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環境Q&A

検出限界、定量限界の算出方法とそれの書いてあるISOのガイドラインについて 

登録日: 2005年10月09日 最終回答日:2005年10月15日 水・土壌環境 水質汚濁

No.12727 2005-10-09 12:02:13 クンチャン

水中の銅などの分析をICPでおこなつています。
検出限界、定量限界の求め方において、「日局14の式は、レスポンスが正規分布し、その標準偏差が一定で既知の場合のみ用いることができる。レスポンスの標準偏差が一定でないときは、ISOのガイドラインに示されている方法でσおよび検量線の傾きを推定しても良い。」と、日局の分析法バリデーションには記載されています。
「」内の意味はおぼろげながらわかり、上司よりこの式をすぐにはあてはめられないのではという指摘があったのですが、具体的にはどういうことか教えてください。また、ISOのガイドラインは、具体的な文献名、またはネットのアドレスがわかれば教えてください。
なお、日局14の式は、
検出限界=3.3σ/slope   定量限界=10σ/slope   
σ:ブランク試料の測定値の標準偏差
 slope:検出限界付近の検量線の傾き

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No.12816 【A-1】

Re:検出限界、定量限界の算出方法とそれの書いてあるISOのガイドラインについて

2005-10-15 10:04:38 きら

きらです。No.10859のクンチャンでしょうか?

1.ご質問の日局14の式については、「正規分布」かどうかが重用です。

正規分布(測定結果のバラツキが平均値(中央値)を中心に左右対象=富士山の様な形)であれば、3.3σで計算できます。

何故、3.3σで計算するのか(3.3σが良いのか)については、このQ&Aで過去に何回か話題になっています。
分析精度、測定精度、定量下限、検出限界等で検索してみてください。

※実際の測定では、バラツキが左右対称となることの方が少ない様です。
例として、環境省が毎年、全国的に実施している統一精度試験を紹介しておきます。http://www.seidokanri.jp/pdf/report16_all.pdf
のp31以降の図

2.次に、ISOのガイドラインについてですが、試験所・校正機関に対しては「ISO 17025]があります。
※個人的には、難解であるため御質問の答には役に立たないと思います。

また、ISOでは、測定誤差・バラツキ等を「不確かさ」という用語で定義しています。

「ISO 不確かさ ガイド」または「ISO 不確かさ ガイドライン」で検索してみて下さい。

最近では、(社)日本環境測定分析協会から「環境分析における不確かさの評価(平成17年5月)」が出されています。

3.最後に、このQ&AのNo.12076でも書きました様に、まず始めに高校レベルの統計の基礎(正規分布・平均値・偏差・標準偏差・変動係数等)が絶対に必要です。
とくに、正規分布・標準偏差が何を意味するのか?
それと、σ、2σ、3σを正規分布図に示せることができれば十分です。

わからなければ、また質問してください。

回答に対するお礼・補足

丁寧なご回答どうもありがとうございました。
具体的に私が悩んでいることをまた質問します。

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