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環境Q&A

排水中のフッ素の測定 

登録日: 2005年11月08日 最終回答日:2005年11月10日 水・土壌環境 水質汚濁

No.13206 2005-11-08 05:35:18 えがちょん

排水中のフッ素の測定について教えてください。

当社ではフッ酸を使用しているので、当然排水中にフッ素が含まれます。
そのフッ素が下水基準以下ではあるのですが、簡易測定(デジタルフッ素計)、計量証明での測定値、役所の測定値で大きく差が開きます。
計量証明と役所の差は1ppm以下ですが、簡易測定とでは1〜3ppmほどの差が出ています。
排水処理設備で処理をしているので、今まで特に問題になったことは無いのですが、この差があるために、基準値以上のフッ素を含んだ排水を簡易測定では発見出来ずに、下水へ排出する可能性もあります。
これは、簡易測定で使用しているデジタルフッ素計が悪いのかも知れませんが、なぜこのような差がでるのでしょう。
皆さんのところでは同じようなことがおきてないでしょうか?
また、社内でどのようにして排水中のフッ素の量を把握していますか?

また、聞いたところでは、デジタルフッ素計ではフッ素(イオン)を測定しているだけで、フッ素化合物は測定できず、役所などではフッ素イオン、フッ素化合物をまとめて測定しているので差が出ると聞いたことがあるのですがほんとでしょうか?

どなたか詳しい方が居られましたら教えてください。

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No.13249 【A-1】

Re:排水中のフッ素の測定

2005-11-10 20:43:12 きら

きらです。

原因として、いろいろな事が考えられます。

1.妨害物質の影響
 フッ素に限らず、環境分析全般において目的の成分に対して、何らかの妨害物質の影響を受ける(受けやすい、受ける可能性がある)といえます。
 その妨害物質が何であるかは、測定方法・測定条件(pH、温度、分析機器の設定等)によって異なります。

 フッ素の場合には、アルミ、塩素、鉄、硝酸、亜硝酸、リン、ケイ素等が代表的なところだと思います。

 これらの妨害物質を除去するために、フッ素の分析では蒸留という操作を行います。

 従って、御社の簡易測定で蒸留操作を行っていない場合には、計量証明・役所の測定値と異なる結果となります。


2.測定回数
 測定の結果には必ず誤差が含まれます。
 計量証明事業所では、誤差を加味して、1検体につき通常2〜3回測定し、平均値(またはバラツキ等を考慮して)を証明書に記載します。
 もし、御社での測定方法が1検体を1回しか測定していないのであれば、当然、測定結果も異なるものと思います。

3.サンプルの保存
 御社での測定日と計量証明事業所・役所の測定日は同じでしょうか?
 もし違ってていれば、測定結果も異なる可能性があります・
 また、採水してから測定までの保存方法(温度・日光・容器)によっても異なります。

4.器差
 ご質問にある様に、デジタルフッ素計の器差もあるかもしれません。
 空試験(ブランク)を何回か測定してみるとか、フッ素の標準液を適当な濃度になる様に希釈しデジタルフッ素計で測定してみるとかを試してみてはどうでしょうか。

 この件については、機器のメーカーに問い合わせてみてはどうでしょうか?
 いわゆる公定法と簡易デジタル計の測定結果の差について聞いてみてください。
 メーカーによっては、社内で実験したレポート(テクニカルシート)等をインターネット上で公表していることもあります。

 以上、ご参考までに 

回答に対するお礼・補足

ありがとうございます。
詳しく記載いただき、大変参考になります。
器差についてはメーカーに確認してみます。

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