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環境Q&A

アルカリ性の雨とは 

登録日: 2002年10月19日 最終回答日:2002年10月21日 地球環境 酸性雨

No.1159 2002-10-19 15:40:16 shara

大学のゼミナールで酸性雨について調べています。その際、質問でアルカリ性の雨のことを聞かれ困惑してしまいました。調べた限りですと、雨は大気中でもCO2が含まれるためPH5.6くらいになるのが一般的だということです。
アルカリ性の雨、またその影響について知っていましたら、ご教示ください。よろしくお願いします。

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No.1165 【A-1】

Re:アルカリ性の雨とは

2002-10-21 18:34:21 LP

中央大学の公開されている掛本さんの論文
http://www.ise.chuo-u.ac.jp/TISE/kyouyou/6kakemo1993080/

によりますと,大気中に放出された硫黄酸化物(SOx),窒素酸化物(NOx)などの大部分が光化学反応をうけ,二酸化硫黄(SO2)や一酸化窒素(NO)ガスになり,更に太陽光や酸素,水素,水分などが関与した化学反応によって,酸性度の強い硫酸や硝酸の微小粒子に変化し,これらが大気中の水蒸気に溶け込んで地上に降りそそぐものがいわゆる「酸性雨」です。
酸性雨が酸性を示すかどうかは,大気中には土壌から発生するアンモニアガスや土壌中の酸化カルシウムやコンクリートの舗装道路からのダストに含まれる炭酸カルシウムといったアルカリ性を示す大気中の物質と反応するため,条件により「酸性」を示したり「アルカリ性」を示したりすることがあるということです。

一般にPH=2.0にもなれば,生物の生育は不可能ということですので,酸性雨が降り続ければその場所の植物は枯死しますが,中性の雨やアルカリ性の雨が降ったとしても前記のようなプロセスを経たものが降水した場合はその場所は植物の生育に適さなくなる=害がある場合がある,ということではないでしょうか?

もともと雨は弱酸性だそうですが,雨が強い酸性になったりアルカリ性になることは,人間が生産活動をすることによってもたらせられたことですので,自然にとっては良い環境であるとはいえないのだろうと思います。

回答に対するお礼・補足

論文の方を読ませていただきました。大気中に含まれる物質のバランスしだいでアルカリ性にもなるのですね。人間が雨の性質まで変えてしまっているとは…本当に恐ろしいことです。
素早いご回答、どうもありがとうございました。とても助かりました。

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