一般財団法人環境イノベーション情報機構
炭素換算係数について
登録日: 2002年08月27日 最終回答日:2002年08月27日 エネルギー 省エネルギー
No.1031 2002-08-27 18:03:46 匿名希望
換算係数についての質問はたくさんあり、参考にさせて頂きましたが、さらに教えてください。
いろいろな換算係数がありますが、高校化学の知識で導出できるものはありますか?
私は以下の方法でガスの換算係数を導出できると考えたのですが。
13Aガスの組成例(メタン88.2% エタン7%
プロパン1.8% ブタン3.0%)を使って、1モルあたりの炭素の量を計算してみるとおよそ0.757モルとなりました。これを1立方メートルあたりに換算すると換算係数になると思うのですが、ガスの密度が分からず導出できませんでした。
この方法は間違っているでしょうか。
また、水道について、この過程のどこで二酸化炭素が排出されるのですか?上水と下水それぞれについてお願いします。
最後に、環境家計簿や炭素換算についての参考文献がありましたら、教えて頂けるとうれしいです。
どうぞよろしくお願いします。
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No.1033 【A-1】
Re:炭素換算係数について
2002-08-27 21:26:54 平井 (
換算係数をブラックボックスにせず、導出過程を追跡するのは良いことだと思います。自分で計算すると理解が確実になりますし。
>私は以下の方法でガスの換算係数を導出できると考えたのですが。
ガス中の炭素量から換算係数を求めるという考え方は正しいと思います。
>13Aガスの組成例を使って、1モルあたりの炭素の量を計算してみるとおよそ0.757モルとなりました。
メタン、エタン、プロパン、ブタン、いずれの気体も1分子に炭素が1つ以上あります。なので、これらを混ぜた気体1分子に含まれる炭素数も1つ以上になるはずですよね。計算過程のどこかで取り違えがあるようです。
計算してみます。
まずは、各気体の元素組成を確認。(辞書で調べました。)
メタン:CH4 (気体1モルあたり炭素数1モル。分子量16)
エタン:C2H6 (同上2モル、分子量30)
プロパン:C3H8(同上3モル、分子量44)
ブタン:C4H10 (同上4モル、分子量58)
ガス組成を体積ベースとすると、混合気体(13Aガス)1モルあたりの炭素数は、
1*0.882+2*0.070+3*0.018+4*0.030
=1.196[mol-C/mol-13Aガス]
ガス組成が重量ベースの場合は、組成比を体積ベースに換算してから計算します。重量組成比を分子量で割れば体積比になります。
0.882/16:0.070/30:0.018/44:0.030/58
= 0.0551:0.00233:0.000409:0.000517
= 0.944:0.0400:0.00701:0.00886 (合計が1になるように調整)
1*0.944+2*0.0400+3*0.00701+4*0.00886
= 1.081[mol-C/mol-13Aガス]
> これを1立方メートルあたりに換算すると換算係数になると思うのですが、
「1モルの気体の体積は、標準状態(摂氏0度、1気圧)で、22.4L(0.0224m3)」というのを使えば、[mol-C/m3]の単位の換算係数が出ます。
1.196[mol-C/mol-13Aガス]÷0.0224[m3/mol-13Aガス]
=53.4 [mol-C/m3]
炭素1モルは12gなので、
53.4[mol-C/m3]x12[g-C/mol-C]
=641[g-C/m3]
*ガス組成比が重量ベースの時は、
1.081÷0.0224*12 = 579[g-C/m3]
以上です。参考にしていただければ幸いです。
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