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環境Q&A

CV値について 

登録日: 2006年03月23日 最終回答日:2006年03月23日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)

No.15718 2006-03-23 10:05:42 eddie

私は昨年4月より計量証明事業所で働くこととなった
ものです。主に水道水の検査を行っております。

そこで、CV値をとる場合について5回の繰り返し試験というのは1本のサンプルを5回繰り返すことでしょうか?
若しくは5本のサンプルを作り1回ずつ検査を行うことで
しょうか?

上水試験方法を読みましたが併行試験の定義は
「同一試料において、測定者、測定日、測定機器の全てが
同一である条件で試験を行うことをいう」とあります。
この同一試料の定義を教えていただけませんでしょうか。

よろしくお願いします。

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No.15723 【A-1】

Re:CV値について

2006-03-23 14:39:46 きら

 きらです。

 私も計量証明事業所に勤務しています。

 まず初めに、何のためにCV値を求めるのか?また、CV値を求めることにより何がわかるのか?を考えてみて下さい。

 通常は、誤差や測定精度(最近では「不確かさ」と呼ばれています)の確認のためにCV値やσ(標準偏差)を求めています。

 従って、測定・分析のどの段階における不確かさを知りたいのかによって、CV値の求め方も変わるということになります。

 例@:1検体のサンプルを定められた工程を行った後に、測定機器で5回連続して測定したとします。
 この場合には、同じものを5回連続して測定しているので、測定機器の不確かさ(誤差・ばらつき)を知ることができます。

 例A:1検体のサンプルを5つに分け、それぞれ、定められた工程を行った後に測定機器で測定したとします。
 この場合には、定められた操作の段階で発生する不確かさを求めることになります。

 例B:1検体のサンプルを5つに分け、それぞれ、定められた工程を行った後に、測定機器でそれぞれ5回測定したとします。
 この場合には、工程で発生する不確かさ+測定機器の不確かさの両方を求めることができます。

 4月からの新しい職場でのご活躍に期待しています。
 もし、時間があれば、このQ&Aに、分析関連のことや、計量証明事業のこと等について多くの情報が載っていますので、是非、参考にしてみて下さい。

回答に対するお礼・補足

丁寧な回答ありがとうございました。
何をするにも目的を明確にすることが大切ですね。

No.15733 【A-2】

Re:CV値について

2006-03-23 23:07:28 筑波山麓

計量証明事業が始まった頃にくらべて、分析(測定)業務も、GLP、ISO17025と精度に関する考えが浸透してきました。あなたが質問された「併行試験の定義」など、言葉に対する感性を磨くこと、その意味を理解することがますます要求されていくのは時代の流れだろうと思われます。 JIS Z 8402−1「測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)第一部:一般的な原理及び定義」には、3.13併行精度、繰返し精度(repeatability)は、「併行条件による測定結果の精度(JIS Z 8101−2)」とあります。 同じく、3.14併行条件(repeatability conditions)は、「同一と見なせるような測定試料について、同じ方法を用い、同じ試験室で、同じオペレーターが、同じ装置を用いて、短時間のうちに独立な測定結果を得る測定の条件」、とあります。 ここで、あなたが言われている「同一試料」とは手直に手に入る水という意味ではなく、均質な、長期にわたって変質する恐れがなく、測定値が長期間にわたって一定であり、長期間の供給が可能な、統計的に有効な程度に多数のレファレンスラボが測定値とその安定性を報告している試料であることが望ましいです。 しかし、このような試料が手に入らないときには、必要とする期間変質する恐れがなく、必要とする量を確保できる、均質な試料を自分で用意することとなります。市販品があればそれを購入されるほうが良いです。自分で均質な試料を作製する場合には、試験に十分な量、たとえば、全部で1Lの試料を試験に使う予定であれば、その倍の2L以上の試料を用意し、清浄なビーカー等に入れ、マグネチックスターラーで攪拌して均質にし、攪拌しながら必要本数分取して分析にかけます。もし、試験をする時間が数時間程度であれば、ビーカーに覆いをする、複数日に渡る場合には、密栓できるPP容器に入れ、使用時にマグネチックスターラーにて攪拌しながら分取するなどとなります。いずれにしても、その使用期間その容器内の当該項目の濃度が安定しているという証明が必要になります。ただし、VOC等の不安定な項目にはこの方法は使用できません。また、使用する試料の液量が数十ml以下と少ないときは、その倍ではなく、水の蒸発等を考えて、たとえば、2L以上の液量を準備するということにも留意してください。

回答に対するお礼・補足

ご丁寧な回答ありがとうございます。
精度管理の部分についてはまだまだ勉強不足のため
これから精進していきたいと思います。

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