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環境Q&A

検出下限について 

登録日: 2004年06月05日 最終回答日:2005年04月29日 水・土壌環境 水質汚濁

No.6196 2004-06-05 16:00:55 さっちゃん

統計学的な話になるのですが、検出下限について教えてください。
一般的にダイオキシン類や環境ホルモン等の検出下限はブランクが出ない場合は,最低濃度をGC-MS等で測定した場合の3σ(標準偏差の3倍)のクロマトの面積又は高さに当たる濃度であるとされていますが,
質問として
何故,この3σが検出下限とみなせるか?

私の見解として,この3σという値はその最低濃度のものを測定したときのばらつきであり,ブランクを測定したときのばらつきではないと考えています。どなたか統計学に詳しい方がいらっしゃいましたら是非教えてください。

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No.10465 【A-6】

Re:検出下限について

2005-04-29 20:51:52 じんべ

さっちゃんさんのおっしゃっていることが分かった
ような気がしますが、適当な回答が見つかりません。
分析法を考えた人に聞かないとわからないかも
しれません。

私が紹介したFUMI理論のサイトは化学分析の精度管理
を専門としている研究者が運営しています。
FUMI理論のサイトには掲示板がありますので、
そこに投稿してみてはいかがでしょうか?

No.10242 【A-5】

Re:検出下限について

2005-04-13 00:41:33 じんべ

かなり時間がたっているので、もう見られて
いないかもしれないのですが。
文献からの引用になります。
「データのとり方とまとめ方」共立出版

この本に検出下限の理論的な背景が詳しく書か
れていますが、結論の一つとして、
検出下限を3σとすることについて「多くの分析
化学者は多分この定義を合理的と考えているの
だろう」との記載があります。

なかなか面白い本なので、もし興味があれば、
購入されることをお勧めします。

また、GC-MSでは、最低濃度の標準溶液のくり返し
測定から、検出下限を求めることについて

検出下限を求めるには、ブランクをくり返し測定し、
得られた面積値の3σを用いるのが理想的だと
思います。しかし、実際には、ノイズを積分して
面積値を求めることは難しいですよね。
そのため、わずかにピークの出る最低濃度の標準
溶液を用いているのだと思います。
(この時、用いる標準溶液の濃度が高すぎると、
ノイズ以外の影響を受けてしまうため、正確な
検出下限を求めることが出来ません。)
クロマトグラフィのばらつきはノイズの変動を
計測することで求めることができるという理論も
発表されています。
FUMI理論
http://www8.plala.or.jp/fumitheory/

難しい問題なので、わかりやすく伝えるにくい
のですが

回答に対するお礼・補足

じんべさん回答ありがとうございます。
長い間閉じなかった甲斐がありました。
じんべさんが紹介してくれたFUMI理論、読ませていただきました。
これは中々面白い考え方ですね。
一度の分析で検出or定量下限を出すことが出来ることは理想的です。
これから計算法など更に詳しく読み込んでいこうと思います。
それから「データのとり方とまとめ方」共立出版
は私も持っています(現在は第2版が出ているようですが)。
まだ全て網羅出来ていませんが、3σのことが書いてあったP116の内容はダイオキシン類のように最低濃度を測定した時のばらつきではなく、ブランクを測定した時のばらつきに対して3σとすることが書かれています。
ダイオキシン類はクロマト上ブランクではエリアがないため最低濃度のばらつきの3σを検出下限とするとしていますが、昔私が掲示板に書き込んだことで、この3σという値はその最低濃度のものを測定したときのばらつきであり,ブランクを測定したときのばらつきではないということです。
つまりブランクのばらつきと最低濃度のばらつきは違うのに何故?この「最低濃度の3σを検出下限とする」という理論が成り立つかが分かりません。
FUMI理論を含めて私自身もう少し勉強してみたいと思います。
じんべさん、書き込み、ありがとうございました
m(__)m

No.6685 【A-4】

Re:検出下限について

2004-07-05 23:39:03 きら

きらです。

標準偏差を「最低濃度」にするか「BL」にするかということですね。

もう少し調べてみたいと思います。

今日、わかったところでは、「分析技術者の統計的手法 第2版 (社)日本環境測定分析協会」のp339〜350に
「分析・試験方法の検出限界・定量限界について」として記載されています。

こちらの方は新しいので大きな本屋(専門書)に行けばあると思います。ただし、平成7年に発行されたものには記載されていますが、同じ第2版でもそれ以前(H4年?)のものには記載されていませんでした。

この中に、「検出限界の考えかた」としてISO/DIS 11843-1が引用されており、標準偏差をどう求めるかがでていました。

ご指摘のように、標準偏差を「最低濃度」にするか「BL」にするかということも記載されています。

分析専門の担当者がいたり環境計量士がいたりするところでは個人でこの本を持っている人もいるかと思います。

さがしてみてください。

また、検出限界とは少し異なりますが、4月から施行されている水道法では「基準値の1/10を定量下限値とする」とされています。
そして測定精度は変動係数(10%、20%)となっています。
こちらの方は、厚生労働省のホームページで検索できると思います。
<健水発第1010001号 平成15年10月10日 厚生労働省健康局水道課長>

