シュウ酸混入排液の活性汚泥処理
登録日: 2020年08月04日 最終回答日:2020年09月10日 水・土壌環境 水質汚濁
No.41672 2020-08-04 00:44:53 ZWlfd2d あたまぐるぐる
不定期で過酸化水素含有排液(約10~100ppmほど)を処理する必要があり、過酸化水素排液時にはカタラーゼ製剤を使用しています(過酸化水素1ppm未満に処理する)。
後段には活性汚泥処理があるため、過酸化水素流出を避ける必要があります。
カタラーゼを混合する前の段階で過酸化水素含有排液にシュウ酸(数ppmのオーダー)が混ざるとカタラーゼが失活するようで、過酸化水素を分解できなくなるようです。
(汚泥にかなりのダメージを与えたトラブルが有り、その再現実験から、シュウ酸による悪影響がわかりました)
よって、カタラーゼによる過酸化水素分解をしたのちに、シュウ酸が混入するようにラインを組み立てようかと考慮しているところです。
質問としては、「シュウ酸の混入がカタラーゼ活性にかなりのダメージを与えるならば、過酸化水素が無くてシュウ酸の混入だけでも好気性細菌のカタラーゼを失活し、活性汚泥に甚大なダメージを与えるのではないか?」という素朴な疑問です。
シュウ酸のSDSには活性汚泥処理が勧められており、シュウ酸自身も自然界にそこそこ存在する物質ですし、好気性細菌を殺してしまうようには思えません(馴養が必要なのかもしませんが)。
ご存じの方、ご経験のある方はいらっしゃいますでしょうか?ご教授いただければと思います。
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No.41689 【A-2】
Re:シュウ酸混入排液の活性汚泥処理
2020-09-10 13:59:52 papa (ZWlbd18
管路の嫌気化防止の選択肢のひとつに過酸化水素注入があります。
通常はコストの点で硝酸塩や鉄塩注入が実用化されています。
分解生成物が処理の障害になることもなく汚泥中の細菌にはカタラーゼ活性のあるものもあるので高濃度でなければ処理障害になることはほとんどないはずです。
下水排除基準に抵触しない範囲で下水放流水に混入していても差し支えありません。
過酸化水素を常用している事業所排水を受け入れる際に相談を受けたことがありますが、管路の嫌気化防止にもなるので過酸化水素水については特に処理は必要ありませんと回答しました。
中途半端に還元剤で処理することによりよう素消費量を増やしてしまうことは逆効果と思います。
活性汚泥処理と別ルートで希釈直接放流で構わないと思います
過酸化水素で活性汚泥の処理障害という例はほとんど聞いたことがありません。
家庭用の酸素系液体漂白剤の主成分は過酸化水素水ですがふつうに下水道をご利用いただいています。
回答に対するお礼・補足
papaさま
貴重なお話をいただきましてありがとうございます。
公共用水域への放流となるのですが、おっしゃるとおり希釈&直接放流も濃度の点からはあり得るのかなと思っています。
むしろ現在の処理流路では過酸化水素を処理する前提では作られていないので、活性汚泥を痛めつけるリスクを抱えているだけにも感じています。
今後、検討させていただきます。
御礼遅くなりましたが、真にありがとうございました。
No.41687 【A-1】
Re:シュウ酸混入排液の活性汚泥処理
2020-08-26 21:36:12 ぷよ太郎 (ZWlfd36
>(汚泥にかなりのダメージを与えたトラブルが有り、その再現実験から、シュウ酸による悪影響がわかりました)
10〜100ppmの過酸化水素と数ppmのシュウ酸が混ざれば酸化還元反応によりどちらも分解してしまい、カタラーゼ活性を下げるようなことはないかと思いますが、再現実験は試薬ベースで行ったのでしょうか?
もし実際の廃液ベースの試験でしたら阻害原因物質はシュウ酸ではないかもしれません。いわゆる「相関関係はあるが、因果関係はない」というやつではないでしょうか?
また植物の絞り汁にオキシドールを入れてカタラーゼの反応を見る実験があります。下のサイトではシュウ酸を多く含むホウレンソウを使っていますが問題なくカタラーゼは反応しています。シュウ酸がカタラーゼを阻害するというのは考えにくい気がします。
https://www.mirai-kougaku.jp/laboratory/pages/170908_02.php
回答に対するお礼・補足
ぷよ太郎様、ありがたいアドバイス頂きましてありがとうございます。
まずは、再現実験について;
再現実験は試薬で行い、使用した水、過酸化水素は半導体グレード、シュウ酸は特級です。
過酸化水素水溶液にシュウ酸を加えて5分ほど放置した後、カタラーゼ製剤を加えました。
シュウ酸あり無しで比較し、シュウ酸ありではパックテストの反応がそのまま残る、シュウ酸無しではパックテストの反応がなくなる(過酸化水素が分解されたように見える)、という結果でした。
パックテストが妨害を受けて誤反応している可能性もゼロではないですが。
その後、シュウ酸を含んだ廃液を活性汚泥で処理したところ(他の物質も低濃度で混入していると思われます)汚泥の一部に黒色変化が観察され、ある程度のダメージが有ることが分かりました。(事前の少量テストでは大丈夫そうだったのですが)
少なくとも、活性汚泥にはあまり良くなさそうです。
ソウレンソウの実験のご紹介、ありがとうございます。
http://id.nii.ac.jp/1536/00000219/ にホウレンソウ中のシュウ酸濃度が書かれていて、茎にはざっくり100mg/100g含まれているとのこと。
3gの茎を10mL中に入れると300ppmのシュウ酸濃度となり、かなり高濃度で、ラボ再現では確実に酵素が失活している(ようにみえる)はずの濃度です。
たしかに不思議です。
もしかすると用いた製剤がカタラーゼではない可能性もあるのかもと思い至りました。
過酸化水素分解を目的にしている酵素製剤なので、カタラーゼだろうと思っていたのですが。
長々と書いてしまいましたが、ありがとうございました。
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