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環境Q&A

環境庁「猛禽類保護の進め方」の解析方法について 

登録日: 2006年08月22日 最終回答日:2006年08月24日 自然環境 野生動植物

No.18035 2006-08-22 03:13:58 922

「環境庁(1999)猛禽類保護の進め方」について分らないことがありますので、ご説明頂ける方、ご回答宜しくお願い致します。
@「相対的出現値」とは具体的にどのようなことでしょうか。
A同じ個体がメッシュ内を数回出入りした場合の「出現値」は1と数えるべきなのでしょうか。あるいはその出入りした回数を数えるべきなのでしょうか。
Bこの解析方法は営巣地が確認されていることを前提としているのでしょうか。

初歩的な質問で恐縮ですが、宜しくお願い致します。

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No.18063 【A-1】

Re:環境庁「猛禽類保護の進め方」の解析方法について

2006-08-24 09:03:18 環くん

猛禽類調査の専門家ではありませんが、
「猛禽類保護の進め方」のp49-50を読むと、
以下のような解釈ができると思います。

まず1と2の質問についてですが、
p49の「ア.行動圏」で、
「つがいの全ての飛行軌跡やとまり場所を地図上に記入し」
とあります。
この調査を元に、次の「ウ.営巣期間利用域」を算出します。
つまり、調査から解析の一連の流れをまとめると、
1.定点から観察して飛行軌跡や止まり場所などを地図に記録
2.この地図を元にメッシュ図に出現数を落とす。
3.「メッシュ当たりの出現回数をメッシュごとの観察日数
 (あるいは観察時間)で除し(p49)」て「相対出現値」を算出する。
4.相対出現値の平均値以上の区域を「高利用域」とする。
こう考えると、2の回答は「そのメッシュ内に個体が入ってきた回数」ということになりますね。

そのうえで3の質問に答えるとすると、
そもそもここで述べられているのは、
上記の通り「繁殖期の行動圏」を調査する方法ですから、
きちんと行動圏全体を調査しているのであれば、
必ず営巣場所は含まれます。

とはいえこの「猛禽類保護の進め方」に書いてあるのは、
代表的な猛禽類3種における、
一般的な調査・解析手法の一例にすぎませんので、
対象種・場所によっては、この方法が適切でないこともあります。
具体的な調査設計をするのであれば、文献だけに頼らず、
猛禽類の専門家にアドバイスを求めた方が良いと思います。

回答に対するお礼・補足

環くん様。
体系的なご回答、有難うございました。参考にさせて頂き、今後の調査に役立てようと思います。
今後もEICネットを通してご質問することがあると思いますが、その時もまた宜しくお願い致します。有難うございました。

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