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環境Q&A

エコラベルの義務化は可能? 

登録日: 2004年12月11日 最終回答日:2004年12月14日 エコビジネス 環境ラベル

No.8741 2004-12-11 04:06:18 kinon

エコラベルについて調べていて疑問に思ったので、質問させてください。
1.国による「全商品環境ラベル義務化」というのはなぜ行われないのでしょうか?環境保護に消費者の購買時の協力が必要なのであれば、すべての商品にわかりやすい形でマークがついていたほうが意識を喚起できると思うのですが。
2.現在マークにはさまざまな種類がありますが、これらは統一はされることはないのでしょうか?消費者側からすると商品を比べたときに違うマークがついていたのでは比較しにくいと思います。
過去の、もしくは今後の事業の展開として上記のような動きは存在するのですか?もしするのならば何が原因でそうなっていないのかを教えていただけるとありがたいです。
エコマークやグリーンマークなどの事業ごとの横断的なつながりはあるのですか?
どなたかお答えいただければありがたいです。

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No.8766 【A-2】

Re:エコラベルの義務化は可能?

2004-12-14 16:01:47 君山銀針

G魔王さんの示された観点以外にも下記のような理由も考えられると思います。

>1.国による「全商品環境ラベル義務化」というのはなぜ行われないのでしょうか?

自由主義社会では企業や個人の自由な活動を保障するという観点から法規制という形はなるべく少ないほうがよいと考えられていると思います。
「環境ラベル」というのは、医薬品の安全基準などと違ってこれを守らなければ生命に危険というような差し迫った問題ではなく、「環境保全のためのより先進的な、高い目標の行動」と理解できますので、規制という形にはあまり馴染みません。

また、貿易障壁(特に途上国への)となる以外にも、環境製品に即対応できるのは設備投資が可能な大企業になりやすく
中小企業圧迫になることも考えられます。

>2.現在マークにはさまざまな種類がありますが、これらは統一はされることはないのでしょうか?

さまざまなエコラベルがあるのは、1992年の地球サミットを中心にして環境問題への関心が高まった時に、各国のさまざまな団体などがそれぞれ取組みをはじめたということに
起因していると思います。
(ISOの整理はいろいろなラベルがでてきたあとですが、このような着眼点や機能の違いが統一を困難にしているという理解はG魔王さんと一緒です)

環境省のエコラベルのページではラベル自体の評価のめやすとして
http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/ecolabel/e02.html#Q2
のような内容を示し、さまざまなエコラベルの内容を
http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/ecolabel/f01.html
に整理していますので参照してみるとよいのでは。

なお、エコラベルは義務化や統一されていませんが、政府や自治体に環境配慮型製品購入を義務づける「グリーン購入法」がすでに制定されています(行政に限定しての規制としているのは、企業や個人の自由な活動を阻害する
ことにはならないという意図だと思いますが)
http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/g-law/archive/law/system.pdf

グリーン購入法にもとづく製品基準「判断の基準」が現在国内で、もっとも広くいきわたっている製品の環境配慮度のめやすとなっていると思います。エコラベルではありませんが「グリーン購入法対応」という表示によって製品を選択することも可能です。
http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/g-law/index.html

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。

もしラベルが義務化、統一化されたら資本力の無い中小企業は淘汰されてしまうかな?とは私も考えていました。
そもそも消費者の購買選択を環境配慮に促すという目的でエコラベルが作られたのなら、あらかじめ統一しておけばよかったのにとも思います。
現在ラベルが煩雑すぎて効果を発揮できているとは思えません。

No.8763 【A-1】

Re:エコラベルの義務化は可能?

2004-12-14 14:05:32 G魔王

>1.国による「全商品環境ラベル義務化」というのはなぜ行われないのでしょうか?

「環境にいい」という概念は絶対的なものではなく、多くは従来の製品との比較により「よい」とされています。何をもって「環境にいい製品」と定義するのか、メーカーや消費者など全ての関係者が合意して基準を作成することは事実上不可能です。また、製品は国内で生産されるものばかりではなく、世界中から輸入されているので、環境ラベルを義務化するのは貿易障壁にもなりかねません。


>2.現在マークにはさまざまな種類がありますが、これらは統一はされることはないのでしょうか?

環境ラベルは、ISO規格で3種類が定められており、それぞれ性格が違うものです。同じ環境ラベルでも着目する観点が違ったり、表示の内容が違うため簡単に統一できるものではありません。
http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/ecolabel/c01_04.html


>エコマークやグリーンマークなどの事業ごとの横断的なつながりはあるのですか?

エコマークは日本で唯一のタイプT環境ラベルで、製品のライフサイクル全体を考慮して日本環境協会が認定しています。一方、グリーンマークは古紙再生促進センターが実施しているもので、製品の原料に古紙を使用していることに着目したマークです。それぞれグリーン購入を促進することにより環境保全に寄与するという理念は同じですが、横断的なつながりがあるわけではないでしょう。

いずれにしても、唯一絶対的な環境ラベルは存在しませんし、今後もできないでしょう。製品を購入するときには各種の環境ラベルを参考にしつつ、グリーン購入に努めましょう。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。

全商品に総合的な環境ラベルを(たとえばレベル1〜5まで)付与することができれば消費者の購買意識も変化すると思ったのですが・・・
そのような試みはされないようですね

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