が起こったこと稀、むしろ起こった事例がないのだなと察しました。ありがとうございます。
No.18317 【A-5】
Re:活性汚泥法と散水ろ床法に関して
2006-09-06 13:11:47 あお (
活性汚泥槽は沈殿池として利用することにより、多少でも綺麗な水を排出しつつ、活性汚泥を系内に維持するというような事をやってますよ。
供用率や運用時の活性汚泥濃度など、運転条件によっても変わってくるし、
槽構造が多重であればあるほど、安全度は高まってきますよね。
また、システム停止の原因がただ単に人為的な停電で、負荷条件が通常の状況なのか、
天災などによるシステム停止であれば、水量や負荷条件も違ってきます。
水量や負荷条件が極端に違うのであれば、
CSO発生時のように、そもそも処理場に流入させないで機能維持を図るというケースもありえます。
検討にあたり、なぜシステムが停止せざるを得ないのか、とか
システム停止時の諸条件などを整理してみる事です。
また、学生さんなのであれば、学生の特権を使って、
実際に処理場などに出向いて、維持管理の状況を勉強させてもらったらどうですか?
その場合にも、ただ漠然と質問をするのではなく、
ちゃんと目的と条件を絞る事は必須だと思いますが。
回答に対するお礼・補足
ご回答有難うございます。
実は、実際に途上国の下水処理場に見学に行ってまいりました。そこは、UASB+活性汚泥法を主としたシステムでした。その際に頻繁に電力供給の停止がおこり、長いときですと24時間続けて起こったりもすると話を伺いました。そこには、最低限維持するための発電機などもなかったものですから、疑問を抱いた次第でございます。
No.18328 【A-6】
Re:活性汚泥法と散水ろ床法に関して
2006-09-06 18:19:46 aqua-play (
場合が多いと思います又保守も常駐管理でトラブルも少ないし、あったとしてもすぐに対処
出来ると思います
ただ当方が関わっているのは浄化槽で広い意味では下水処理施設ともいえなくもありませんが
浄化槽である程度、規模の大きなものは常駐管理で発電設備や予備の機械装置・非常通報装置
などありますが、一般的なもの中規模・家庭用浄化槽となると保守回数も短くで一週間に一回
長くて四ヶ月に一回になるのでブロワー・ポンプが何らかの異常で止まっていて次の点検まで
だれも気づかない時がまれにあります
活性汚泥方式や接触ばっ気方式の浄化槽ではブロワーが長期間止まっていると大変なことに
なります、ブロワーがと止まっているのを気づいてあわてて修理復旧送風させるとまず、ものすごい
悪臭を発生させます、家庭用浄化槽なら先に汲み取りをしてから送風するてもありますが
中規模浄化槽だと予算がかかりすぎるので無理、悪臭を我慢してもらって1〜2日くらいで
臭いが消えます、水質はブロワーが復旧してから一週間ほどで回復する様です
ブロワーが停止する時間で復旧時、臭気が発生するなど処理に著しく影響がでてくるのは短くて
2〜3日くらいだと思いますそれ以上になると相当の覚悟が要ります
このことは当方の経験的なもので条件が違えば又結果も違うかもしれませんあくまでも
程度の低い参考です
回答に対するお礼・補足
ご回答有難うございます。
データが見つからない、私の現状からしますと、大よそとはいえ大変参考になる経験談でした。どうやら、そういったトラブル事態も稀であることからデータを得ることは非常に難しいのだと察しました。有難うございました。
No.18331 【A-7】
Re:活性汚泥法と散水ろ床法に関して
2006-09-06 20:32:41 papa (
インフラの整った日本でさえ山間地の処理場では自然流下の水理設計でOD処理場を建設してるのに、途上国でUASB-活性汚泥処理とは驚きました。基本設計の常識をはずれてます。
自然流下で一沈のない処理場なら、停電が数日続いても、ポンプが動かなくとも、利用者に迷惑をかけることもないし、復旧にもほとんど困ることはありません。
こういった処理場をどうこう議論するより、処理場設計の基本的な考え方を改める必要があるのではないかと思います。
回答に対するお礼・補足
ご回答有難うございます。
papaさんのコメントから途上国には優秀な技術者が少なすぎるのだなと改めて感じさせられます。違う視点から参考になりました。
No.18333 【A-8】
Re:活性汚泥法と散水ろ床法に関して
2006-09-06 20:57:45 クマムシ (
そういうことでしたら、「活性汚泥は、曝気を停止した無酸素状態に何時間耐えられるか?」と質問すれば良いのです。
>>UASB+活性汚泥法を主としたシステムでした。
それは、産業排水ではないですか?
