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環境Q&A

PRTR法−特別要件施設について 

登録日: 2005年04月23日 最終回答日:2005年05月03日 健康・化学物質 有害物質/PRTR

No.10393 2005-04-23 11:41:54 all環境勉強中

PRTR法の届け出内容開示資料を見ていて疑問に思ったのですが・・・。
PRTR法では、特別要件を満たす施設がある場合には、他法令に基づく測定の対象物質(水濁法の排水基準項目
のうちPRTR対象物質に該当する物質(以下29物質)及びダイオキシン類)を届け出ることになっていますが、
製造業を営む企業で産業廃棄物処理業の許可も取得している(産廃処理業を兼業している)企業でこの届出を行っていない
企業があるのでは?と思います。
次の場合は、いわゆる「29物質」の届出が必要なのでしょうか?

◎製造業を営む事業所で、かつ産業廃棄物処理業の許可を取得している企業で、
 @産廃処理業は破砕など最終処分とは別の許可で、かつ自社の廃棄物を処分するために最終処分場を
  所有している場合
  (産廃処理業を営む事業者は、最終処分場から排出される29物質を届け出ることになっていますが、
   その最終処分場が産廃処理業として利用されていない場合)
  ※@の場合、産廃処理業で出た廃棄物をその処分場へ搬入している場合はどうなのでしょうか?
 A上記と同様に、業の許可を得ている産廃処理施設とは異なる施設(自社の廃棄物を処理する為の施設)が
  水濁法の特定施設に該当する場合
  (廃棄物処理施設が水濁法の特定施設に該当する場合、29物質を届け出ることになっていますが、
   その施設が産廃処理業として利用されていない場合)
 B産廃処理業の許可は焼却で、業に使用する焼却施設に湿式の排ガス処理設備(水濁法の特定施設)が付設されて
  いる場合
  (処理施設そのものが水濁法の特定施設なら29物質の届出が必要なのでしょうが・・・)
  ※Bの場合、廃棄物焼却炉はダイオキシン特措法の特定施設なのでダイオキシン類の届出は必要だと
   思いますが・・・。

どなたか詳しい方がいらっしゃいましたら教えてください。
PRTR法届出の手引(環境省のHPで公開されているもの)や、PRTR法(省令+政令も含めて)の本文も読んでみましたが、
よく分かりませんでした。

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No.10413 【A-1】

Re:PRTR法−特別要件施設について

2005-04-25 01:20:24 循(じゅん)

PRTRのデータ開示も3回目になりましたね。
初年度(13年度)には届出されなかった事業者も、3回目になるとちゃんと届出を出していますね。
と思えば3回目(15年度)にはデータが見つからなかったところもあるようです。
これはたぶん焼却炉をやめちゃったんでしょうかね。
ダイオキシン対策で14年度途中でかなり多数の焼却炉が止まったと言われてますから・・・
市町村も同様ですね。届出が見つかりません・・・

前置きはこのへんで

PRTRの政令、省令から届出要件を満たす事業所であるか、否かを判断するわけです。確かに政令、省令を読み解くのは難しいですね。環境省・経産省のPRTR届出マニュアルの届出要件を一つ一つあたっていただくのがよいのですが・・・

all環境勉強中さんの質問が、複数の仮定を前提とした質問なので、皆さんお答えしにくいのかな、と思います。

もう少し詳しい情報をいただきたいと思います。

A まず、廃棄物処理業を営む事業者は届出対象事業者の要件を満たしていますか?

B ご質問の番号ごとに
@AB それらの施設が設置されている敷地から公共用水域に排水が出ますか?(敷地=事業所 以下、同じ)

@その自社最終処分場と産廃業の処理施設は同一敷地にありますか?別の敷地ですか?

A産廃処理施設と水濁法の特定施設は同一敷地にありますか?別の敷地ですか?

A「水濁法の特定施設に該当する(自社の)廃棄物を処理する為の施設」とは具体的に水濁法の何施設ですか?

Bの焼却施設で大気へのダイオキシン類は届出されていますか?

以上5点について、いかがでしょうか。
産廃業者であっても届出の必要があるとは限りませんので、確認させていただきました。

回答に対するお礼・補足

循(じゅん)さん、ありがとうございます。
お礼が遅くなっていまい申し訳ありません。
PRTRは難解です。
ご回答いただくには、さらに情報が必要ということなので・・・。
A.届出対象者の要件を満たしています(のはずです)
B@AB.公共用水域に排水しています(のはずです)
B@処分場は産廃処理施設と同一敷地内にないと思います(同一敷地内にある場合とない場合で届出の必要の有無は変わるのでしょうか?)
BA.産廃処理施設と水濁法の特定施設は同一敷地内にあります(と思います)
また、その特定施設は汚泥の脱水施設です(ex.製紙会社を想定してください)
BB.届出しています(のはずです)
以上で、いかがでしょうか?
質問のお返事が遅くなっていまい申し訳ありませんが、このお礼文をご覧になって頂きましたら、是非教えて頂きたいと思います。よろしくお願いします。

No.10477 【A-2】

Re:PRTR法−特別要件施設について

2005-05-03 02:01:51 循(じゅん)

