一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境Q&A

下水汚泥の固形燃料化(下水バイオソリッド)による温室効果ガス削減量の算出方法 

登録日: 2010年02月12日 最終回答日:2010年02月15日 ごみ・リサイクル 産業廃棄物

No.34155 2010-02-12 04:07:53 ZWld126 中西

失礼します。
現在、汚泥処理技術の開発によって、下水汚泥の固形燃料化が注目されています。

燃料化技術として、汚泥の炭化と乾燥があります。固形燃料化物は基本的に火力発電所等において石炭と混焼され石炭代替燃料として主に発電に使用されています。

そこで質問なんですが、石炭代替燃料として使用した際、その分の温室効果ガス削減が見込まれると思います。
その削減量の算出方法について教えて頂きたいです。

例えば、固形燃料化物の発熱量が17(GJ/t)とします。炭化技術によって1000t/年もの固形燃料化物が製造されたとします。
固形燃料化物の総発熱量は、17×1000=17000(GJ/年)を有します。
これを石炭代替燃料として使用するので、
例えば一般炭と混焼する際は、環境省のガイドラインより一般炭の排出係数は0.0247(tC/GJ)とあるので、削減量は
17000×0.0247=419.9(tC/年)と計算して良いのでしょうか?
これをCO2ベースに換算すると、
419.9×44/12=1540(tCO2/年)となります。

それとは別の計算方法として、上記と条件は一緒で年間17000(GJ/年)を有します。発電効率は、石炭と燃料化物を混合させても変化ないと仮定して、発電効率を40%とします。
単位発熱量当りの発電電力は電力会社等により280kWh/GJとします。
17000(GJ/年)×0.4(%)×280(kWh/GJ)=1904000(kWh/年)
回収電力が1904000(kWh/年)となります。
この電力量に電気しようによるCO2排出の係数(九州電力による)をかけて、
0.000365(tCO2/KWh)×1904000(kWh/年)=695(tCO2/年)
とするのでしょうか?

答えが違いますが、どちらの計算方法が正しいのでしょうか?
ご回答よろしくお願いします。



総件数 4 件  page 1/1   

No.34177 【A-4】

Re:下水汚泥の固形燃料化(下水バイオソリッド)による温室効果ガス削減量の算出方法

2010-02-15 20:32:19 papa (ZWlbd18

>知りたいのは、例えば、焼却処理における温室効果ガスの排出に比べ、炭化や乾燥をすると焼却より削減できるか否かであります。
常識的に考えてありえません
炭化や乾燥処理による資源化では、下水道管理者が発生する廃棄物の最終処分を行なう必要がないという点に最大のメリットがあり、こういった手法を導入する主たる理由は温室効果ガスの削減ではないからです。プラント売り込みに多少の付加価値をつけるためにそのような理由をつけることがあるかもしれませんが、全く的外れと思います。

>汚泥を減量するため、焼却を行っていると思いますが、どうせ減量するのなら固形燃料(補助燃料程度)に繋がるし、焼却によるN2Oを削減できるので、炭化したり乾燥させるものだと考えています
炭化や乾燥ではその熱源をどこから調達するかが最大の問題点で、そのほか設備の建設費、処理施設を稼動させるためのユーティリティーが必要になります。(前回答で低位発熱量に言及したのはこのことがあったからです。そういう趣旨をぜひくみとっていただきたかったと思います)
炭化炉では設備的にほとんど焼却炉と同じだけの設備が必要になります。このような設備では炉本体のコストが全体に占める比率は小さく、排ガス処理や搬送・貯留に要する設備やユーティリティーは炭化炉でも焼却炉でもたいした変わりはありません。
 したがって量的推計をするまでもなく、燃原料の迂回消費的な汚泥処理を温室効果ガスの排出削減と言い換えているだけに過ぎません。
下水処理の現場では、高効率の散気装置とか、電力消費の少ない濃縮機、脱水機、ケーキ搬送装置、焼却炉排ガスからの熱回収装置など温室効果ガス排出抑制のための技術開発を待っている設備がたくさんあります。そういった方面での推計試算は技術開発促進に寄与する点も多いと思います。
昨今、陳腐化した技術を温室効果ガスの削減のような装いで復活させるゾンビのような切り口にのせられる方が多くなり残念に思います。

