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環境Q&A

浄化槽でのCOD値低減について 

登録日: 2004年06月14日 最終回答日:2004年06月30日 水・土壌環境 水質汚濁

No.6355 2004-06-14 14:38:13 環境Q

浄化槽でのCODとBODの値の関係を尋ねられました。
CODの値を減らしたいと相談されましたが、浄化槽に
ついての知識が乏しく良く分かりません。

ばっ気槽は「微生物の働きを活発にして有機物を二酸化炭素や水に分解する」とネットで書いてありました。
ばっ気槽では、実質BODの値が上がりCODの値を下げているって事でしょうか?

沈殿槽では「廃水中に含まれる微生物・固形物質を沈殿・分離する」とありました。ここでは、BODを分離?する事で
BODを下げるという事でしょうか?

浄化槽の放流水がCODの値が高い場合というのは、ばっき槽で充分に有機物を分解していないのが原因なのでしょうか?すいませんが、アドバイスいただける方おられましたら
是非お願いします。

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No.6606 【A-6】

Re:浄化槽でのCOD値低減について

2004-06-30 14:12:59 johka僧

 まず、BODとCODの関係の定義から
 CODとは、水中の酸化されやすい物質、主として有機物質等が酸化剤によって酸化される際に消費される酸素量をmg/Lで表したものです。
 BODとは、水中の酸化されやすい物質、主として有機物質が微生物によって分解される際に消費される酸素量のことであり、通常20℃、5日間で消費された溶存酸素をmg/Lで表したものです。
 CODは化学薬品の酸化剤(過マンガン酸カリウム)を用いて高温(100℃)で短時間(30分)に有機物質および還元性無機物(亜硝酸塩など)を酸化することに対し、BODは微生物がほぼ自然環境の中と同じように有機物質を摂取し酸素を消費します。したがって、CODとBODの両方とも酸素消費量で表されていますが、酸化のメカニズムは大きく異なります。
 次に、処理過程のBOD、CODの変化を理解しましょう。
 浄化槽のBODとCODは、流入から放流までの各処理過程を経て、次第に低下していきます。
 合併処理浄化槽におけるBODとCODの比(BOD/COD)は、流入水では2〜3で、処理水では0.5〜1程度となります。これは、流入水の場合、未分解の有機物質がほとんどであり、微生物に摂取されやすい物質がBODとして測定されますが、CODの場合は測定時間や酸化剤の特性などの制限で有機物質を完全に酸化できず、CODの値がBODより低い値になりやすい。一方、処理水の場合、微生物による生化学反応と沈殿槽での浮遊物質の除去により、有機物質の大部分が除去されますが、微生物で処理されない化学物質や難分解性物質が除去されないことが、処理水のCODがBODより高くなる大きな原因です。また、流入水に水洗便所排水の割合が高い場合には、処理水の亜硝酸濃度が高くなり、CODがより高くなる傾向が見られます。
 一般の合併処理浄化槽処理水では、BODが20mg/LときのCODが30mg/L程度です。
 BOD・窒素同時除去型浄化槽では、生物学的硝化・脱窒を行うことによって、脱窒過程で残存COD成分が脱窒時の有機炭素源として用いられる結果、処理水CODは10mg/L以下で運転されている報告例もあり、浄化槽でもCOD成分の除去が十分に可能となってきています。CODを低減したい場合には、活性炭吸着装置が確実ですが、処理費用が高価になることを考慮して導入を検討する必要があります。

No.6388 【A-5】

Re:浄化槽でのCOD値低減について

2004-06-16 09:41:23 papa

>ばっ気槽は「微生物の働きを活発にして有機物を二酸化炭素や水に分解する」とネットで書いてありました。

ばっき槽は好気性細菌や原生動物を増殖させて廃水中の溶解性〜懸濁性有機物をバイオマスである活性汚泥として回収する単位装置です。ばっきによる酸素供給はこれらの生物の増殖に必要なエネルギー獲得手段としての好気呼吸を行えるようにしているにすぎません。呼吸により生み出されたエネルギーは有機性汚濁物質を基質とするバイオマス生成に利用されています。従って、大部分の有機性汚濁物質は活性汚泥に転換され、全てが呼吸により炭酸ガスと水に転換されるわけではありません。この点で少し誤解があります。

>沈殿槽では「廃水中に含まれる微生物・固形物質を沈殿・分離する」とありました。

沈殿槽は生成したバイオマスである活性汚泥と有機性汚濁物質が除去された処理水を分離する固液分離のための単位装置です。沈殿でなくとも、濾過や浮上分離でも良いのですが、沈殿は重力を利用したエネルギー消費極小の単位装置といえます。

>浄化槽の放流水がCODの値が高い場合。

BODとCODの関係はこのQAで答えることができるほど簡単ではありません。おおざっぱに言えばaquaーplayさんのお答えのとおりですが、処理水のCOD低減対策は浮遊物質(SS)、難分解性物質、亜硝酸など種々の原因があり、その原因ごとに対策が異なります。SS由来だとしたら濾過すれば解決できますが、現実はそのような簡単なものではないことが多くあります。

回答に対するお礼・補足

ありがとうございました!。数々の貴重なアドバイスをいただきまして感謝しております。浄化槽に関してはおかげ様で、少し理解できました。CDOの値だけを
みても原因は分かりませんね。今後もう少しよく話を
聞いてみて解決しようと思います。

No.6368 【A-4】

Re:浄化槽でのCOD値低減について

2004-06-14 22:28:43 Fort

塩素の影響についてはばっき槽の後などに使われる塩素ボ
ール等による塩素消毒のことを思い浮かべたのですが?
完全否定されたと言うことは私の方が間違っていたのですね。
すいません。

