一般財団法人環境イノベーション情報機構
ダイオキシンの測定について
登録日: 2005年08月17日 最終回答日:2005年08月18日 健康・化学物質 ダイオキシン
No.11987 2005-08-17 11:30:03 パスツール
はじめまして。
ダイオキシンの測定について興味がありメールしました。
ダイオキシンの測定には、
1)内標準物質
2)クリーンアップスパイク
3)シリンジスパイク
などを抽出過程で添加していくようですが、
私の理解では、内標準物質は抽出過程でのダイオキシンのロスをキャンセルする目的で添加される(?)と考えています。
2)、3)の添加目的や、この他に添加されるものがあったら教えてください。
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No.12003 【A-1】
Re:ダイオキシンの測定について
2005-08-18 14:38:39 kao (
内標準物質は、ダイオキシン類異性体の構造式の一部を任意に例えば、12Cを13Cに標識した物質(同位体異性体です。したがって、2)3)のクリーンアップもシリンジスパイクも内標準物質です。
2)のクリーンアップスパイク内標準物質は、パスツールさんが考えている様に、抽出から測定までのロスを補正する役割です。ダイオキシン類の濃度を算出する時に、このロスも考慮して算出します。
3)のシリンジスパイク内標準物質は、分析の最終濃縮時に添加します。名称の通りマイクロシリンジの補正の意味で添加しますが、ダイオキシン類の分析は、最終濃縮20〜50μlまで濃縮しますので、これらの容量の精度補正する意味も実際にはあるように思います。最終的な役割として、1)のクリーンアップスパイクのロスをすなわち回収率を補正するために添加します。例えば、クリーンアップスパイクが補正前回収100%であって、シリンジスパイクが110%であれば、クリーンアップスパイクの回収は、90%となります。
(実際の計算は、RRFを用いますので多少異なります。)
その他の内標準物質としては、サンプリングスパイクがあります。名称の通り、採取(サンプリング)のロスを確かめるために添加します。環境大気や排ガス試料のサンプリングは、長時間吸引捕集するため捕集材から脱離していきます。その時のロスが許容できる範囲であるかどうか適正にサンプリングが実施できているか判断するために添加します。このロスは、実際に算出したダイオキシン類の濃度には、補正されません。
細かい部分は、マニュアルを読まれると分かりますよ。(環境大気マニュアル)
http://www.env.go.jp/hourei/hourei.php3?id=4000097&bun_id=312&word1=%93%C1%92%E8
回答に対するお礼・補足
回答ありがとうございました。また分からないことが出てきたら宜しくお願いします。
ちなみに私は、大学で土木工学を専攻し、現在、大学院で環境分野(土壌汚染関係の研究)の勉強をしています。
kaoさんは実際にダイオキシンの分析に携わっていらっしゃる方ですか?よろしければお聞かせ下さい。
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