環境Q&A

No.16347 【A-1】

Re:染料した生地中の六価クロムの定量

2006-05-02 09:12:34 isisan （

生産工程で水道水をそのまま使用している場合は六価クロム
が生成している可能性は無いとは言えないと思います。
あくまでクロムの一般的な特性としての話ですが，強い酸化
剤である塩素によって三価クロムが六価クロムになる場合が
あります。

測定が誤っているという可能性としては全クロムを測定して
六価クロムとみなしている場合があります。
蛍光Ｘ線分析などの場合は全クロムを見ています。
この方法は全クロムをみて基準以下なら六価クロムも基準値
以下であると判断するための簡易分析ですね。
六価クロムを定量するには吸光光度法やイオンクロマトグラ
フ分析をつかうことが普通です。
測定に採用した方法を確認されると良いかと思います。

専門の検査機関が素人に指摘されるようなミスをやっているとは
考えにくいのですが，前提条件で勘違いがあるかも・・・？

No.16370 【A-2】

Re:染料した生地中の六価クロムの定量

2006-05-05 08:54:40 筑波山麓 （

六価ｸﾛﾑをどの前処理、測定法で行われた分からないので解答するのが難しいのですが。もし、蛍光Ｘ線測定でしたら、「isisan」の言われるとおり全ｸﾛﾑです。検査機関の報告書に測定方法が記載されているので、そこを確認してください。ｼﾞﾌｪﾆﾙｶﾙﾊﾞｼﾞﾄﾞ吸光光度測定、または溶媒抽出−原子吸光測定法ならば六価ｸﾛﾑを測定しています。

また、六価ｸﾛﾑ測定のために前処理が行われており、その前処理法には「熱水抽出（JIS H 8625、測定方法も含む）」、「塩水抽出(某自動車ﾒｰｶｰが採用している)」、「ｱﾙｶﾘ液抽出(EPA 3060A)」などなど種々ありますので、前処理法も確認して下さい。

染色した生地中の六価ｸﾛﾑですので、前処理後の検液が着色していた可能性があります。着色の度合いが大きければ、吸光光度法では測定困難または不能ですので、溶媒抽出−原子吸光測定法等で行なう必要がでてきます。いずれにしても、報告書の記載内容を確認し、検査機関に確認することをお奨めします。

また、三価が六価ｸﾛﾑに、六価が三価ｸﾛﾑになる可能性はあります。以下は、土壌中の六価ｸﾛﾑ測定法(EPA-3060A)の邦訳を掲載しているﾎｰﾑﾍﾟｰｼﾞですが、ここに、測定上の注意点として、土壌の性状により三価が六価ｸﾛﾑに、六価が三価ｸﾛﾑになる可能性について言及されておりますので、拙訳ですが、参考までにご覧ください。
http://www3.ocn.ne.jp/~tukubasa/

No.16382 【A-3】

Re:染料した生地中の六価クロムの定量

2006-05-08 09:24:27 斎藤 （

同業者ですが、ちなみにどのタイプの染料を使われたのか分かりませんが、染色時のクローミングは行っていますか？（重クロム酸カリなどで）。この場合、六価になるので酸性亜硫酸ソーダ等で六価→三価にする処理が必要ですよね。私もそんなに詳しい方ではないですが過去の経験上で似たような事がありましたので。