No.6364 【A-3】

Re:浄化槽でのCOD値低減について

2004-06-14 21:22:47 aqua-play

少々のことでは人の書いたものは否定しないのですがあまりにもひどすぎるので恨まれるのを覚悟で書きますが意図的ならいくらでもつきあいます

「家庭排水等を処理する浄化槽
の場合は、CODの方がBODよりも若干高めに出ることが多い
です。(理由としては塩素消毒等の影響が大きいと思われます。)


これは逆ですBODの方が大きい場合が多いです
(理由としては塩素消毒等の影響が大きいと思われます。)
分かりません、COD・BODのを測定する場合塩素の影響がある場合は影響を無くしてから測定します。
塩素消毒等は何の消毒か?水道?
水道に入っている塩素濃度だとCOD・BODには何の影響もありません

「沈殿槽では、ばっき槽で分解できなかった固形の有機物を
分離するのが目的のため、どちらかと言うと、微生物処理
しきれなかったものを物理的に除去してしまうという感覚
だと思います。


違います、結果的には分解できなかった固形物も分離するが本来は微生物と水を分離するものです

塩素の影響とあるがどこの塩素の影響か?
一般的なビル等の排水はとあるが一般的なビル等は別途水道水に塩素注入していることを意味するのでしょうか?

No.6361 【A-2】

Re:浄化槽でのCOD値低減について

2004-06-14 20:04:23 Fort

>ばっ気槽は「微生物の働きを活発にして有機物を二酸化炭
素や水に分解する」とネットで書いてありました。
>ばっ気槽では、実質BODの値が上がりCODの値を下げ
ているって事でしょうか?

まず、その浄化槽の性質によると思いますが、どのような
物を浄化しているかによってBODが高いのかCODが高いのか
違ってきます。測定をすると家庭排水等を処理する浄化槽
の場合は、CODの方がBODよりも若干高めに出ることが多い
です。(理由としては塩素消毒等の影響が大きいと思われます。)
ばっき槽では通常はBOD成分の除去を目的としているため
実質BOD値は長い目で見ると低下していきます。
しかし、ここでは、微生物では分解できない成分(COD成分等)
は残ってしまうため、この成分は別の処理により処理され
ていくこともあります。

>沈殿槽では「廃水中に含まれる微生物・固形物質を沈殿・
分離する」とありました。ここでは、BODを分離?する
事でBODを下げるという事でしょうか?

沈殿槽では、ばっき槽で分解できなかった固形の有機物を
分離するのが目的のため、どちらかと言うと、微生物処理
しきれなかったものを物理的に除去してしまうという感覚
だと思います。

>浄化槽の放流水がCODの値が高い場合というのは、ばっ
き槽で充分に有機物を分解していないのが原因なのでしょ
うか?すいませんが、アドバイスいただける方おられましたら

浄化槽の放流水のCOD値が高いのは流れてくる排水によって
も変わってきますが、一般的なビル等の排水の場合はCOD値
の方が高くなります。その理由は、上の方でかかれている
ばっき槽等でBOD成分を優先的に分解してしまっているから
ということと塩素の影響があるからと言うことが大きいから
でしょう。どちらかと言えば、浄化槽でCOD成分の除去が
十分に行われていないと言うのが理由ではないかと思われます。

回答に対するお礼・補足

貴重なアドバイスありがとうございます!
やはり難しい問題ですね。

No.6357 【A-1】

Re:浄化槽でのCOD値低減について

2004-06-14 17:30:31 aqua-play

>浄化槽でのCODとBODの値の関係を尋ねられました。
一般的に浄化槽(浄化槽法で定めるもので工場などの廃水処理施設は含まないものとする)ではCODとBODは
同じ水質汚濁の指標で測定方法が違うだけで値は比例関係にあります

>CODの値を減らしたいと相談されましたが、
すなわちBODを下げればCODもさがることになります
ただCODだけ下げたいとなると浄化槽ではできません、

>ばっ気槽は「微生物の働きを活発にして有機物を二酸化炭素や水に分解する」とネットで書いてありました。

>ばっ気槽では、実質BODの値が上がりCODの値を下げているって事でしょうか?

浄化槽では実質BOD=COD(数値が同じと云うことでない)なのでその論理はよく分かりません

水に溶けないものは沈殿や浮上で取り除けますが、溶けこんでいるものは微生物によて分解され水に溶けない比重が水より少し大きい個体の微生物(微生物の増殖)そのものになりそれを沈殿槽で分離するのです、二酸化炭素や水は微生物の排泄物と考えたほうが良いでしょう


>沈殿槽では「廃水中に含まれる微生物・固形物質を沈殿・分離する」とありました。ここでは、BODを分離?する事で
>BODを下げるという事でしょうか?

その様に言えなくはないですが「BODを分離」とは云わないと思います

>浄化槽の放流水がCODの値が高い場合というのは、ばっき槽で充分に有機物を分解していないのが原因なのでしょうか?すいませんが、アドバイスいただける方おられましたら

それはBODが高い場合はその答えになりますがCODだけが異常に高い場合は生活排水以外の物質(薬品・化学物質)が何かの原因で浄化槽に入っていることも考えられます。

回答に対するお礼・補足

何点か勘違いをしておりました。貴重なご指摘をいただき、ありがとうございます!。まだ素人には随分と難しい点があります・・。浄化槽においてBODとCODは比例関係という事は理解できました。BOD値が高ければ
有機物をばっき槽のばっきが足りないと考えられ、
COD値だけが異常に高い場合は微生物では分解できない
有機物が混入しているという事ですよね。

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