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環境Q&A

六価クロムの分析方法 

登録日: 2006年05月08日 最終回答日:2006年05月08日 水・土壌環境 水質汚濁

No.16388 2006-05-08 06:06:49 MS

排水中の六価クロム濃度の測定の試みとして,JIS K 0102 65.2.4(三価のクロムを除去し,ICPでクロム濃度を測定する方法)のチェックを行いましたが,以下のような状況となりました。

・三価クロム溶液(金属クロムを硝酸で溶解)で試したところ,三価クロムが完全に除去できていなかった。
・六価クロム溶液(クロム酸カリウムを水に溶解)で試したところ,回収率が低かった。

この原因についてどなたかご教示いただけないでしょうか?

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No.16394 【A-1】

Re:六価クロムの分析方法

2006-05-08 23:40:45 筑波山麓

>排水中の六価クロム濃度の測定の試みとして,JIS K 0102 65.2.4(三価のクロムを除去し,ICPでクロム濃度を測定する方法)のチェックを行いましたが,以下のような状況となりました。
>
>この原因についてどなたかご教示いただけないでしょうか?

JIS K 0102 65.2.4(備考15、三価のクロムを除去し、ICPで測定する)の方法は、操作に熟練を必要とします。注意点をいくつかあげますので、心当たりがあったら改善してください。

>・三価クロム溶液(金属クロムを硝酸で溶解)で試したところ,三価クロムが完全に除去できていなかった。

1.「………アンモニア水(1+4)を加えて微アルカリ性とした後、………」で、加えるアンモニア水は過剰にならないように注意する。大過剰になるとCr(NH3)6 3+ の錯イオンが生じ、水酸化クロム(V)の沈殿は生成し難くなる。

2.水酸化物沈殿生成の際のアンモニア濃度は共沈捕集率に影響を及ぼし、低いほど良い(pH8以上で三価と六価を分離できる)ので、通常アンモニア臭がなくなるまで煮沸し、その過剰を除くこと。

>・六価クロム溶液(クロム酸カリウムを水に溶解)で試したところ,回収率が低かった。
>

3.温浸した液を長時間放置すると、クロムの一部は3価に還元され、水酸化物として沈殿し、損失する恐れがあるので、できるだけ速やかにろ過操作を行う。


ほかに、以下の点に注意してください。
4.六価クロムは酸性では強い酸化剤であるから、有機物などと反応して三価に還元されることがあるので、複雑な試料では誤差が生じやすい。

5.EDTA共存下でクロムは凝集沈殿で捕集されにくい。

6.試料の性状その他により、回収率が大幅に低下する可能性がある。定期的に、添加回収試験等により回収率を確認する必要がある。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。ご教示いだいた点を留意し,分析を行ってみます。

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