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環境Q&A

非飛散性アスベストの撤去作業に伴う排水の処理方法について 

登録日: 2006年03月24日 最終回答日:2006年05月01日 ごみ・リサイクル 産業廃棄物

No.15760 2006-03-24 06:25:41 新米監督員

皆さんにお伺い致します。

このたび、いわゆる「非飛散性アスベスト(=石綿含有建材)」のみを含んでいる建築物の解体工事を行なうことになりました。

そこで、環境省策定の「非飛散性アスベスト廃棄物の取扱いに関する技術指針」を参照したところ、非飛散性アスベストを処理する際、散水等によって湿潤状態にしたうえで撤去作業にかかるとありました。しかし、この指針には、撒水した場合の水の処理方法については具体的な記述がなかったため、どうすればよいのか困っています。

補足で申し上げますと、大阪府などは、平成18年1月1日に「大阪府生活環境の保全等に関する条例」が改正され、その概要をまとめたパンフレットには、例え非飛散性のアスベストのみであったとしても、アスベストを含んだ水については適切に処理する必要がある、としていますので、この種の水の処理は社会通念上必要、というのではなく、「義務」として考えなければならない状況のようです。

因みに東京都策定の指針においては、吹き付けアスベストに関するものではありますが、石綿を湿潤化するために行う散水その他の措置により石綿を含む水を排出するときは、ろ過処理その他の適切な処置を講じること、としており、方針として、


@ 施工区画内におけるアスベストを湿潤化するために使用した水は、コンクリート固化の際に使用する等、外部に流出しないような措置を講じる。
A 前室で使用した水などを外部に排水する場合は、フィルター等でろ過処理してのち排水する。


というところまでは打ち出されています。しかしこれも、具体の「ありよう」までは記述がなく、その他の自治体においてはそこまでの記述もない状態のようです。ここまで来て八方塞がりとなってしまいました。


そこで、不勉強を忍んでお伺いいたします。どなたか非飛散性アスベストがからむ解体撤去作業時において、発生した処理水の処置をどのようにすべきなのか、実務をよく御存知の方がおられましたら是非御教示頂きたく存じます。

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No.15771 【A-1】

Re:非飛散性アスベストの撤去作業に伴う排水の処理方法について

2006-03-25 10:26:49 とのやん

皆さん関心のある事柄なので、簡単に流れから説明します。
まず、解体順序として、解体対象物にアスベストが含まれているか調査を行います。
そして、調査結果を現場に貼り出します。(アスベスト有無をです。)
同時にレベル1〜3、施工面積等により違いはありますが、リサイクル法等も含め、関係省庁に作業の届出をする。
作業着手までの間に、作業内容の掲示、その他法関連掲示を行い、着工準備をします。
ざっと、こんな感じで進んでいきます。着工までに約10日から数ヶ月といったところですね。
本題ですが、アスベスト含有建材であっても、特定化学物質等作業主任者の指導の下、
石綿取り扱い作業従事者特別教育を受けたものが作業を行うよう指導されています。
レベル3での作業の実際を説明しますと、まずは解体対象物周囲をシート等にて囲い、
散水機を用いて対象物を湿潤化(湿った状態)にします。水をかけるのではなく霧にしてかけます。
あとは、保護メガネと防塵マスクをした特別教育された作業員が原則手作業にて作業を行います。
対象物が乾いてきたら散水して常に湿った状態で作業します。
撤去された対象物は、シート等に包んで簡単に飛散しない処置を取って、処分場に運ばれます。
すぐに運べない場合は、飛散防止措置をしたうえで、保管場所にアスベスト保管表示と、
対象物を特定できる表示を行う義務があります。(もちろん管理義務もです)
個人的には、ここまでするかって思いますが、逆の立場で言えば安心ですよね。
すいません、質問内容ですが、ホースでジャブジャブ水をかけるのなら、廃水処理は必要かと思います。
アスベスト繊維は細くて軽いです。ですから、霧状の散水でないと効果がありません。
解体業者さんで土壁の家を水道ホースで散水して解体してるのを見たことありませんか?
あれと同じで、撒いた気分になってるだけです。
どうせやるなら効果的にやりましょう。

回答に対するお礼・補足

とのやんさん、懇切丁寧なご説明、どうもありがとうございました。

私自身「散水」という言葉のなかに、「噴霧」だけではなく「ホースで散水」も含めたイメージを持っておりました関係で、少々的外れな質問となってしまいました。申し訳ありません。

