活性汚泥法で低BOD濃度では微生物の凝集が進行しない理由
登録日: 2009年07月10日 最終回答日:2009年07月12日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)
No.32764 2009-07-10 08:52:07 ZWlc83a more power
活性汚泥法ではBOD濃度が50〜60mg/Lでは微生物の凝集が進行せず、排水処理を行うのが困難である、と書いてある文献があったのですが、それはなぜなのですか?
自分なりに考えたことは、
1)低濃度負荷では増殖できる微生物量が少なく、凝集してフロックを形成するに至らない。
2)低濃度負荷では発生する細菌量が少なく、それを餌とする凝集性に優れた原生動物の発生量も少なくなってフロックが形成されない。
この以上の2つです。
検討違いなことを言っているかもしれませんが、もしよかったらご指導の程よろしくお願いします。
質問の理由はある下水処理場でOD法で下水処理を行っている所があるのですが、BOD負荷量がとても小さく活性汚泥ができず、処理がほとんどされていません。そこで、別の処理方法を考えるという研究を行っています(私は大学生です)。なぜ活性汚泥ができないのか調べているのですが、詳細に書かれているものが見つけられなく困っています。
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No.32780 【A-10】
Re:活性汚泥法で低BOD濃度では微生物の凝集が進行しない理由
2009-07-12 21:06:42 風林火山 (ZWl8e32
現在、業者に委託せず市の職員が自ら管理(直営と言います)しているようですが不思議な点が多いです。
>市の職員の方とお話したのですが処理水BODは50だとおっしゃってました。
流入BODが50で処理水(放流)BODも50?
放流基準値をはるかにオーバーしています。いくら処理が出来ていないと言っても流入BOD値=放流BOD値は考えにくい数値です。
>曝気は24時間連続。
すごい電力料金でしょうね。委託業者ならたぶんどこもしないでしょう。
>平均水温11℃
冬季の水温なら分かりますが平均が?
水質試験業者に依頼するなりして、まず正確な水質データを把握することから始めましょう。
維持管理指針は設計指針とは別物で維持管理に携わるものにとってはバイブル同様の本です。ぜひ熟読してください。
特に2003年版 後編 第6章 水処理施設を。
いくつかpapa様やクマムシ様と回答が被っていますが大目に見てください。
回答に対するお礼・補足
回答していただきありがとうございます。
みなさまたくさんの回答をくださいました。
現場に行く予定なので、水質分析を自分でしたいと思います。
下水道維持管理指針を読んで詳しく勉強したいと思っています。
いろいろ有難うございました。
No.32779 【A-9】
Re:活性汚泥法で低BOD濃度では微生物の凝集が進行しない理由
2009-07-12 18:33:44 クマムシ (ZWlb745
私も融雪水の影響かと思いましたが、融雪水が多いとしても夏期の水温も含まれた“年”平均で11℃ということはないだろうと考えました。
でも、“年”平均ではなくて、秋から春の期間の平均の水温が11℃なら、辻褄が合いますね。
この推測が正しいなら、当該処理場は、特定できてしまいますが・・・大丈夫かな?
