一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境Q&A

下水と湖沼の違い 

登録日: 2009年08月04日 最終回答日:2009年08月07日 水・土壌環境 水質汚濁

No.32964 2009-08-04 16:26:32 ZWlc48 山田

今、実験でバネフィルターによる物理的な浄化を行っています。
バネフィルターとはバネの隙間に珪藻土をプリコートさせることにより物理除去を可能にしています。

そこで、下水と湖沼のCODに対する除去率がかなり異なっていました。
下水では、CODの除去率は低く懸濁態に由来するものでした。溶存態のCODは除去出来ませんでした。

それに対して、湖沼ではCODの除去率が高く懸濁物質と溶存態態によるCODが除去出来ました。

私が考えたのは、溶存態にも大きさがそれぞれ違うのでそれが影響しているのではないかと考えました。

そこで、下水と湖沼などの一般的な溶存態の物質がわかる方がいましたら教えて下さい。

よろしくお願いします。

                                                  

総件数 2 件  page 1/1   

No.33005 【A-2】

Re:下水と湖沼の違い

2009-08-07 21:48:10 mashi-nana (ZWlba51

>今、実験でバネフィルターによる物理的な浄化を行っています。
papa様の回答で十分とは思いましたが、質問者が水処理の研究者であったなら、溶存態CODについての説明も必要なのではと考えました。補足の意味で回答をいたします。
                           1、最初の部分は、湖沼水と下水の溶存態CODの違いについてのご質問と思いますが、下水の性状も生下水と処理水とでは異なりますし、湖沼水にしても、摩周湖と手賀沼の水質を同じに扱えないように、季節や富栄養化などで性状が大幅に変わります。原水性状を記載して質問していただかないと回答が難しいかと思います。

2、「溶存態にも大きさ云々」・・・ろ液中の有機物をすべて溶存態有機物と考えられているようですが、コロイドを溶存態とするか否かで解釈が異なりますから、事前にコロイドの扱いを整理する必要があると思います。質問者が用いられた濾紙が解らないので、コロイド状物質がどれ程、ろ過されているか不明です。プリコートフィルターのろ過径は厚さにもよりますが、最大見積もっても0.5ミクロンほどと思いますので、ろ過には0.45ミクロンのメンブランフィルターを用いて、原水中のコロイドの大部分を濾紙上に留めて実験されたらいかがでしょうか。
国際的には、下水は通常、ガラスフィルターとメンブランフィルターで此処で言う「溶存態」を2分画することが多いようです。海外の事例なのでマンガン法CODではなく、クロム酸CODによる測定なので単純な比較は出来ないのですが、生下水の場合、全COD約500ppm、GFろ過液COD約200ppm、MFろ過液COD約140ppmとの報告例があります。
ASM(活性汚泥モデル)の文献では、モデリングの基礎資料として生下水中の有機物分画が述べられています。参考にされたらよいでしょう。
もし此処で記述した内容にご理解できない箇所があれば、お調べのうえ再質問してください。
                 

回答に対するお礼・補足

詳しく教えて頂き本当にありがとうございます。

No.32997 【A-1】

Re:下水と湖沼の違い

2009-08-07 14:30:34 papa (ZWlbd18

papaです。夏休み宿題モードでお答えします。
>今、実験でバネフィルターによる物理的な浄化を行っています。
ろ過に関する単位装置についてはそれぞれのメリット・デメリットについて記載した書籍がたくさんありますので図書館で探してみてください。

>そこで、下水と湖沼のCODに対する除去率がかなり異なっていました。
原水が違えば溶存物質が異なるのは当たり前のことで、そのことをこのQAでお尋ねになられても適切な回答は期待できないと思います。

>私が考えたのは、溶存態にも大きさがそれぞれ違うのでそれが影響しているのではないかと考えました。
それは良い着想です。その着想を具体的に探求する手段を考えるのも研究の大切な要素です。
papaが学生の頃なら、分子量分画とか減圧濃縮して元素分析とかですが、今ならそのような方法でなくともLCMSとかGCMSなどでもっと詳細な情報が得られます。それを行うことが研究というものです。

>そこで、下水と湖沼などの一般的な溶存態の物質がわかる方がいましたら教えて下さい。
具体的な湖沼名が分からないのではどなたも答えようがないと思います。少なくともQAで回答が得られるような内容ではありません。

一般論ですが、担体利用の水処理というのはほぼ開発され尽くされており、そのほとんどが工業所有権の対象となっています。また、好気性生物膜による水処理は膜内の酸素移動が拡散律速であるために保持できる生物量に限界があり、基質供給のための流速確保とバイオマス保持量が二律背反であるために単位装置としては開発の余地がない程度に成熟した技術です。
研究をするということは、斬新な着想と緻密な実験計画が不可欠ですが、ご質問の内容では研究手段さへ未確定な上、単なる思い付きの範囲で迷路に迷い込んでいるように見受けられます。
夏休みの自由研究でも、もう少し見通しの良いプランで学習している小学生もたくさんいます。
研究プランを根本的に見直すことをおススメします。

回答に対するお礼・補足

丁寧な回答ありがとうございました。参考にさせていただきます。

総件数 2 件  page 1/1