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環境Q&A

排水処理後の硫酸カルシウムの発生について 

登録日: 2010年01月05日 最終回答日:2010年01月06日 水・土壌環境 水質汚濁

No.33945 2010-01-05 11:45:22 ZWlcf5b 歩霧人

重金属を含む排水を中和、沈殿によって処理しています。その処理後の上澄水中に数時間から数日経つと硫酸カルシウムの沈殿が発生します。針状の結晶やスケールとなって処理設備内外で不具合の原因となっています。この発生メカニズム、対策についてアイデアを頂けないでしょうか。

排水:pHは3程度、温度15〜20度 Fe,Zn,Cuなど数100ppm、SO4 数1000ppmを含む
処理方法:消石灰による中和、高分子凝集剤により凝集沈殿 上澄水を得る
その他:中和反応槽内に空気を吹き込んでFe酸化を行っています。空気を十分に吹き込むことで上澄水の硫酸カルシウムスケール発生が減少するように思われます。

過去のQ&Aから硫酸カルシウムが厄介であるとわかりました。ただし空気の吹き込み具合で結晶の出来かたが違うように思われ、このあたりに何かヒントになるものがないかと考えた次第です。

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No.33953 【A-3】

Re:排水処理後の硫酸カルシウムの発生について

2010-01-06 20:08:10 orion (ZWl693b

フローやSO4の発生状況がよく判らないので当てはまるか判りませんので、検討はお任せいたします。
恐らくはSO4はH2SO4を場内で多量に使用されている為、また上澄水をリサイクルしているので上澄水の貯留槽でCaSO4が発生しているのではないかと思われます。
SO4を減らす事ができればある程度のスケール対策が出来るので次の方法を検討されてはいかがかと思います。
@Feを先に空気酸化させ2価Feを3価Feにする
A消石灰を投入しpH調整
BCaCl2を投入して予めCaSO4を析出させる
Cアニオン系高分子を投入し重金属とともにCaSO4を凝集沈殿させる
D上澄水のCaとSO4は濃度が低下するので貯留槽でのスケールは減る
以上いかがでしょう?

ちなみにCa濃度が高い水を通気するとCaCO3が出来ちゃったりしますのでご注意下さい

検証試験は
ビーカー上で片方を現行通りに再現し、もう片方を上記通りに処理を行ないます。
それぞれ得られた上澄水を別のビーカーに取り、長期間静置すると差がみれると思われます。
ちなみにCaCL2の投入量はSO4の濃度から計算すると良いと思います。

回答に対するお礼・補足

Orionさん、ご回答どうもありがとうございます。

やっぱりできるだけ早めに析出させてしまうということですね。Sumiさんからもいただいたとおり、とるべき基本方針のひとつはこの辺りにありそうです。

そこで、ちょっとわからないところがあるのですが、再度ご回答いただけると幸いです。

1.CaCl2の役割
 とCaCl2によるCaSO4生成は、消石灰の場合と比べその生成速度が早いなど違いはあるのでしょうか。すでに消石灰を添加しておりおそらくCaは十分存在するので、Clが関係するのかと想像しています。

2.消石灰投入後のFeの空気酸化(本題と外れますので無視していただいても結構です)
 Fe(OH)2と思われる緑色の沈殿が発生した処理水に空気を吹き込んでいくとオレンジ色に変化していきます。Fe(OH)3に変化しているのではないかと想像しています。ということはどちらを先にしてもいいものでしょうか。もちろん反応速度や空気とアルカリの消費量の問題はあると思いますが。

 回答していただいたお礼に質問を重ねてしまって恐縮ですが、もしお時間があるようでしたらお願いいたします。

No.33948 【A-2】

Re:排水処理後の硫酸カルシウムの発生について

2010-01-06 08:49:29 sos (ZWla85

塩濃度の高い排水は何かとやっかいですよね。

さて、ご質問の件ですが
硫酸カルシウムの溶解度は2000mg/l程度ですので十分析出するレベルですね。
以下の対応は可能でしょうか?

1)重金属を含む排水とSO4を含む排水が別工程から排出されるのであれば切り離す。

※これが出来ればもう既にしているでしょうから無理なんでしょうね。

2)中和剤を消石灰から苛性ソーダに変更する

※カルシウム源を無くせば硫酸カルシウムも出来ませんので。
 重金属の中和処理であれば若干処理性が悪くなる可能性もありますが
 苛性ソーダでも十分対応可能かと。
 コストの問題はありますが・・・・

3)処理方法を変更する

※例えば硫化物法。重金属を多量に含み、かつ共存物質の多い排水には最適です。
 臭気対策が必要になりますが、処理性は抜群ですし、汚泥量も減ります。

ちなみに亜鉛はなかなか処理が難しいですが、中和凝沈のみの処理なんでしょうか?希釈放流されているんでしょうかね?

また、排水量や中和の際のpH(pHをどこまで上げているか)
他の補助薬品使用有無(PAC、キレート剤、凝結剤等)
などの情報があると違った回答があるかもしれません。

空気の吹き込みの影響については関係無いと思うのですが
実際現場で経験されているのですから何か因果関係があるのかもしれませんね。ちょっと分かりません。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。
ご提案いただいた件は、現状次のようになっています。

> 1)重金属を含む排水とSO4を含む排水が別工程から排出されるのであれば切り離す。
 残念ながらできません。硫酸カルシウムの元を断つ意味でSO4の分離や除去ができるといいのですが。

> 2)中和剤を消石灰から苛性ソーダに変更する
 実験してみました。数値ではおさえていませんが効果ありです。ご指摘のとおり、課題は沈殿物のボリウムなどかもしれません。

> 3)処理方法を変更する (硫化物法)
 これは文献でしか見たことがなく、一般的ではないと思い込んでいたので試したことがありませんでした。

補足
・中和時のpH:8〜9(概ね8.5)
・補助薬剤:高分子系凝集剤
・処理後の行き先:一部放流、一部リサイクル

 やはり一つの方法として、硫酸カルシウムの源を断つ、ということですね。またいろいろとやってみたいことが出てきました。一つ一つ潰していきます。ありがとうございました。

No.33946 【A-1】

Re:排水処理後の硫酸カルシウムの発生について

2010-01-05 17:14:44 sumi (ZWl161a

失礼ながら、野次馬的な興味半分です。

歩霧人さんは、硫酸カルシウムの沈殿発生を抑制したい気持なのでしょうか?

排出までのシステム構成によって答えが変わるはずですが、私は、沈澱生成を促進させる方向で検討すべきだと考えます。基本的に溶解度を越えているわけですから、沈澱生成を遅らせる手だてがあったとしても、それは、不安定な状況を抱えたままで処理を進めることになるので、安定した処理系になり難いと思うからです。

あてずっぽう ですが、硫酸カルシウム微粉末を散布・混和することなどで、沈澱生成が進むのではないでしょうか。
凝集剤は沈澱生成を遅らせるような気がするので、凝集剤添加の前に、この作業を入れるとか。

いい加減な話をしてしまって申し訳ありません。

回答に対するお礼・補足

早速のご回答ありがとうございます。

 Sumiさんのおっしゃるとおり、沈殿生成が早々と完了し、沈降してくれればそれに越したことはありません。ラボでは加熱によって生成が早まることが分かりましたが、実用的なレベルではありませんでした。またちょっとだけスケール防止剤を試したこともありました。
 核となる微粉末の添加は試験してみたいと思いますし、凝集剤の影響については私にとって目新しい視点でした。
 生成促進の方向を忘れずにトライしていきたいと思います。

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