回答に対するお礼・補足
回答していただき有難うございます。
場所が特定されてしまうのは大丈夫ではないです。
詳しく載せすぎたことを反省します。
No.32778 【A-8】
Re:活性汚泥法で低BOD濃度では微生物の凝集が進行しない理由
2009-07-12 14:06:02 papa (ZWlbd18
流入水量:**㎥/日
OD槽の容量:**㎥
MLSS濃度:**mg/L
SV:**%未満
ばっき時間:24時間曝気(縦軸ローター)
流入水のアンモニア性窒素:**mg/L→放流水のアンモニア性窒素:**mg/L,流入水の硝酸性窒素:**mg/L→放流水の硝酸性窒素:**mg/L,水温:年平均**℃
というデータから推測するとひとつの可能性として
融雪水などの流入がある積雪地とか管路やマンホールの施工不良で極端に不明水の多い処理場とかが考えられます。
流入水で硝酸性窒素が検出されることから浅層地下水の漏水も考えられます。いずれにしてもこれは処理場側の問題ではなくそれ以前の課題です。
池中の固形物保持量が130kgあり、BOD≒SSと考えれば10kg/日のSS流入があり、保持量は約2週間分になります。おそらく供用後少なくとも数ヶ月程度は経過していると考えられますので、流入SSは池底に堆積しているか解体流出かその両方かでしょう。24時間曝気ということですから解体流出の比率が高いと思います。
結論から言えば、汚泥の凝集性が云々というより処理場のマテリアルバランスさへ考慮されず運転方法も知らない素人のトラブルに、現場を知らない大学の先生が乗り出してしまったという、交通法規を知らない無免許運転どうしの交通事故というような状態かと思います。
まずは自治体職員の方に下水道事業団の研修に参加していただき、問題をはじめからリセットしていただくことからはじめるのが良いと思います。
http://www.jswa.go.jp/summary/08kenshu/01kenshu.htm
これ以外に処方箋はないような気がします。
この程度の初期運転事例は全国にいくらでもあります。
回答に対するお礼・補足
回答していただき有難うございます。
プロの方からすると交通事故の状態かもしれませんが、教授との関係もあるので、今回の研究に関しましてはどうか温かい目で見守って欲しいです。
No.32777 【A-7】
Re:活性汚泥法で低BOD濃度では微生物の凝集が進行しない理由
2009-07-12 12:25:34 クマムシ (ZWlb745
≫水温:年平均11℃
普通に生活が営まれている家庭の排水ではあり得ない数値です。
家庭から排水される水は、お風呂のお湯だったり、調理の過程で加熱されたものですから、必ず、水道水より加温されて排水されるのです、年平均で11℃は、普通の家庭排水では、まず、あり得ません。
BOD濃度にしても、生活があれば、食べたり飲んだりするわけで、当然の結果として排泄もありますから、BOD:平均50mg/Lというのも考えにくいです。
仮に、数値のが正しいとすると、水温を下げさせて、BOD濃度も下げさせるだけの、大量の極低温の清冽な水が流入しているということになります。ですが、そのような排水源は、無いはずです。
回答に対するお礼・補足
回答していただき有難うございます。
処理人口の大小にかかわらずBOD濃度というのはやはり一定なのでしょうか。。
現場に行く予定なので、BOD、水温のことは聞いてみたいと思います。
データももう一度見返して見ます。
No.32776 【A-6】
Re:活性汚泥法で低BOD濃度では微生物の凝集が進行しない理由
2009-07-12 11:45:54 papa (ZWlbd18
>活性汚泥法ではBOD濃度が50〜60mg/Lでは微生物の凝集が進行せず、排水処理を行うのが困難である、と書いてある文献があった。
文献の著者が下水処理をよく知らない上に、十分なリサーチを行わないまま勝手に個人的な思い込みを公表したからです。文献を無批判に信じてはいけません。
>自分なりに考えたことは、
(略)
>検討違いなことを言っているかもしれません
見当違いですが、あらゆる可能性を考慮するのはトラブル対処には必要なことです。
設計指針は設計負荷時にも過不足がないように設計上の基準を定めたものです。維持管理指針とは別の本です。ODは設備的に特段の初期対策を考慮せずとも運転が可能なことは既に常識化しているので記載はないと思いますが、標準活性汚泥法では設計上で初期対策が考慮されています。
>沈降するほどのフロックはできないが処理は可能、それとも小さなフロックでも沈降性はあり・・・
初期では沈殿池の滞留時間が大きく、小さなフロックでも沈降します。
>活性汚泥法はフロックの凝集・沈降があるからこそ成り立っていると本に書いてあった
コレはこれで真実です。但し凝集の程度、沈降による固液分離は沈殿池の滞留時間や返送汚泥ポンプ能力との見あいできまってきます。
標準活性汚泥法の処理場ではOD処理場のような性状の活性汚泥では二沈の滞留時間や返送汚泥ポンプ能力の点で運転ができません。
>現場の処理場は市が管轄しているのですが、市の職員の方と直接お話したのですが処理水のBODは50
BODは50というようなことはないと思います。市職員はズブシロかもしれませんが、いまどきの自治体職員はもう少し賢いと思います。
うまくいかないときは近隣の自治体などから情報提供を受けるのが普通ですし、半ばボランティアでそういったご相談の応援に行ったことか何度もあります。
回答に対するお礼・補足
いろいろなことを教えていただき本当に有難うございます。
下水道維持管理指針を探して勉強したいと思います。
現場のほうに出向く予定なので、流入水、放流水の水質分析をしようと思っています。
ご親切な回答有難うございました。失礼します。
No.32775 【A-5】
11℃って・・・
2009-07-11 23:38:15 Lake (ZWla752
地域にもよるんでしょうが、地下水でも14〜15℃くらいはあります。
生物処理をしてたら、それなりの水温になると思うのですが…
>一応データをいただいているので間違いないとは思います。。
現場は見てないのですか??
