一般財団法人環境イノベーション情報機構
水素を基質とする嫌気性菌
登録日: 2006年01月19日 最終回答日:2006年01月22日 エネルギー バイオマス
No.14240 2006-01-19 07:59:39 たん
嫌気的環境に生息するメタン生成菌や硫酸還元菌は水素ガスを基質としますが、水素ガスは水にとけないイメージがあります。水環境の場合、水にとけなかったら大気中に逃げていくので基質として利用できないのでは?と思ってわからなくなってしまいました。どなたか教えて下さい。
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No.14253 【A-1】
Re:水素を基質とする嫌気性菌
2006-01-20 02:59:19 無鉄砲 (
ちなみに、ウィキペディア(Wikipedia)によれば。。。
メタン菌がメタン生成基質として利用する水素と酢酸は自然環境における基質として非常に重要である。そのため、嫌気環境においては幾つかの真正細菌とメタン菌は競合関係にある。
水素は嫌気性細菌の有機酸を電子供与体とした脱水素反応の産物である。またヒドロゲノソームを有する、カビや原生動物などからも水素は発生する。深海熱水孔などからも地球科学的に水素は発生しているが、そのような特殊環境を除けば嫌気的な環境からは水素が発生していると考えてよい。
水素と酢酸を利用する他の生物としては、二価鉄を電子受容体として生育する鉄細菌、硫酸イオンを電子受容体として生育する硫酸還元菌(硫酸塩呼吸)そして水素と炭酸塩から酢酸を生成する酢酸生成菌がいる。
効率は鉄細菌が特に優れており、電子受容体として鉄が存在する場合は鉄細菌が優占する。同様に硫酸イオンが存在する場合は硫酸還元菌が優占する。鉄も硫酸イオンも無い環境で、水素が豊富な環境で初めてメタン菌が増殖可能となる。
海洋中では硫酸イオンが豊富に存在するために、堆積物中で発生する水素、ギ酸、酢酸はほとんどが硫酸還元菌によって消費される。そのため、それ以外の基質(例えばメチルアミン、硫化ジメチルなど)を持ってメタン菌が生育する。硫化ジメチルは2μM以下の低濃度だと硫酸還元菌が用いるが、高濃度ではメタン菌(Methanolobus属)が優先的に利用する。
回答に対するお礼・補足
丁寧な回答ありがとうございます。水素とゆうかほとんどの気体は程度の違いはあれど水に溶けるんですね。
No.14296 【A-2】
水
2006-01-22 15:42:18 無鉄砲 (
いろいろなものを溶かす性質がある水がたくさんあったから、生命が誕生することができたのでしょうね。
回答に対するお礼・補足
なるほど、確かにそうですね。水は本当に奥が深いです。
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