炭酸セリウム中のフッ素の分析について
登録日: 2003年01月20日 最終回答日:2003年01月29日 健康・化学物質 その他(健康・化学物質)
No.1576 2003-01-20 01:28:13 kaz
こんにちは。実験中にわからないことが生じたのでメールします。
フッ素含有量の分析をしているのですが、先日、炭酸セリウム中の
フッ素の分析を行いました。
硝酸で溶解した液をイオンクロマトで分析するのと、蒸留を行い、
ランタン・アリザリン吸光光度法で定量するのと2種類です。
すると、イオンクロマトではフッ素のピークが検出されず、
蒸留法では高濃度に検出されるのです。
しかも、蒸留の留出液をICにかけるとピークが検出されます。
炭酸セリウムは硝酸に完全に溶解すると思うのですが、
その際、フッ素がなんらかの化合物の形で存在しているのか??
それとも硫酸で蒸留する際になんらかのフッ素様の物質が
生成されてしまったのか??
なにがなんだかわからず、困っています。
どなたか、こういった化学反応に詳しい方、炭酸セリウムの分析を
したことがある方、もしくは、この状況をみてどういったことが
おこっているのかお分かりになる方、力を貸してくださいませんか。
どうぞよろしくお願いします。
総件数 6 件 page 1/1
No.1604 【A-1】
Re:炭酸セリウム中のフッ素の分析について
2003-01-22 15:34:56 LP (
第4条 1 水道により供給される水は、次の各号に掲げる要件を備えるものでなければならない。
一 病原生物に汚染され、又は病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物若しくは物質を含むものでないこと。
二 シアン、水銀その他の有毒物質を含まないこと。
三 銅、鉄、弗素(フッ素)、フェノールその他の物質をその許容量をこえて含まないこと。
四 異常な酸性又はアルカリ性を呈しないこと。
五 異常な臭味がないこと。ただし、消毒による臭味を除く。
六 外観は、ほとんど無色透明であること。
2 前項各号の基準に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。
・・・実験を行った地域の水道にフッ素が添加されている場合で,もし溶液の希釈などに水道水(を不十分に精製した精製水)を用いている場合にはGCのような敏感な測定方法では検出される場合もあるのではないでしょうか?
(的外れでしたらご勘弁ください)
回答に対するお礼・補足
ありがとうございました。今回の件だけでなく、
私は水道のフッ素の分析もしていて、こちらのほうでも
いろいろ問題があるので大変たすかりました。
今後もよろしくお願いします。
No.1611 【A-2】
Re:炭酸セリウム中のフッ素の分析について
2003-01-23 17:39:20 ちしゃ (
水道水でなくても、一般環境中の河川水、海水、雨水にもフッ素の残留があるようです。
産業技術総合研究所の国内環境試料中の残留性有害化学物質残留状況というページ
http://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/nr20021118/nr200211.html
では、環境中に人工有機フッ素化合物の1つ(PFOS)が高濃度で残留しているという報告があります。
PFOSはフッ素を含んだ人工有機フッ素化合物で、これからフッ素系のコーティング剤・界面活性剤・難燃剤等の関連化合物が合成され、特にコーティング剤として家具・建築材や衣類等、多用途に莫大な量が使用されています。
2000年-2002年にかけて、全国主要水域の魚類、鳥類(一部哺乳類)および海水・淡水中PFOS関連物質の残留量を調査した結果では、東京湾海水中PFOS濃度は17〜87ppbあり、PCBやダイオキシン類とは桁違いに高濃度であるということです。
しかも環境中ではダイオキシンなど有機塩素化合物と比較しても極端に難分解性(硫酸で24時間煮沸しても安定)とのこと。
財団法人 山口県予防保健協会 水道法関連情報
http://www.yobou.or.jp/w_info/items/item_11.htm
でも「近年、フッ素化合物を使用する工場からのフッ化物の大気中への飛散あるいは排水中への排出により、フッ素が水中に混入する機会が増加している。環境中のフッ素濃度は、大気で3ng/m3以下、雨水で0〜0.6mg/l、海水で1.3〜1.4mg/l、温泉・鉱泉で平均1.9mg/l、河川水で0.1〜0.2mg/l、井戸水で1mg/l以下である。」との報告があります