回答に対するお礼・補足
回答していただき有難うございます。
やはり11℃というのは異常なのですね。
現場には近々行く予定です。水温のことも詳しく聞いてみたいと思います。
No.32774 【A-4】
Re:活性汚泥法で低BOD濃度では微生物の凝集が進行しない理由
2009-07-11 21:20:29 クマムシ (ZWlb745
水温が11℃って、おかしくないですか?
ラグーン法でも何とかなりそうな気がします
日本の公共の終末処理場ではラグーン法の処理施設はありませんが、下水道未整備の地域では、雑排水をため池などに流している家もあります。あえて言えば、ラグーン法みたいなものです。そこそこ排水は浄化されます。もちろん活性汚泥のフロックは形成されません。
papaさんも既に指摘されていますが、なにか見立てがズレている気がします。もう一度、生物浄化法をお復習いした方が良いように思います。
回答に対するお礼・補足
回答していただき有難うございます。
>水温が11℃って、おかしくないですか?
一応データをいただいているので間違いないとは思います。。
流入水、放流水ともに11℃くらいです。
もっと勉強します。
No.32773 【A-3】
Re:活性汚泥法で低BOD濃度では微生物の凝集が進行しない理由
2009-07-11 19:57:48 papa (ZWlbd18
見聞きした現象をどう把握しているのか、分からない点が何なのかを模索しているのではないかと思います。
まず、活性汚泥がなぜフロックにならなければならないのかという点が理解されていません。当たり前のことですが、ある程度の負荷がある状態では凝集性の良いフロックが形成されれば固液分離プロセスが正常に機能します。
しかし、極小負荷なら池の壁や沈殿地の機材に付着した生物膜で結構処理が進行します。酸素供給も表面溶解と拡散でまかなえる程度のこともあります。低負荷で何が何でも凝集性の良いフロックが形成されなければならないと考えていることにすでに錯誤が発生していると思います。
>BOD負荷量がとても小さく活性汚泥ができず、処理がほとんどされていません。
処理がなされるということがどういう状態なのか、という基本的な理解も足りないのではないかと思います。負荷がとても小さいなら活性汚泥などできなくとも表面溶解と池壁の生物膜で池の中に放っておいても処理が進行するはずです。
おそらくゼミのテーマとしての課題かとは思いますが、生物処理プロセスをもう少し化学工学的に把握した上でないと、なかなか適切な質問にはたどり着けないのではないかと思います。
現実の水処理のやり方に正答はひとつだけではありません。
現状では錯誤であったり、未検証の思い込みにとらわれているように推察されますが、処理場の仕組みをきちんと把握した上で様々なアプローチを試みるのは良い教材と思います。
健闘を祈ります。
回答に対するお礼・補足
いろいろフォローしていただきありがとうございます。
勉強不足で水処理に関して深く理解するに至っていません。
満足いく研究になるよう努力します。
また、何か質問することもあると思いますが、そのときはご指導の程宜しくお願いいたします。
No.32771 【A-2】
Re:活性汚泥法で低BOD濃度では微生物の凝集が進行しない理由
2009-07-10 21:06:31 風林火山 (ZWl8e32
1、なぜ凝集性の良い活性汚泥ができないのか分かればそれでよい。
2、原因を理解した上でOD法で立て直したい。
3、原因を理解した上で新しい処理方法を模索したい。
いずれにしてもまず現在の流入水量、OD槽の容量、MLSS濃度、SV、ばっき時間(サイクル)くらいは書いてもらわないと回答が付きにくいでしょう。
ところで、学生さんとのことですが教授を筆頭にゼミ生が好きなように実験させてもらえる公共(特環含む)の処理場ってあるのですか?
