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環境Q&A

廃油中のシアン 

登録日: 2006年03月30日 最終回答日:2006年04月06日 ごみ・リサイクル 産業廃棄物

No.15862 2006-03-30 12:10:11 ヤマダ

廃油や溶剤中のシアンを調べたいのですが、どのような方法で、分析したらよいでしょうか?

排水などと同じように、蒸留してシアンは留出されるでしょうか?ちなみに溶剤だと先に溶剤が出てきてしまいます。

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No.15902 【A-1】

Re:廃油中のシアン

2006-03-31 18:57:35 筑波山麓

>廃油や溶剤中のシアンを調べたいのですが、どのような方法で、分析したらよいでしょうか?
>
>排水などと同じように、蒸留してシアンは留出されるでしょうか?ちなみに溶剤だと先に溶剤が出てきてしまいます。

(社)日本環境測定分析協会発行の産業廃棄物分析マニュアル157頁の5)備考に、試料(溶出液中)に多量の油脂類が含まれている場合の方法として、「蒸留前に、あらかじめ試料に酢酸または水酸化ナトリウム溶液(2g/L)を加えてpHを6〜7に調節し、分液漏斗に移しいれる。試料に対し約2vol%量のヘキサンを加えて静かに振り混ぜたのち、放置して油脂類を分離する。この溶液について、蒸留を行ってシアン化物イオンを分離捕集する。」とあります。以前、私の部下がこの方法で食堂排水(排水中に油脂類が1cmほどの厚さで含まれていた)のシアン蒸留を検討したとき、ヘキサン抽出後の排水からのヘキサンを完全に除去すれば、かなり良い回収率であったという報告を受けています。一度、試されてみたらどうでしょうか。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。
ぜひ試してみます。
サンプルはほぼ、油(ほぼ水層がない状態)で、水とはしっかり分離するのですが、たとえば、試料に、水を加えて、この操作をした場合、水層にシアンは移ってくれるものでしょうか?

>ヘキサン抽出後の排水からのヘキサンを完全に除去すれば、かなり良い回収率であったという報告を受けています。
とのことですが、ヘキサンを完全に除去するポイントもよろしければ、教えてください。よろしくお願いします。

No.15960 【A-2】

Re:廃油中のシアン

2006-04-05 21:15:43 筑波山麓

>廃油や溶剤中のシアンを調べたいのですが、どのような方法で、分析したらよいでしょうか?
>
>排水などと同じように、蒸留してシアンは留出されるでしょうか?ちなみに溶剤だと先に溶剤が出てきてしまいます。

回答が遅れて申し訳ありません。このような場合、技術データとしてまとめておくのですが、このとき、新事業の立ち上げ時期と重なり、忙しくしていて記録しておりませんでした。それで、旧部下に問い合わせたのですが、旧部下が退職しており、ヘキサンをどのように完全に分離したかが当人に確認できませんでした。ただ、同僚が言うには「撥水性ろ紙」を使用したのではないかということでした。
また、(社)日本環境測定分析協会発行の産業廃棄物分析マニュアル157頁の文意からヘキサン抽出される油脂類にはシアンが含まれないと考えられます。ただし、これを裏付けるデータ、資料はありません。
この本の著者に確認されることをお勧めします。

回答に対するお礼・補足

いろいろ調べていただき、ありがとうございました。

早速やってみたところ、油分はヘキサン抽出で、ほぼ除去できたようでした。しかし、水溶性の溶剤が水層に残ったようで、なかなか手ごわいです。
蒸留過程で、シアンが生成されてそうで・・・
なんかいい方法はないものでしょうか・・・?

No.15979 【A-3】

Re:廃油中のシアン

2006-04-06 21:04:39 筑波山麓

今から説明する方法は決してベストではありませんが、少しはベターでお役にたつかもしれません。また、すでに実行されているかも知れませんが説明します。
また、このやりとりを見ていられる方でもっと良い方法がある方は教えてあげてください。
それは、以下の手順ですすみます。

@試料をヘキサン抽出→蒸留→発色・測定する。

A@と同量、1/4量、4倍量(4倍量が無理でしたら濃縮するまたは2倍量)の試料にシアン標準品を添加する→ヘキサン抽出→蒸留→発色・測定する(添加回収試験)。

B試料単独の測定値が「不検出」で、これらの3本すべての回収率が100%前後(85〜115%)であったら、「不検出」と報告する。

C試料単独の測定値が「検出」で、これらの結果の回収率がすべて100%前後(85〜115%)、かつ下記のDおよびEに該当しないときは、試料のシアンの吸光曲線をプロットし、標準液の吸光曲線とピークの形状が一致することを確認し、一致したら「測定値」を報告する。

D回収率になんらかの傾向、4倍量→同量→1/4量の順番に測定値が低くなったり、高くなる傾向があれば、何らかの妨害、その他が影響しているので、回収率およびその影響の度合いを評価する。

E3本の回収率の1本でも上記範囲超のときは、何らかの妨害、その他が影響しているのでその影響の度合いを評価する。

FDおよびEのときは、その影響の評価から他の測定方法または現行の測定方法の改良を検討する。

以上です。もし、時間的余裕があれば、他の手法も利用可能(妨害物質の同定および影響を検討するなど)でしょう。

回答に対するお礼・補足

ありがとうございます。
とても参考、勉強になりました。
また、いろいろと検討してみたいと思います。

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