突発的な補修工事と排出者責任について
登録日: 2004年10月23日 最終回答日:2004年10月24日 ごみ・リサイクル 産業廃棄物
No.8129 2004-10-23 09:58:51 みちこ
平成16年度は大型台風が何度も上陸しました。
私の会社もプラスチック製冷却塔が破損して危険な状態になりました。至急補修工事が必要になり、保全部長が補修会社に破損した冷却塔の補修とプラスチックの廃棄を依頼しました。
補修会社は零細な収集運搬会社と最終処分会社に廃棄物処理委託をしました。それぞれ廃棄物処理の契約があり、収集運搬と処分業の許可のある会社です。
この場合、補修工事の発注者になる当社は廃棄物処理について法的責任は無いと思いますが、何かやっておくべきことがあるでしょうか?
また、木製冷却塔の破損だったらどうなるでしょう。
当社と補修会社の契約は、廃棄物処分についてどのような文言の契約が適当でしょう。モデルはあるでしょうか?
総件数 1 件 page 1/1
No.8137 【A-1】
Re:突発的な補修工事と排出者責任について
2004-10-24 00:30:29 万田力 (
> 突発的な補修工事と排出者責任について
廃棄物処理法では、突発的か否かは関係ないでしょう。
> 保全部長が補修会社に破損した冷却塔の補修とプラスチックの廃棄を依頼しました。
冷却塔の修理(工事)に伴って発生した廃プラスチックなら問題ありませんが、冷却塔から脱落して廃棄物となっているプラスチックの処理を頼んだとすると、補修会社は産業廃棄物の収集運搬等の許可を有している必要があります。(前者の場合、工事の委託であってプラスチックの廃棄を依頼するとは言いません。)
> 補修会社は零細な収集運搬会社と最終処分会社に廃棄物処理委託をしました。それぞれ廃棄物処理の契約があり、収集運搬と処分業の許可のある会社です。
委託先が零細かどうかは法の適用には関係のないことです。
> この場合、補修工事の発注者になる当社は廃棄物処理について法的責任は無いと思いますが、何かやっておくべきことがあるでしょうか?
廃棄物であるプラスチックが補修工事に伴い発生したものなら、法的には工事を請け負った者の廃棄物となり、御社に法的責任は発生しませんが、強風により脱落したフィンなどであれば「請け負った工事により発生した廃棄物」ではありませんから排出者は御社となり、その責任は御社が負うことになります。(補修会社でなく、集運搬会社が実際の収集運搬を行うなら再委託の承諾に関する手続きが必要ですし、最終処分会社には御社が直接委託する必要があります。)
> また、木製冷却塔の破損だったらどうなるでしょう。
工事に伴って発生する廃棄物であるなら「木くず」も産業廃棄物ですが、木くずは業種が指定されているため、通常はプラスチックと異なり脱落した木くずは一般廃棄物となります。
> 当社と補修会社の契約は、廃棄物処分についてどのような文言の契約が適当でしょう。モデルはあるでしょうか?
工事に伴って発生した廃棄物か、災害により既に廃棄物となっているものかで取り扱いは異なります。
後者の場合、プラスチック(産業廃棄物)か木くず(一般廃棄物)かでも異なってきます。
御社が排出事業者で産業廃棄物に該当する場合の契約書のモデルは、各都道府県の産業廃棄物協会から示されています。
回答に対するお礼・補足
万田カ様 詳しくご回答有り難うございます。
以前からマタカ様のいろいろな方への回答を拝見し、勉強ををしていました。
度重なる台風で冷却塔のプラスチックは外れかかりりになりました。脱落していないので修理工事に伴い取り外した廃プラスチックです。
補修会社が廃棄物の排出事業者になりましたが、保全部長も気になったのか、相談がありました。判断を間違えなくてよかったです。
補修工事を伴わない、災害で脱落した廃棄物の場合は発注者が排出事業者になること、木製なら一般廃棄物になり、一般廃棄物の許可を得た会社に処分委託が必要なのですね。現場で実務をする人に大変役立つ情報を有り難うございます。
総件数 1 件 page 1/1