事業者・事業所を特定せずに、考えられる理由を探してみます。
(「」書きのところは強調したいところと思ってください。)

Aについて確認(政令第4条)
(1)対象業種(第1号)
(2)従業員が21人以上(第2号)
(1)と(2)を両方満たしている事業者は取扱量・排出量等を把握する義務があります。

廃棄物処理業を営んでいて、かつ、特別要件施設(焼却炉等)を有している場合であっても、従業員が21人未満の場合には把握・届出の必要がありません。

Bについて確認(事業所の要件:Aにおいて把握義務がある事業者)
◎PRTR排出量等の把握義務があるのはいわゆる管理型処分場です。安定型、遮断型は届出対象外です。
◎廃棄物の処理に使用した対象物質及び廃棄物処理施設から排出される対象物質で「他法令により測定の対象となっているもの」については、廃棄物処理業者における届出の対象となります。

@AB排水が無い場合・・排出量の届出は必要ありません。
 最終処分場等廃棄物処理施設を設置する際の地元合意対策として、河川等へ一切排水しないケースもあります。
 処理水を焼却施設や蒸留施設で蒸発処理している場合や、排水を他の処理業者に委託処理をしている場合には「排出なし=届出必要なし」となります。
 下水道放流の場合には、ダイオキシン類特定施設の場合のみダイオキシンの移動量が届出対象です。(省令第四条第一項第一号ト)

@自社の廃棄物を処分するために最終処分場を所有している場合
 把握対象第一種指定化学物質(年間取扱量が1トン以上の第一種指定化学物質)に該当する第一種指定化学物質を取り扱っている事業所で生じる廃棄物を処理するための自己処理施設においては、その把握対象第一種指定化学物質のうち、水濁法の排水基準項目(処分場省令の基準項目)に該当するもののみを把握すること。(省令第四条第一項第一号ヘ)
→把握対象となったもの以外は届出の義務がない。

 また、ダイオキシン類特定施設(焼却施設等)から排出される廃棄物(焼却灰等)を自己処理最終処分場で処分している場合にあってはダイオキシン類の排出量を把握すること。(省令第四条第一項第一号チ)

「※産廃処理業で出た廃棄物をその処分場へ搬入している場合」は(省令第四条第一項第一号ホ)に該当しますので、処分場省令の基準項目及びダイオキシン類の排出量を把握します。

No.10478 【A-3】

Re:PRTR法−特別要件施設について

2005-05-03 02:12:31 循(じゅん)

(つづき)

A汚泥の脱水施設
 廃棄物処理業のために設置した脱水施設ではない場合、いわゆる製造プラントの一工程の施設にあっては、「廃棄物処理業を営んでいない」ので、水濁法の排水基準項目がかかっていないのだと思われます。一般的に工場等では、製造工程等で水濁法の排水基準項目に該当する有害物質を使用している場合のみ、その物質のみ排水基準が適用され自主測定の義務が課せられます。

B焼却施設に湿式の排ガス処理設備が付設されている場合
灰貯留ピットやガス冷却塔に排水ドレンがあると、環境へ排水が無い場合であっても「ダイオキシン類特措法の水の特定施設」の届出を指導していたと思います。
ただし、環境への排水が無い場合にはダイオキシン特措法第28条の自主測定の義務が課せられませんので、ダイオキシン特措法の自主測定は必要なく、PRTRの届出においては「水域への排出はゼロ」としているものと思います。
都道府県のダイオキシン特措法担当課が自主測定結果を公表しているはずですので、問い合わせてみるとよいと思います。ダイオキシン特措法の自主測定を届けているがPRTRの届出がなかった事業所について、ある県の担当課に尋ねてみたのですが、「21人未満のためPRTR届出なし」というケースがありました。

廃棄物処理業者は自らの事業活動では有害物質を使用しません。そのために水濁法の特定施設でありながら水濁法の自主測定(有害物質)を行っていないケースもあるやに聞いております。
これは水濁法の監視担当(都道府県あるいは政令市)に確認する必要があるかもしれません。


PRTR開示情報(H15)を見てみました。廃棄物処理業を営む事業所の届出物質数も1、26、29、30と様々ですね。なぜ、物質数が違うのか、そこに最終処分場があるのか、汚泥処理設備があるのか・・・PRTRの届出だけでは詳細はわかりません。
もっと詳しいことを知りたいときには事業者に問い合わせてみるとよいかと思います。
事業者もリスクコミュニケーションの機会を伺っているかもしれません。
都道府県のPRTR担当課がリスクコミュニケーション事業をやっているところもあります。
相談されてみてはいかがでしょうか。

回答に対するお礼・補足

循(じゅん)さん、大変丁寧なご回答ありがとうございます。
回答文でも触れられていますが、産廃業者であっても届出物質数が様々であり、疑問をもっていました。
事業者に直接問い合わせてみることも考えていましたが、自分が法律の解釈をはっきり理解しておらず、二の足を踏んでいました(丁寧に回答してくれるか?、逆に突っ込まれたらどうしよう、面倒くさがられたりするかな?と・・・)。
循(じゅん)さんの回答で、よく理解できたので、この知識を元に、事業者へ詳細を問い合わせてみようと思います。
本当にありがとうございました。

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