試料中にこれらの混入があった場合はその影響も考えられるのではないでしょうか。
的外れでしたらごめんなさい
回答に対するお礼・補足
いろいろな情報ありがとうございました。
今回の件のみならず、通常のフッ素の分析にも役立つ情報ばかりです。
今後もよろしくおねがいします。
No.1616 【A-3】
Re:炭酸セリウム中のフッ素の分析について
2003-01-23 23:56:57 きた (
その前に、思いつきですが、
1 硝酸は強酸であり、弱酸を追い出した。
2 フッ化水素はガラスと反応しやすい。
ということはないかと思いました。
(化学オンチなので確かではありませんが)
イオンクロマトは有機酸のピークと重なることがあるとあるHPの掲示板でありましたが、それとは違うようですね。
回答に対するお礼・補足
たくさんの回答ありがとうございました。
私もしらべてはいるのですが、なかなかありませんでした。
今後もなにかわかりましたらどうぞよろしくお願いします。
No.1622 【A-4】
Re:強酸性では気化するようです
2003-01-24 18:58:03 きた (
規格名称 アルミナ粉末−第3部:化学分析方法−11:ふっ素の定量
規格番号 JISK1468-2
規格名称 ふっ化水素酸用ほたる石分析方法−第2部 ふっ素含有量の定量−蒸留後電位差滴定法
というのがhttp://www.jisc.go.jp/
で見ることができました。
アルカリ溶融は用いていませんが、蒸留用フラスコに直接試料を入れるなどしてます。
増補 新版分析化学実験 日本分析化学会北海道支部編 化学同人出版 1984第1版第5刷では、
【実験9・10】p−ジメチルアミノアゾフェニルアルソン酸によるフッ化物イオンの定量
備考(5) ・・・フッ素を定量する場合は、硫酸を用いヘキサフルオロケイ酸として蒸留分離し、この留出液について上記の操作を行う。また岩石、鉱物などの分析では、過酸化ナトリウムなどで溶融分解後、ヘキサフルオロケイ酸蒸留を行い比色する。・・・
衛生試験法・注解 1990 日本薬学会 金原出版
3.生活用品試験法 では、
(8) フッ化物
歯磨中のフッ化物の定量に適用する。
1)ランタンアリザリンコンプレクソンによる定量法
[試験溶液の調製]試料約0.5gを精密にはかり、2NaOH溶液3mlを加え、よくかき混ぜながら弱火で約5分間熱した後、水50mlを用いて蒸留フラスコに入れ・・・
とあります。
分解する対象で考察するのはセリウムでなくフッ素と考えておいたほうがよさそうです。
(アルカリ融解等)→水蒸気蒸留→イオンクロマト法又は比色法 でよいのでは。
蒸留器等の中で反応させるとふっ素は外へ逃げないということでしょうか。
No.1623 【A-5】
Re:私の間違いのようです
2003-01-25 11:16:02 きた (
「問3:フッ素の吸着はどんなメカニズムですか?
答3: 含水酸化セリウムのOH基と水中のF−が、一定の条件で反応するイオン交換反応です。酸性側(pH=3〜3.5)で吸着し、アルカリ側(pH=11〜)でフッ素を脱着します。」
とあったので、分からなくなりました。
化学に弱いので私には答えることができないようです。
http://www.asahi-kasei.co.jp/aec/kankyou/faq.html
<フッ素含有水高度処理システム>
ここにでも問い合わせるとよいかもしれません。
No.1643 【A-6】
Re:炭酸セリウム中のフッ素の分析について
2003-01-29 00:00:44 クルックー(鳩) (
環境水のフッ素の分析の際に蒸留するのには、大きく2つの理由があると思います。
・水蒸気蒸留することで、共雑物の妨害を小さくできる。
・フッ素化合物の形態は、複雑で鉄、アルミニウム当の金属とフルオロ錯体を形成している可能性があるので、蒸留によって、フッ化物イオンに分解する。
今回の質問のケースは2番目と関係がある気がします。蒸留はフッ素の錯体を分解し、フッ化水素としてアルカリ液にトラップする為でもあります。よって、蒸留をのトラップアルカリ溶液をICで分析した際には、検出されるといった現象が起こるのではないでしょうか。完全に溶解していても、錯体の状態で存在していればICにはかかりません。
この仮説の確認方法としては、蛍光X線スペクトル等の方法で炭酸セリウム中の元素を定量するのが有効ではないかと考えます。(フッ素の含有量が0.1%程度あれば何とか定量できると思います。)
回答に対するお礼・補足
ありがとうございました。私自身、分析をやりながら
化学の知識はあまりないので、こまっていました。
いただいた回答をもとにもうすこしかんがえてみます。
総件数 6 件 page 1/1