UASBは、普通(今のところ)、生活排水よりもずっとずっと高濃度の産業排水の処理に使われる処理法です。
生活排水だとすると、電力供給量が不十分かつ不安定ということと、UASBの消費電力が少ないことを考え合わせた上で実験的に導入したのかもしれません。
どんな処理施設なのか詳細を知りたいところです。
回答に対するお礼・補足
ご回答有難うございます。
まず、質問の仕方が悪く申し訳ありませんでした。
次にUASBに関してですが、高濃度排水へ適応させているのはおっしゃるとおりです。しかしながら、特にブラジルやインドの途上国を中心に下水処理への適用が進んでおります。
本題に戻りますが、活性汚泥は、曝気を停止した無酸素状態に何時間耐えられるのでしょうか。宜しくお願いいたします。
No.18363 【A-9】
Re:活性汚泥法と散水ろ床法に関して
2006-09-07 19:58:09 筑波山麓 (
質問を読ませていただきました。「質問」や「お礼の内容」から判断すると、あなたは、礼儀正しく、誠実な人柄のように感じました。
質問内容から判断するに、EICネット上で個人に聞かれるよりも、下記に紹介する協会、企業の広報部に、氏名、所属、目的をつげて、質問されることをおすすめします。あなたの質問内容から判断するに公益性が高く、低開発国への技術援助という、企業が喜んで回答する「キーワード」が含まれております。
いまや、企業も利益だけでなく、社会性、公益性が強く求められている時代です。数社に、質問されれば、適切な回答が帰ってくる可能性が高いです。
回答があり、論文を書かれたら、論文上で、回答を下さった企業、所属、回答者に感謝の意を伝えられれば、十分に回答に報いることもできます。
日本下水道施設協会
http://www.siset.or.jp/doubutu/menu.htm
神戸製鋼グループ
http://www.kobelco.co.jp/ecobiz/list/1174191_2444.html
栗田工業株式会社
http://www.kurita.co.jp/products/standard/category_06_02.html
潟^クマ
http://www.takuma.co.jp/index.html
オルガノ株式会社
http://www.organo.co.jp/
宮崎県家畜排せつ物浄化処理施設整備推進検討委員会の活性汚泥の理論
http://miyazaki.lin.go.jp/osui/osui_manual/manual_osui_1.html
なお、上記の企業は、私がインターネット上で企業規模、ホームページの内容から、適切と判断し、あげたものです。他にも適切な企業があるかもしれませんので、前もって、お断りしておきます。
回答に対するお礼・補足
ご回答有難うございます。
まず、お褒めのお言葉有難うございます。
なるほど。こういったことは企業や協会に直接聞いても差し支えのないのですね。とても参考になります。
わざわざ、時間を割いてまで企業もお調べいただき、感謝しております。今度は、しっかりと質問を自分の中で整理した上で、企業や協会に伺ってみます。本当にありがとうございました。
No.18365 【A-10】
Re:活性汚泥法と散水ろ床法に関して
2006-09-07 20:45:20 クマムシ (
すでに、papaさんやaqua-playさんが解答されていますので、もう一度読み返してみてください。
下水処理のテキストには、生物学的脱窒・脱リン法や回分式、供用開始直後の運転などの、曝気しない運転について解説されていますので、もう一度、読み返してみてください。
また、阪神淡路大震災、新潟中越地震において、下水道がどのような状態になり、どのような対応が取られ、どのように復帰したか、についてのレポートが出ていますので、図書館で探してみてください。
回答に対するお礼・補足
ご回答有難うございます。
papaさんやaqua-playさんの質問よりも、クマムシさんの質問に早く答えてしまったため、あのような内容になりました。
これから、さっそく図書館に行き調べたいと思います。ご丁寧にありがとうございました。
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