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環境Q&A

農集施設の立ち上げ方法 

登録日: 2010年12月20日 最終回答日:2010年12月21日 水・土壌環境 水質汚濁

No.36247 2010-12-20 11:38:39 ZWldb37 としくん

15年ほど前に供用開始した農集施設(連続流入間欠曝気・設計処理能力日平均70立方メートル・曝気槽容量98立法メートル・流入BOD200mg/l)が老朽化したため現在改築工事を行っています。改築工事の間は膜分離活性汚泥法処理装置を仮設置きし、透視度100cm以上でBODも1.5mg/lで処理水を放流していますが、工事が完了した後、役所へ引き渡す前に仮の処理施設は撤去し、改築完了後の施設で処理し水質を安定させなければなりません。
 
 現在の流入水量が日50立法メートルで工事完了から引渡しまでが2週間しかないことを考えると、種汚泥を入れる必要があると思い、膜分離で使っていた活性汚泥(濃度30000mg/l以上)を種汚泥として投入することを考えていたのですが、その汚泥を見てみるとOD法や長時間曝気法で見られるような明るい茶色ではなく、かなり黒く貯留槽汚泥のような感じがして、活性汚泥と呼べるのか疑問に感じました。 そこでこの汚泥が活性しているのを調べたいのですが何か方法はありますか?具体的にどのように立ち上げれば良いでしょうか?(他の処理場から種汚泥を運ぶことはちょっと難しい状況なんです)

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No.36261 【A-5】

Re:農集施設の立ち上げ方法

2010-12-21 22:30:29 うさぎさん (ZWlb513

>今回は性能発注方式のため工事から立ち上げ、、、、。ライバル会社には立ち上げのプロがいますが聞く訳にもいかず。

 どうもお節介のようでした。失礼しました。自治体の施設のようなので、他の施設から持ってくればいいのになあーと単純に考えたんですが、そういうわけにはいかないのですね。

 papa様、風林火山様の回答が大変参考になると思いますので、がんばってください。

回答に対するお礼・補足

激励ありがとうございます。立ち上げの方法についてですが、来週から膜分離の汚泥を使って行うことになりました。曝気時間はDOの上り方・下り方、パックテストで窒素の分解具合などを見ながら調整し、曝気槽へはpapaさんの指示に従って汚泥を多めに投入してみるつもりです。

 私はよくこのサイトを見ていますが、他にも多くの方がこのサイトを閲覧しているんだろうなと思います。最初、私の質問を読んだ時、「透視度が100cm以上あるなら汚泥が活性化しているに決まっているじゃないか」と、思われた方も多くいらっしゃるかも知れませんが、立ち上げの経験が豊富な方なら即断出来るような事でも、経験がない者が一人で作業するとなると凄く不安だったりします。絶対成功させないといけない状況で、自分なりに書籍などで勉強したのですが、今回のケースに当てはまるような立ち上げ方法が見つからなかったのと、個々の処理場によって汚泥の投入量とか変わってくると思ったので、このサイトで具体的な数値を示し、アドバイスを受けようと思った次第です。
 
 適切なアドバイスをしていただいた、papaさん、風林火山さん、ほんとにありがとうございました。うさぎさんも、ありがと!

 立ち上げの結果については、何らかの形で来月にでも報告できればと思います。

No.36260 【A-4】

Re:農集施設の立ち上げ方法

2010-12-21 20:09:09 papa (ZWlbd18

風林火山様の回答にあるようにちょっと多目の濃度設定を回答しておきました。(風林火山様の回答に感謝します)
説明せずに汚泥濃度をちょっと多目の回答としたのには、はじめのうちはおそらく凝集性が低下しているので、解体流出が多少なりとも見られることを予想していたからと、活性の低下を心配されていたようなので多めなら安心できるかと思って回答しました。
処理施設を運転する人的心理はとても大切な要素だと思っています。
ちょっとしたトラブルで迷走しないようにある程度の心理的余裕をもって運転することはぜひとも必要なことだと思っています。
回答を正面から受け止めていただいたようで、すでに設定汚泥濃度で希釈したSVの状態を観察しているようですから、質問者の方は維持管理技術者としての確かな視点をお持ちです。
上澄水にピンフロックが浮遊することをご確認したようなので、切り替え直後は多少のSS流出は避けられないということを認識していただいたと思います。
SVの値も運転可能な領域にありますので、じっくり立ち上げを見ていてください。健闘を祈ります。