回答に対するお礼・補足
回答していただき有難うございます。
現場の処理場のデータを載せていなくてすみませんでした。
現在は
流入水BOD:平均**mg/L
流入水量:**㎥/日
OD槽の容量:**㎥
MLSS濃度:**mg/L
SV:**%未満
ばっき時間:24時間曝気(縦軸ローター)
流入水のアンモニア性窒素:**mg/L→放流水のアンモニア性窒素:**mg/L
流入水の硝酸性窒素:**mg/L→放流水の硝酸性窒素:**mg/L
水温:年平均**℃
です。
>1、なぜ凝集性の良い活性汚泥ができないのか分かればそれでよい。
そのとおりです。研究の話の流れ上、現場の条件で活性汚泥ができないのか証明する必要がありました。
>2、原因を理解した上でOD法で立て直したい。
OD反応槽は既存のものをそのまま活用すると決まっていますが、OD法ではなくなります。
>3、原因を理解した上で新しい処理方法を模索したい。
実際、処理方法をどうするかは研究が始まった段階で教授と話がついていまして、すでにどうするかは決まっています。
>ところで、学生さんとのことですが教授を筆頭にゼミ生が好きなように実験させてもらえる公共(特環含む)の処理場ってあるのですか?
あります。当然、公共のものですから、処理水質を悪化させるわけにもいきませんし、多大なお金をかけるなら市民の方々に納得のいくような説明ができなくてはいけない、と思っていますし教授や先輩から言われました。
詳細な内容は公表できないところもあるので、このくらいが限界です。
回答していただき有難うございました。
No.32768 【A-1】
Re:活性汚泥法で低BOD濃度では微生物の凝集が進行しない理由
2009-07-10 19:03:16 papa (ZWlbd18
ここで一応プロ同士の情報交換は済んでいると考えていますが、
そろそろ夏休みも近いので宿題モードでしばらく回答したいと思います。
>活性汚泥法ではBOD濃度が50〜60mg/Lでは微生物の凝集が進行せず、排水処理を行うのが困難である
そのようなことはありません。
>1)低濃度負荷では増殖できる微生物量が少なく、凝集してフロックを形成するに至らない。
そのとうりと思います。しかし大きなフロックができなくとも処理はできます。
>2)低濃度負荷では発生する細菌量が少なく、それを餌とする凝集性に優れた原生動物の発生量も少なくなってフロックが形成されない。
低負荷時では汚泥はそれに応じたバイオマス量にしかなりません。
原生動物は凝集性の良否には直接関係はありません。
>BOD負荷量がとても小さく活性汚泥ができず、処理がほとんどされていません。
ほんとうにそうなのでしょうか。活性汚泥など見えなくとも処理ができているケースもあります。外観ばかりにとらわれることなく水質データをきちんと検証してみてください。
>別の処理方法を考えるという研究を行っています
一番初めのリンクを参照していただければ低負荷時の運転手法はほぼ確立されいることが分かると思います。
>詳細に書かれているものが見つけられなく困っています。
(社)日本下水道協会で下水道維持管理指針を出版しています。この程度のことはその本に書いてあります。
回答に対するお礼・補足
回答していただき有難うございます。
実は、この質問をする前に「OD法の初期運転」の質問・回答は目を通しました。
私もそのリンクを見て現場の運転方法(現在、現場の処理場は24時間曝気)を変更すれば、うまく処理ができるのではないかと思いましたが、大学の研究の流れが
1.現場の処理場の条件で活性汚泥ができないことを文献等で証明する。
2.証明できたら、現場の条件でも処理可能な方法を提案する。
3.現場の処理場で実際にその処理を試し、水質分析をして処理状況を確認。
という流れが研究が始まった段階で教授との話で決まっていました。
2、3については教授の中では固まっていて、私もそれは把握しています。
それなので、運転方法を変更するということは研究の流れが決まっているのでできないのが現状です。
続けて質問・回答させて頂きます。
>大きなフロックができなくても処理はできます。
これは沈降するほどのフロックはできないが処理は可能、それとも小さなフロックでも沈降性はあり、処理は可能ということなのでしょうか?(活性汚泥法はフロックの凝集・沈降があるからこそ成り立っていると本に書いてあったので気になりました)
>外観ばかりにとらわれることなく水質データをきちんと検証してみてください。
現場の処理場は市が管轄しているのですが、市の職員の方と直接お話したのですが処理水のBODは50くらいとおっしゃっていました。自分でも水質分析してみます。
>(社)日本下水道協会で下水道維持管理指針を出版しています。
読んで勉強します。日本下水道協会の下水道施設計画・設計指針と解説(後編)は
目を通したのですが、中身は別ものですか?
回答していただき有難うございました。
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