一般財団法人環境イノベーション情報機構
活性汚泥に栄養素がない場合について
登録日: 2011年05月22日 最終回答日:2011年06月02日 水・土壌環境 水質汚濁
No.37048 2011-05-22 20:13:10 ZWldf24 akan
活性汚泥法についてわからないことがあるので、教えてください。
微生物を用いて有機物を分解している活性汚泥において、
酸素供給を行うが、有機物を補充しない場合どのようになりますか?
活性が低下するだけですか?
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No.37097 【A-2】
Re:活性汚泥に栄養素がない場合について
2011-06-02 17:22:47 hashiguchi_suikan (ZWldf4f
>微生物を用いて有機物を分解している活性汚泥において、
>酸素供給を行うが、有機物を補充しない場合どのようになりますか?
>活性が低下するだけですか?
有機物を摂取しているのは、活性汚泥を構成している細菌類です。
細菌類は、水中の有機物を摂取し、酸素を使って成長、生命を維持しています。餌である有機物の供給が無くなれば、当然、細菌類は餓死します。餓死する前に、体内の貯蔵物質を生命維持のために消費します。(内生呼吸)消費し尽くせば餓死です。
これによって、細菌類は減少しますが、すべてが消えてなくなるわけではありません。細菌類の細胞も餓死して溶解すれば、有機物です。それを消費する細菌類もいるでしょう。また、元々細菌類は自然界にいるものです。自然界では、有機物は希薄です。よって、細菌類は飢餓状態に耐性があります。(休眠状態)
活性汚泥法において、飢餓状態は、低負荷です。
低負荷になれば、汚泥の解体現象がおこります。
No.37049 【A-1】
Re:活性汚泥に栄養素がない場合について
2011-05-22 21:20:59 papa (ZWlbd18
>微生物を用いて有機物を分解している活性汚泥において、
活性汚泥というのは特定の生物種を指すのではなく、状態を言い表した用語に過ぎません。微生物で有機物を分解しているという捕らえ方は一面的過ぎて実態を誤解されていると思います。
微生物の増殖に対する栄養源として汚水中の様々な成分が利用されていますが、好気呼吸によって得られたエネルギーや物質は増殖のために利用されているわけですから分解と生合成が並行して行われていると考えていただいたほうがよいと思います。
>酸素供給を行うが、有機物を補充しない場合どのようになりますか?
どうなるかはご自分で実際に試して見るとよいと思いますが、活性汚泥そのものが有機物であり活性汚泥に物理的に取り込まれている未利用の有機物や貯蔵性のある形で保持されているものももあるわけなので、有機物が補充されないという状態を設定することはたやすいことではありません。栄養源が少なくなると芽胞や胞子といった耐久細胞となる生物種もありますし、難分解性の有機物を分解摂取する生物種にとってはかえって他の生物種が淘汰されて増殖できる環境になるかもしれません。
負荷量が設計の10%程度しかない処理場でも活性汚泥は十分生育できる現場を見てきましたが、すでに活性汚泥があるようならそのまま酸素供給を何年も続けていても、汚泥を解体流出させない限り次第に有機物の比率が漸減するだけのことと思います。覆蓋がなければそのうち藻類が繁殖してきて生物保持量が増加することも考慮しておいたほうがいいかもしれません。
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