また、何かわかりましたら追伸します。










回答に対するお礼・補足

きらさん、丁寧に回答ありがとうございます。
仕事が忙しくて返信が遅れました。
私も一応分析担当者で環境計量士なのですが、この本は持っておりません。
当然周りの人たちに聞いてもきちんとここら辺を理解している人はいませんでした。
私自身躍起になって調べましたが見つけることが出来ませんでした。
とりあえず、きらさんが言われる本を探して読んでみようと思います。
分かりましたら、ここの掲示板に書かせてもらいます。

No.6674 【A-3】

Re:検出下限について

2004-07-05 00:24:45 きら

再度、きらです。

先ほどの、JIS K 0127 でも「最低濃度の検量線用標準液を、5回以上測定し、標準偏差を求める」とあります。

やはり「最低濃度です。」

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。
たしかGC-MSの場合、SN比か3σで検出下限をもとめるようにとなっています。イオンクロマトもそうだと思いますがBLを測定した場合、通常エリアを見ることができないから最低濃度のエリアを観測し標準偏差を見てるのだと思いますが、この最低濃度から求められる標準偏差はその最低濃度のばらつきであり、仮に5回測定であれば危険率を5%だとすると2.776σがT分布表より求められる最低濃度のばらつきであると認識しています(2.776は計算上3で代替されているようですが)。
それが最低濃度のばらつきであるにもかかわらず、BLのばらつきとして代替しているのが不思議でなりません。
色々私なりに調べましたが統計学上の根拠となるものを見つけることが出来ませんでした。
私が言いたいことは最低濃度のばらつきとBLのばらつきは違うと言うことです。
であればGC-MSやイオンクロマトもそうだと思いますが、SN比で検出下限なり定量下限を求める方が良いと考えています。
きらさん、いろいろ調べていただいてありがとうございました。
教えていただいた参考文献は明日会社で調べてみようと思いますが、多分見つからないかもしれませんね。ちょっと古いですから。。m(_ _)m

No.6673 【A-2】

Re:検出下限について

2004-07-05 00:15:09 きら

>統計学的な話になるのですが、検出下限について教えてください。
>一般的にダイオキシン類や環境ホルモン等の検出下限はブランクが出ない場合は,最低濃度をGC-MS等で測定した場合の3σ(標準偏差の3倍)のクロマトの面積又は高さに当たる濃度であるとされていますが,
>質問として
>何故,この3σが検出下限とみなせるか?
>
>私の見解として,この3σという値はその最低濃度のものを測定したときのばらつきであり,ブランクを測定したときのばらつきではないと考えています。どなたか統計学に詳しい方がいらっしゃいましたら是非教えてください。

きらです。
いろんな文献を見てみましたが、何故、標準偏差の3倍を検出限界とするかについての明確な解答が得られていません。

わかったのは、3σにすると危険率が6.7%、3.29σだと危険率5%になるということでした。

私が思うに、たぶん、「検出限界」という言葉をJISとかISOとか分析・化学関連の学会で定義しているはずだと思うのですが、どこで3σと定義しているかはわかりませんでした。

参考文献として、日本分析学会誌「ぶんせき」の1993、p621〜622、p834、p995と1994、p239〜240、p949〜p950、そして1995、11、p924〜933(小特集「検出限界」)
があるようです。

それと私の担当しているイオンクロマトでは、JIS K 0127イオンクロマト分析通則にデータの質の管理が定められていて、これに従って検出限界を確認しています。

GC−MSの場合も同様にJISで規定があるかもしれません?

再度、調べてみて何かわかりましたら、追伸します。

No.6647 【A-1】

Re:検出下限について

2004-07-02 21:33:07 きら

>統計学的な話になるのですが、検出下限について教えてください。
>一般的にダイオキシン類や環境ホルモン等の検出下限はブランクが出ない場合は,最低濃度をGC-MS等で測定した場合の3σ(標準偏差の3倍)のクロマトの面積又は高さに当たる濃度であるとされていますが,
>質問として
>何故,この3σが検出下限とみなせるか?
>
>私の見解として,この3σという値はその最低濃度のものを測定したときのばらつきであり,ブランクを測定したときのばらつきではないと考えています。どなたか統計学に詳しい方がいらっしゃいましたら是非教えてください。

きらです。
計量証明事業所に勤務しています。
詳しいことは忘れてしまいましたが、統計の危険率、棄却率を基に「3」としています。
※古い文献(10年以上?)では「2」としているものもあるようです。

また、「標準偏差」の求め方までは決められていません。
うちの会社では、ブランクで「0(ゼロ)調整」して、ブランクを普通のサンプルとして複数回測定した時の標準偏差であったり、「STD(スタンダード・標準)」で検量線を作成し、同じSTDでその検量線で濃度を複数回測定した時の標準偏差などをを使っています。
明日、会社で詳しく(?)調べてみます。
何かわかれば追伸します。





回答に対するお礼・補足

きらさん回答ありがとうございます。
長い間、質問を閉じずに待ってた甲斐がありました。
私がどうしても分からないのが、ダイオキシン類等における検出下限の求め方の根拠です。最低濃度を測定したときの3σが何故検出下限となるのか?通常ICPなどではBLの3σ+(BLの平均強度)が検出下限となることは分かります。しかしGC-MS等で検出下限を出す場合最低濃度の3σとする根拠が分かりません。
何か分かりましたら是非教えてください。

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