No.36254 【A-3】

Re:農集施設の立ち上げ方法

2010-12-21 00:07:37 うさぎさん (ZWlb513

>私は工事専門なので不安はありますが膜分離の汚泥で立ち上げしてみようと思います。

 この施設は浄化槽だと思うので、浄化槽管理士は居ないのでしょうか?既設(仮設も含めて)を維持管理している業者がいるのでは。
 もしかして、工事の中に立ち上げまで含まれていて、施工業者が立ち上げをやるのでしょうか?自治体設置の集排ならそんなことはないような、、、、。
 たぶんネットよりも身近にアドバイスできる方が多くいるはずですよ。

 お節介かも知れませんが。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。この施設は町の職員が直切管理していますが(浄化槽管理士の資格を持った方がいるかは分かりません)、今回は性能発注方式のため工事から立ち上げまで全て請負業者の責任で行い、法定水質検査をクリアする処理性能が得られたら引き渡す契約になっています。仮設の装置は汚泥の引抜を定期的に行うだけで綺麗な水が得られていました。会社に浄化槽管理士は数人いますが、講習で取得しただけで管理の経験がありません。ライバル会社には立ち上げのプロがいますが聞く訳にもいかず。よくこのサイトを拝見していて、「ここなら適切なアドバイスが受けられるのでは」と思い活用させていただきました。

No.36253 【A-2】

Re:農集施設の立ち上げ方法

2010-12-20 23:55:41 風林火山 (ZWl8e32


 膜分離の経験はありませんので机上の一般論しか言えませんが・・

 連続流入間欠ばっ気(JARUS14型ですよね)は活性汚泥フロックを作り重力沈殿させる方式です。これに対し膜分離は沈殿に代えてろ過する方式です。従って膜分離は汚泥を凝集する必要がないというのがある意味「売り」となっています。
 極端な言い方をすると、ある程度の汚泥濃度さえ確保しておけば激しいバルキングが生じていても処理水に影響はほとんど出ません。

 もともと14型の汚泥を仮設の膜分離汚泥に利用したと思いますので再度改築後の反応槽に戻してもバルキングなどが生じていない限りpapa様の言われる通り大きな問題はないと思います。

 ただ気になるのであれば、今の30,000mg/l汚泥を6〜10倍程度に希釈して沈殿率を測定してみてください。良ければ問題なしで悪ければ顕微鏡で指標となるような微生物を探して状態を判断してください。
 さらに、BODが測定できる環境なら反応タンクの汚泥をろ過して溶解性BODを調べてみるのも有効かと思います。

 立ち上げ時の濃度ですがpapa様の言われる量(私と違って経験から出した数字だと思いますので確かだと思いますが)かもうちょっと少なめでもよいかもしれません。 

回答に対するお礼・補足

ありがとうございます。早速沈殿率を測定してみました。汚泥を処理水で5倍にうすめて、よく攪拌してシリンダーの中でSVを測定しました。30分でSV90、1時間で70、3時間で40まで下がりました。汚泥の色は薄めたせいか少し黒さが減ったような気がしますが、上澄水が、ねずみ色に濁っています。これは問題ないと考えてよろしいか?今顕微鏡を持っていないため生物観察することはできませんが、パックテストを購入してアンモニア性窒素などが分解されているか試験してみようと思います。

No.36249 【A-1】

Re:農集施設の立ち上げ方法

2010-12-20 20:42:28 papa (ZWlbd18

膜分離の汚水処理施設は高濃度汚泥を保持できるためにSRTがとても長くなります。その結果として無機質含有量が増えるとともに色がだんだん濃い土色になります。それはそれで異常な状態ではありません。
ODでも極低負荷運転でSRTが極端に長くなるとを続けると同じような状態になります。膜分離の合併浄化槽でも汚泥は腐泥のような色になっていることが多いと思います。
したがって、再立ち上げに利用することについては支障はないと思います。
但し、有機分の減少により汚泥が細粒化して凝集性がかなり低下しているので最初のうちは少し解体気味に推移するかもしれません。
いずれにしろ流入負荷には馴致して処理ができている汚泥ですので、外から種汚泥を搬入する必要はないと思います。
曝気槽容量が約100m3ですので、DSで300kgくらいあれば十分処理できると思いますので現在の活性汚泥(濃度30000mg/l)を10m3くらい種汚泥に使えば残りは搬出してしまってもよいと思います。

回答に対するお礼・補足

papaさん、適切なアドバイスありがとうございます。私は工事専門なので不安はありますが膜分離の汚泥で立ち上げしてみようと思います。曝気時間については、ブロワ+水中エアレータからブロワ+メンブレン型散気装置に変わったため酸素溶解効率が向上していると思いますので過曝気にならないようにDOや窒素濃度を見ながら調整してみます。

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