BODへの残留塩素の定量的な影響
登録日: 2013年08月08日 最終回答日:2013年08月20日 水・土壌環境 水質汚濁
No.39343 2013-08-08 16:41:13 ZWle657 元気印
弊工場では、有機化合物を微量含む排水を生物処理(活性汚泥法に近いもの)して、排出しております。
また、別の排出ルートで、次亜塩素酸を含む排水を排出しております。
冬場に生物処理の活性が低下し、アンモニア性窒素、亜硝酸性窒素の濃度の上昇がみられます。
不勉強で申し訳ないのですが、最近、BOD測定値には、「アンモニア性窒素、亜硝酸性窒素」に起因する、N-BODが含まれることを知りました。
また、「残留塩素が、硝化細菌の活性を低下させ、BOD試験(N-BOD)に影響を及ぼす」との知見も得ました。
BODの管理値としては、全く問題ないレベルではあるのですが、「BODへの残留塩素の定量的な影響」の知見があれば、参考にしたく、質問させていただきました。
どなたか、一般的な知見でも結構ですので、ご教示いただければ幸いです。
本、「環境Q&A」での質疑には、「BOD42ppm⇒14ppm、塩素注入率1.2ppm 」とのご回答があるのですが、弊工場のような低濃度の残留塩素の影響についての知見を得たく、質問しました。
<概略の弊工場排水レベル>
・BOD;5〜10ppm
・TOC;5〜10ppm
・アンモニア性窒素;1〜2ppm・・・冬場2ppmまで上昇
・亜硝酸性窒素 ;1〜3ppm・・・冬場3ppmまで上昇
・残留塩素 ;約0.05ppm
以上、よろしくお願いいたします。
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No.39361 【A-2】
Re:BODへの残留塩素の定量的な影響
2013-08-20 19:17:10 papa (ZWlbd18
私の経験と知識の範囲ではそのように思います。
回答に対するお礼・補足
大変貴重な知見を有難うございました。
今後、この知見を元に弊工場における解析を続けていきたいと思っております。
今後ともよろしくお願いいたします。
No.39353 【A-1】
Re:BODへの残留塩素の定量的な影響
2013-08-19 11:04:34 papa (ZWlbd18
硝化によるN-BODは下水処理水の場合で理論値の40〜60%程度かと思います。アンモニア性窒素濃度1mg/Lあたり2〜3mg/Lを見込んでいます。一般的には、硝化運転しているケースが多いので、N-BODを考慮することも少なくなってきています。
N-BODについて残留塩素の影響はかなりあると想定しています。アンモニア性窒素が多くなるとアンモニアに反応する塩素が多くなって結合性残留塩素の割合が多くなります。アンモニア性窒素が残留する状態で遊離残留塩素が検出できる程度の塩素注入を行うと硝化細菌の影響はほとんどなくなります。また、硝化細菌は浮遊細菌としてではなくフロック内に保持されていると考えられますのでSSが高くなると残留塩素の影響が減少します。
一部の処理場では、省エネと称して硝化運転を意図的に避けて大量の塩素注入を行ってN-BOD対策としている例がありますが、水質管理担当としては姑息な掟破りと感じています。
寒冷地で水温が10℃程度の処理場でも十分なSRT・MLSSが確保でき、沈殿池の管理が可能な処理場の硝化運転のお手伝いをしたことがあります。但し、脱窒がうまくいかないとpH低下による解体のリスクが大きいので、硝化よりも脱窒条件を作ることに苦労しました。
回答に対するお礼・補足
少し、無理な質問かと思いましたが、ご丁寧なご回答ありがとうございました。
なかなか「定量的」影響の推定は難しいのでしょうが、
「アンモニア性窒素が残留する状態で遊離残留塩素が検出できる程度の塩素注入を行うと硝化細菌の影響はほとんどなくなります。」 とありますのは、「ちょっとでも残留塩素が存在すると硝化細菌の活性に大きく影響すると言うことで、N−BODvs残留塩素濃度が、リニアーな関係にはない」と言うことでしょうか?
追加の質問で恐縮ですが、知見がありましたら、ご教示をお願いします。
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