おかげ様で「水」に対するアプローチが見えてきたように思います。着手する前に出来るだけ理論武装をして、現場においては「やりよう」をじっくりこの目で把握していきたいと思います。

引き続きの御指導、よろしくお願い致します。

No.15779 【A-2】

Re:非飛散性アスベストの撤去作業に伴う排水の処理方法について

2006-03-25 18:57:44 y/u

私は次のように考えます。
湿潤化するために、水を噴霧した水に
アスベストは含まれているか否かと考えると含まれて
いると思います。同様に湿式ダイヤモンドカッターでスレート板に穴をあけた場合、その冷却用の水にアスベストが含まれているかと考えると、含まれています。
法律を100%遵守しようと考えると、経済的に詰んでし
まいます。廃棄物処理法の遵守は基本的には自己責任で
す。そのため、湿潤化及びダイヤモンドカッターの冷却水を廃棄物処理すると、日本中が廃棄物だらけになるので誰も廃棄物として取扱いません。(適正処理の範疇)
これが共通認識で、この取扱いをどうするかと行政に
聞くともしかすると廃棄物として処理しなさいと言われるかも知れません。

回答に対するお礼・補足

y/uさん、こんにちは。

そうですね、私も「指標」と「時間も含めたコスト」の天秤で苦しんでいる一人ですが、産廃や有害物質関係の世界は、特に「あるべき流れ」と「現実行動していくときの課題・障害」とのギャップがあるような気がしてなりません。細かく取り決めがあるようで、あいまいな部分も多いかな?

特にこれからの数年間、この「ギャップ」や「あいまいになっている部分」に起因する大きな問題が起こらないように、関係者として祈るのみです。

実務をこなしながらも、自分のやるべき事をもういちど見つめなおしていこうと思います。

非常に示唆的なご回答、ありがとうございました。

No.15798 【A-3】

Re:非飛散性アスベストの撤去作業に伴う排水の処理方法について

2006-03-27 17:05:09 匿兵衛

>@ 施工区画内におけるアスベストを湿潤化するために使用した水は、コンクリート固化の際に使用する等、外部に流出しないような措置を講じる。
>A 前室で使用した水などを外部に排水する場合は、フィルター等でろ過処理してのち排水する。

Aに従うならば、外部に排水する場合の排水方法を規定しているので、外部に排水さえしなければ、フィルター等でろ過処理する必要はないと考えられます。
したがって、アスベストを湿潤させるために必要最小限の水を霧状にして噴霧するならば、排水処理の問題はなくなります。前室の床に噴霧した水が残ったならば、湿潤させたアスベストの容器に残った水を混ぜて処分すれば、なにも問題ないはずです。

ちなみに、アスベストはシリカと同じ鉱物系の誘電体なので、ホースで散水した水に含まれるアスベストを処理するためには、PACなどのカチオン系凝集剤で凝集できると思います。(試したことはありませんが...)水処理装置メーカーの中には、焼却場の解体時にでるダイオキシン含有排水を処理するための小形の凝集沈殿装置を持っていて、レンタルしている会社があります。必要ならば、探してみてください。

回答に対するお礼・補足

匿兵衛さん、こんにちは。

詳細のフォロー、ありがとうございます。
アスベストの物性まで踏まえて、物理的手法ではなく、化学的な手法でアスベストを捕捉する、というのは思いつきもしませんでした。非常に勉強になりました。

今後もさまざまな有害物質の対策が課題となるのでしょうが、このような化学的なアプローチは、コストダウンが図られたものは主流になっていくのでしょうね。


技術系の新聞や各種メーカーのホームページなどを、もう少し丹念にチェックするようにします。

どうもありがとうございました。凝集沈殿装置の件も含めてもう少し情報収集を進め、「やりよう」を決めていきたいと思います。

No.16333 【A-4】

Re:非飛散性アスベストの撤去作業に伴う排水の処理方法について

2006-05-01 00:23:41 とくさん

>飛散性アスベストを水をかけて落としたとして、その排水処理をウンたらいっても、基準がありませんよ.日本の排水基準にアスベスト mg/lなんてないですよ。そうなればSSの基準ですよ。排水が出るほど流れるのならろ過してください。特定施設の扱いを受けていないので、規制外となるとおもいますが。一般住宅や、マンションの建築でコンクリート排水(泥水)流しっぱなしってあるでしょ?それとおなじあつかいじゃ〜ないかな?飛散の基準だって、規格は厳密には、ないし、罰則もない状態ですよ。

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