No.34166 【A-3】

Re:下水汚泥の固形燃料化(下水バイオソリッド)による温室効果ガス削減量の算出方法

2010-02-14 20:51:38 papa (ZWlbd18

>現在、汚泥処理技術の開発によって、下水汚泥の固形燃料化が注目されています。
とりたてて注目されているような技術ではなく、昔からある技術です。

>石炭代替燃料として使用した際、その分の温室効果ガス削減が見込まれると思います。
脱水ケーキの低位発熱量を考慮すれば、温室効果ガス削減など見込むことは到底不可能です。乾燥や炭化、輸送に伴うに温室効果ガス発生量を考慮すれば削減どころか新たな排出源にさえなります。

人間活動の物質循環に介入して汚濁物質をバイオマスとして回収しているのが下水処理ですから、このような安直な発想からではなく、どのようなシステムが温室効果ガスの削減につながるのか、回収拠点である処理場職員でさえもっと突っ込んだ視点で考えています。

回答に対するお礼・補足

papaさん、ご回答、ご指摘ありがとうございます。
もう少し質問させて頂きたいです。
よろしくお願いします。

知りたいのは、例えば、焼却処理における温室効果ガスの排出に比べ、炭化や乾燥をすると焼却より削減できるか否かであります。

汚泥を減量するため、焼却を行っていると思いますが、どうせ減量するのなら固形燃料(補助燃料程度)に繋がるし、焼却によるN2Oを削減できるので、炭化したり乾燥させるものだと考えていますが、

システム全体で見ると、やはり焼却より温室効果ガスの観点からは、悪いのでしょうか?


No.34165 【A-2】

計算根拠はしっかり残しておきましょう

2010-02-13 19:51:27 todoroki (ZWl7727

普通製造業では、
コジェネといっても石炭炊きの発電を前提としないのでよくわかりませんが、
計算としては、
「固形燃料によって削減された量」−「一般炭の燃焼で発生した量」
になりませんか?
これでもマイナスなら削減側、プラスになってしまえば増加側と、
考えざるを得ないでしょう。

また電力はたしかに九州地方なら一般的には九州電力でしょうが、
日本平均,各売電会社などでも計算しておけるようにしましょう。
電力会社(発電におけるCO2排出原単位)が変われば結果も変わる
というケースもあり得ますから。

No.34159 【A-1】

それは固形燃料で得られた熱をどう使うかによります

2010-02-12 20:14:57 todoroki (ZWl7727

ここのところ、よくお目にかかりますね。
私は昔々工場のサイトアセスメントもやったことがあるものですから・・・。
さて 今回の場合、ご質問の答えは、
「得られたエネルギーをどのような形で使うのですか?」
の答えによります。
熱エネルギーとして使うのであれば前者、
電力に変換して電気エネルギーとして使うのであれば後者と考えるのが
妥当でしょう。
(よく考えると電気エネルギーは二次エネルギーです)
両者をミックスで使うのであれば、
固形燃料の発熱量(≒使用量)に遡って
アロケーション(=allocation;按分)する必要があります。
でも電力1kWhあたりのCO2排出原単位が、
なぜ九州電力のものなのでしょう?

回答に対するお礼・補足

todorokiさん、毎度回答ありがとうございます。
すみませんが、もう少しお聞きしたいことがあります。

まず、九州電力としたのは今回は大分県のとある市を、対象としたいからです。

得られたエネルギーをすべて電気エネルギーとして使うと仮定したのですが、
得られたバイオソリッドを電気エネルギーに変換し、削減分として考える場合、

今回私は、
回収電力を1904000(kWh/年)と仮定し、
この電力量に電気しようによるCO2排出の係数(九州電力による)をかけて、
0.000365(tCO2/KWh)×1904000(kWh/年)=695(tCO2/年)
とし、年間695(tCO2/年)削減できるという結果を出しました。

バイオソリッドと石炭を混焼し、発電を行い電気エネルギーとして削減分を考えたつもりですが、現実的には石炭と燃料化物を混焼したので、電気使用による排出係数はもっと値が上がる(環境負荷が大きくなる)と思うのですが、計算手法としてはこれが良いのでしょうか?

総件数 4 件  page 1/1