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環境Q&A

硫酸ピッチについて 

登録日: 2005年07月29日 最終回答日:2005年07月31日 ごみ・リサイクル 産業廃棄物

No.11729 2005-07-29 05:59:54 タフマン

硫酸ピッチの定義について、
環境省の通知で
廃硫酸と廃炭化水素油の混合物となっていますが、
一般的に油には炭化水素を含まない油もあるのですか?

油というと炭化水素を含むものしか思い浮かばないのですが。

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No.11736 【A-1】

Re:硫酸ピッチについて

2005-07-30 17:06:23 Dr.ゴミスキー

 このご質問は、役人の立場から考えると答は簡単です。

 キーワードは「硫酸ピッチの定義」です。この定義は、硫酸ピッチとは、廃硫酸と廃炭化水素油の混合物状態であることが必要なのです。

 予知しない新たな事例が生ずると、その事例の現象を定義付けますから、現段階では「一般的に油には炭化水素を含まない油もあるのですか?」と言う、疑問は、彼らには無い(発生しない)のです。

 この辺が、霞が関(&永田町)の常識と世間一般の常識と乖離ある点です。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございました。
なるほど、環境省の役人は確かに定義付けが必要なのかもしれませんね

No.11738 【A-2】

Re:炭化水素油

2005-07-30 18:59:00 JK

石油類を炭化水素油と称しているようです。

http://www.env.go.jp/press/file_view.php3?serial=6013&hou_id=5275
(指定有害廃棄物として指定する廃棄物についての御意見)
○「硫酸ピッチ(廃硫酸と廃炭化水素油との混合物」は「硫酸ピッチ(廃油と腐食性廃酸の混合物」ではないのか。
→不正軽油密造に伴う硫酸ピッチを念頭に置き、廃油は、いわゆる石油に限定し動植物油を除いています。酸も硫酸しか使用されないので廃硫酸に限定しています。

http://www.nta.go.jp/category/tutatu/kihon/kansetu/kihatu/kihatu01/02.htm
 (炭化水素、炭化水素油及び単一の炭化水素の意義等)
第4条 「炭化水素」とは、炭素と水素との化合物及び各種の当該化合物の混合物を総称するものであり、不純物又は添加剤等を含有するかどうかは問わない。(昭59間消4−72改正)
  (注)  単一の炭化水素はもとより、炭化水素の混合物はすべてこれに含まれる。
2 「炭化水素油」とは、炭化水素を主成分とし、温度15度及び1気圧において液状を呈するものをいい、単一の炭化水素及びこれと炭化水素以外の物との混合物を含まない。(昭59間消4−72改正)

http://www.chem-station.com/user-cgi-bin/kakobbs/log/log_395.htm
▼食用油は炭化水素油ですか?

回答に対するお礼・補足

ありがとうございます。
確かに硫酸ピッチは不正軽油製造過程で発生するものなので、
石油関係の油ということで炭化水素油としたのかもしれませんね。

No.11739 【A-3】

Re:硫酸ピッチについて

2005-07-30 20:11:39 万田力

 Dr.ゴミスキー さんの答も JK さんの答も、
> 油というと炭化水素を含むものしか思い浮かばないのですが。
という問には答えておられないと思いますのでひとこと。
 油をどのように定義するかによりますが、シリコーンオイルという、炭化水素油でない『油』もあるので、硫酸ピッチを定義する際に、敢えて「炭化水素油」と表現したものと思います。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。
炭化水素を含まない油もあるのですね。
胸のつっかえがとれた感じです。

No.11744 【A-4】

Re:硫酸ピッチについて

2005-07-31 22:23:34 有機化学専攻

>油というと炭化水素を含むものしか思い浮かばないのですが。

万田カさんのおっしゃるとうりです。
その他にサラダ油、天ぷら油、オリーブ油、バター、ラードなど食用油の大半は脂肪酸のグリセリンエステルですから炭化水素油ではありません。
最近流行のBDFは食用油脂中のグリセリンエステルをメタノールでエステル交換したものですから炭化水素油ではありません。
そのほか、塗料溶剤に含まれるエステル類、ケトン類、アルコール類なども炭化水素油ではありません。
チオフェンやピロールなど重油に含まれる複素環化合物も炭化水素油ではありません。
炭化水素油の定義では霞ヶ関の常識はけっこう有機化学の常識をふまえています。

但し廃棄物の定義にある「廃油」は化学的には相当いい加減なもので、廃アルコールやケトン類のように任意の割合で水と混合できるものを「廃油」と定義するのは国民の常識とは水と油のように相容れないように思います。語感から見て「油」は法律・学術用語ではなく生活用語ですから。
廃棄「物」の定義はバーゼル法を見倣ってもっと具体的でマテリアルに応じたものに改定する時期に来ていると思います。

回答に対するお礼・補足

詳しい回答ありがとうございます。
高校の時に化学を学んだくらいなのですが、
思い出しました。
ケトン類やアルコール類も油でしたね。
あとで化学式で確認したいと思います。
今まで何人かの人に聞きましたが、
はっきりした回答を得られなかったので、
今回のみなさんの回答に大変感謝しています。
たしかに廃棄物の定義については、。有機化学専攻さんのおっしゃるとおりのほうが、明確になって間違いが少なくなると思います。

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